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『300 <スリーハンドレッド>』この映画を見て!

第165回『300 <スリーハンドレッド>』
300  今回紹介する作品はスパルタの兵士300人がペルシアの巨大軍と戦う姿を描いたアクション映画『300 <スリーハンドレッド>』です。この作品はペルシア戦争のテルモピュライの戦いをアメリカで人気のフランク・ミラーがコミックノベルとして描いた原作を基に制作されています。その為に歴史的事実とは違う部分も多く、ペルシアの血を引くイランの人々からは数多くの批判が挙がっています。確かに中近東やアジアの人を暴力的な野蛮人として誇張して描いている箇所が多く、批判が出るのも仕方ないかと思います。この作品を見るときは歴史映画として見るのでなく、歴史にインスパイアされた架空の世界のファンタジー映画として見る必要があるかと思います。
 
 ストーリー:「紀元前480年。スパルタ王レオニダスのもとに、圧倒的な軍力を誇るペルシア帝国・クセルクセス王の遣いがやって来た。ペルシアの支配国にならないと国を滅ぼすという申し出に対して、レオニダスは遣いを殺して、ペルシア軍と戦う道を選ぶ。テルモピュライでの決戦に挑むスパルタの300人の兵士たち。ペルシアの100万の大軍を相手に想像を絶する闘いを繰り広げる。」

 この作品はストーリーを楽しむというより、グラフィックノベルをそのまま実写にしたかのような独特な映像美を楽しむ作品です。ストーリー自体は人間ドラマとしては物足りないところも多く、闘う兵士たちの複雑な感情といったものはあまり感じられません。普通こういう作品だと悲壮感が漂っていることが多いのですが、この作品はそういった所はなく終始兵士たちが闘いを楽しんでいる雰囲気があり、ポジティブな勢いが感じられました。
 ストーリーに関して私が残念だったのは主人公たちの政治的な発言の数々です。自由や正義をあまりにも声高々に叫ぶ場面はアメリカの独善性みたいなものが感じられ興ざめでした。
 
 この作品の最大の魅力は先ほども言ったように映像の美しさです。私が今年見た映画の中では映像的には一番インパクトのある作品でした。「映画でグラフィック・ノベルを作る」という決意を持って監督は制作したそうで、全編にわたって視覚効果を施した映像はまるで絵画を見ているかのようです。
 戦闘シーンは血しぶきが飛び散り、兵士たちの手足や首が飛ぶなど結構残酷な描写が多いのですが彩度を落としたセピア調の画質が生々しさを緩和しています。
 またスローモーションを多用した戦闘シーンは臨場感を削ぐものの、躍動感に溢れており、闘う男たちの美しさやカッコよさを見事に表現していたかと思います。
 
 敵のスパルタ軍の描写は巨人に、巨大なサイやゾウ、忍者っぽい敵と現実離れしており、まるでファンタジー映画に登場する敵のような印象を受けました。ただ残念なのが敵の大将であるクセルクセス王の描写です。威厳と言うものが感じられず、変態っぽくて迫力に欠けていたかと思います。
 
 出演している俳優たちは有名でない人ばかりですが、鍛え上げられた肉体と低く渋い声は魅力的でした。個人的にはロード・オブ・ザ・リングでファラミア役を演じたデヴィッド・ウェンハムが美味しい役どころになっており嬉しかったです。
 
 この作品はマッチョな男たちの肉体美やケレン味あふれる戦闘シーンを楽しみたい人にはお薦めです。しかし残酷な描写も多いので、その手の描写が苦手な人はご注意してください! 

製作年度 2007年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 117分
監督 ザック・スナイダー 
製作総指揮 フランク・ミラー 、デボラ・スナイダー 、クレイグ・J・フローレス 、トーマス・タル 、ウィリアム・フェイ 、スコット・メドニック 、ベンジャミン・ウェイスブレン 
原作 フランク・ミラー 、リン・ヴァーリー 
脚本 ザック・スナイダー 、マイケル・B・ゴードン 、カート・ジョンスタッド 
音楽 タイラー・ベイツ 
出演 ジェラルド・バトラー 、レナ・ヘディ 、デヴィッド・ウェンハム 、ドミニク・ウェスト 、ミヒャエル・ファスベンダー 、ヴィンセント・リーガン 、トム・ウィズダム 、アンドリュー・プレヴィン 、アンドリュー・ティアナン 、ロドリゴ・サントロ 、

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コメント

こんばんわ。コメントありがとうございます。この映画は史実しては問題が多いかと思いますが、アクション映画としては面白かったと思います。ペルシャ軍の兵士たちの非現実的な姿はファンタジー映画の域に達していたと思います。
こちらこそまたよろしくお願いします。

投稿: とろとろ | 2007年7月 5日 (木) 21時30分

こんばんは!
ごめんなさい&ありがとうございます。
今頃気づきました。
過分な寸評、はずかしいです、、、
たしかにクセルクセス、かわいそうでしたねぇ。
史実に基づいたフィクション、という見方をした方が良いですね。
またよろしくお願いしますね。

投稿: 猫姫少佐現品限り | 2007年7月 2日 (月) 03時37分

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