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『病院坂の首縊りの家』この映画を見て!

第154回『病院坂の首縊りの家』
Byouinzaka  今回紹介する映画は市川&石坂コンビによる金田一シリーズの最終作『病院坂の首縊りの家』です。
 原作自体も金田一シリーズの最終作として執筆されており、30年近い期間をかけて解決するという壮大なストーリーになっています。そんな壮大な原作を映画では事件発生から数ヶ月と短い期間で解決するように大幅に脚色しています。そんなこともあって、原作と映画ではストーリーがかなり違っています。
 ストーリー:「アメリカに渡るためのパスポート写真を撮るために写真館を訪れた金田一耕助。そこで金田一は写真館の店主たちと共に偶然にも病院坂の首縊りの家と呼ばれる古い館で男の生首が風鈴のように吊リ下げられるという猟奇殺人事件に巻き込まれてしまう。」

 この作品は金田一シリーズの完結編として制作されており、今までの作品に出ていた俳優が多数出演すると共に、原作者の横溝正史ご夫妻も特別ゲストとして登場します。5作目ともなると常連俳優たちのお決まりの演技も見ていて楽しいです。
 特に加藤武さんの「よし、分かった!」というセリフや三木のり平扮する亭主と妻の軽妙なやり取りなどは毎度ながら陰惨な話しの中の一服の清涼剤としての効果を果たしています。
 今回は初めて金田一耕介に助手が現れるのですが、その助手を演じる草刈正雄さんのカッコよさとコミカルさを併せ持った演技が素敵です。
 ヒロイン役を演じる桜田淳子さんも一人二役という難しい役どころを見事に演じています。
 あと一番今回の作品で印象を残す演技をするのが小林昭二さん。映画のラストシーンの彼の演技は見る者に深い余韻を残します。
 
 今回のストーリーはとにかく人間関係が複雑で一回見ただけではなかなか理解することができません。映画でも家計図を持ち出して説明するほどです。ここら辺はもう少し脚色するときに整理して、分かりやすくしたほうがよかったかもしれません。
 しかし、親子の哀しい絆を描いてきたこのシリーズの中でも、今回の作品が一番哀しいストーリーだと個人的に思います。男に翻弄され、家や古い因習に縛りつけらる女たちの哀しみに胸が締め付けられます。
 
 今回の作品は田舎が主な舞台となっていた今までの作品と違い、市街地で話しが展開していきます。その為に今までの作品よりこじんまりとした印象を受けるのですが、映像の美しさは相変わらず素晴らしいです。戦後の殺伐とした市街地の雰囲気を見事に醸し出しています。
 また殺人シーンは相変わらず目を背けたくなるほど陰惨です。特に生首がぶら下がっているところはインパクト大です。

 金田一耕助の最後の事件を皆さんもぜひご覧ください。 

製作年度 1979年
製作国・地域 日本
上映時間 139分
監督 市川崑 
原作 横溝正史 
脚本 日高真也 、久里子亭 
音楽 田辺信一 
出演 石坂浩二 、佐久間良子 、桜田淳子 、入江たか子 、河原裕昌 、久富惟晴 、三条美紀 、萩尾みどり 、あおい輝彦 、加藤武 、大滝秀治 、岡本信人 、中井貴恵 、草刈正雄 、小沢栄太郎 、清水紘治 、小林昭二 、三木のり平 、白石加代子 、草笛光子 、ピーター

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受信: 2007年5月 7日 (月) 10時11分

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受信: 2007年5月 7日 (月) 10時19分

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