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2007年5月

夜会 VOL.4 『金環蝕』

夜会 VOL.4 『金環蝕』
Yakai_4  中島みゆきが日本の古代神話・古事記の「天の岩戸」をモチーフにした夜会『金環蝕』。私は数ある夜会の中でも、この作品が一番好きで何十回とDVDで見直しています。
 今回の作品を楽しむためには古事記の中の「天の岩戸」のストーリーを予め知っておいたほうが良いと思います。
 
・「天の岩戸」ストーリー
 イザナギ神から生まれた三柱の神、「天照大神」・「月読尊」・「須左之男命」。天照大神は高天原を治め、月読尊は夜の世界を治め、須左之男命は海を治めることになります。しかし、須左之男命は泣いてばかりいて全く仕事をせず、姉のいる高天原に赴きます。天照大神は須左之男命が高天原を乗っ取りに来たのかと武装して待ち受けていましが、その意志がないことを知り、高天原にしばらく滞在することを許します。
 しかし、須左之男命は高天原で次々と悪さをして、ついには天照大神の配下の機織娘を死なせてしまいます。
 そのことに怒った天照大神は天岩戸に引き篭ってしまいます。太陽神に隠れられて、真っ暗闇になってしまった世界。困った神々は一計を案じ、岩戸の前で天宇受売神に踊りをさせ宴を開きます。天照大神は外の賑やかさにつられて、少し岩戸を開けて外を見ようとした瞬間、天手力男神に手をつかまれ外に引き出されてしまいます。そして、世界は再び光が降り注ぐことになりました。

 中島みゆきは本作品で「天の岩戸」の話しを基にして、常に男性に従順であることが尊ばれる大和撫子的日本女性像からの日本女性の解放を高らかに謳いあげます。美徳や伝統の下、常に男の暴力や抑圧に苛まされてきた日本女性。そんな日本女性たちに束縛からの解放と自分の心に素直になることの大切さをこの作品は訴えかけます。
 
 この作品は現代と古代の話しが交互に描かれていきます。天文台で金環触について語る女性の天文学者。そんな天文学者が夢に見る天の岩戸の伝説。男に振り回された女性の悲しみとそんな悲しみを笑い飛ばす女性のおおらかさ。日本女性の中に存在する天照大神の一面と天宇受売神の一面を中島みゆきは舞台の上で見事に表現しています。

 この作品の最大の見所は何といっても後半のEast Asiaからラストの「泣かないでアマテラス」までの熱唱とラストの世にも不思議な踊りのシーン。この一連のシーンに中島みゆきと言うアーティストの凄さが凝縮しており、何度見ても鳥肌が立ちます。とにかく中島みゆきの力強い声には魂が揺さぶられます。私は落ち込んだとき、いつもこの後半からラストのシーンを見ては、元気をもらっています。
 また、中盤の「杉本&坪倉ペア」の「歌とボケ」やみゆきさんの巨乳姿での「真直な線」の熱唱は見ていて楽しいです。(それにしても、あの巨乳装置は驚きました!商品化したら、宴会などで使えそうですよね。)
 
 見ていて元気になる夜会といえば、この作品をダントツでお薦めします。   

会場:Bunkamuraシアターコクーン
1992.11.12~12.11
全23回公演

1. インストゥルメンタル「金環蝕」 
2. C.Q. 
3. 砂の船 
4. ほうせんか 
5. 歌をあなたに 
6. 泣かないでアマテラス 
7. エレーン 
8. 遠雷 
9. 冬を待つ季節 
10. 泣かないでアマテラス 
11. 世迷い言 
12. 熱病 
13. 最悪 
14. 遠雷 
15. 冬を待つ季節 
16. 泣かないでアマテラス 
17. 真直な線 
18. やまねこ 
19. 新曽根崎心中 
20. 泣かないでアマテラス 
21. イースト・エイジア 
22. 泣かないでアマテラス 
23. 二隻の舟 
24. ダイアモンド・ケージ 
25. インストゥルメンタル「金環蝕」 
26. 泣かないでアマテラス

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夜会VOL.5『花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』

夜会VOL.5『花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』

Yakai_5  中島みゆきによる言葉の実験劇場「夜会」。その第5弾にあたる本作品は『雨月物語』の中の「浅芽が宿」を基にしています。
 「雨月物語」は江戸時代に上田秋成によって書かれた怪奇小説です。全部で9篇の小説からなる短編集で、「浅芽が宿」はその中の1篇で、帰らぬ夫を待ち続ける女の幽霊のお話です。
 中島みゆきは本作品で「男たちを待つ女たち」の切なさや悲しみを描くと同時に、受け身でない新たな女性像を提示する作品となっています。
 本作品は5つの章から成っています。各章ごとに主人公の女性は違うのですが、舞台は共通しており月明かりの夜の喫茶店の外のテーブルとなっています。
 登場人物は5人と少なく、出演者も2人だけです。男を待ち続ける4人の女性たちと時間泥棒を中島みゆきが演じ、そんな女性に飲み物を運ぶ男性ウェイターを中国の俳優・張春祥が演じています。
 
 この作品は夜会の中でも上演時間が150分以上と長く、ストーリーも難解で一度見ただけでは分からないところがあります。
 しかし、それを補って余りあるほどの魅力がこの作品にはあります。それは何かというと中島みゆきという女性の美しさです。各章ごとに和服姿、お嬢様姿、半被姿、妊婦姿と様々な女性を演じる中島みゆき。衣装がとても素晴らしく、彼女のもつ美しさが見事に引き出されています。

 この作品は他の夜会に比べるとストーリーが難解だという感想が多いです。しかし、その分何度見ても発見があり楽しめる作品となっています。この作品は歌はもちろんのこと、舞台上の細かな美術や演出にストーリーやテーマのヒントが隠されています。
 例えばテーブルの上に置いてある花や登場する女性全員が靴を履いていないことにも意味が込められています。その意味が知りたければ、幻冬舎文庫から発売されているシナリオ本を読むことをお薦めします!その本を読むと、この作品に対する理解が深まると思います。

 この作品は男を待つ女性を美徳とする伝統に対する挑発と受け身ではない新たなる女性像の提示していると私は思います。第5幕の時間泥棒のシーン。そこでは、ただ待ち続けるのでなく、自ら会いに行こうとする女性が描かれます。
 ラストシーン、時間泥棒が待ち続けてこの世に止まっている魂を引き連れて、月に向かって上っていく姿は感動的で鳥肌が立ちます。

 私はこの作品が夜会の中で一番芸術性溢れる作品だと思います。未見の方はぜひご覧ください!

会場:Bunkamuraシアターコクーン
1994.11.14~12.11
全22回公演

1. どこにいても 
2. 雨が空を捨てる日は 
3. 家出 
4. バス通り 
5. 雨のテーマ 
6. 笑わせるじゃないか 
7. 人待ち歌 
8. 信じ難いもの 
9. サッポロスノーウィ 
10. ノスタルジア 
11. 船を出すのなら九月 
12. 遍路 
13. まつりばやし 
14. 3分後に捨ててもいい 
15. りばいばる 
16. 二隻の舟 
17. 雨月の使者 
18. 孤独の肖像1st 
19. 彼女の生き方 
20. テキーラを飲みほして 
21. たとえ世界が空から落ちても 
22. くらやみ乙女 
23. 愛よりも 
24. 人待ち歌 
25. 夜曲 
26. インストゥルメンタル「人待ち歌」 

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『ホテル・ルワンダ』この映画を見て!

第159回『ホテル・ルワンダ』
Hotel_rwanda  今回紹介する作品は1994年にアフリカのルワンダで起こった大量虐殺事件を題材にした『ホテル・ルワンダ』です。
 アフリカ中央部に位置するルワンダ共和国。遊牧民族であった少数派のツチ族と農耕民族であった多数派のフツ族という二つの民族によって構成されています。1962年に独立するまではベルギーの植民地でした。独立後は少数民族のツチ族を中心とした政権が樹立します。それに反発した多数派のフツ族がクーデターを起こし、逆にフツ族による政権が樹立。しかし、それに反発したツチ族がルワンダ愛国戦線を組織して反政府運動を展開。1990年には内戦状態に陥ります。そして1993年にフツ族の大統領が乗っていた飛行機が何者かに撃墜され、フツ族のツチ族に対する怒りが爆発。フツ族によるツチ族への大量虐殺が始まり、推定で50万人以上のツチ族が殺されたとされています。

 本作品はそんな大量虐殺が起こっている中で1200人の命を救った高級ホテル支配人の実話を基にルワンダの悲劇を描いています。
 この作品はアメリカでは主演のドン・チードルがアカデミー主演男優賞にノミネートされるなど大変話題になっていました。しかし、日本では興行的に採算が合わないということで配給会社の買い手がつかず、しばらく未公開のままでした。
 そんな中、本作品の国際的な評判を聞いた人たちが「『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会」を結成して、上映運動活動を展開。そして、ついに配給元が決まり、日本でも公開になりました。

 私はこの作品を見るまでルワンダの大量虐殺など知らなかったので、見た後に大変なショックを受けました。20世紀末にこのような悲劇が起こっていたことを知らなかった自分を大変恥ずかしく思いました。同じ言葉をしゃべり、同じ場所に一緒に生活していた人間同士が民族が違うと言うことだけで、突然殺しあうという地獄のような世界。映画の中では直接的な殺戮の描写はかなり抑えられていますが、それでも道端にゴミのように横たわる多くの死体の描写には哀しくて涙がこみあげてきました。
 人間は時として自分たちの敵とみなした人間を物のように簡単に殺してしまうところがあります。肌の色が違うから、言葉が違うから、文化が違うから・・・、自分たちとの違いを探して人を区別して、差別して、時に殺していく。人間は時として相手が同じ人間であることを見失ってしまうことがあるという恐ろしさと悲しみをこの作品は教えてくれます。
 
 また、この作品では先進国にとって価値がない国は見捨てられるという過酷な現実も描かれており、先進国の差別意識や冷たさを厳しく糾弾しています。作品の中で白人ジャーナリストが主人公に「先進国の人間達は、虐殺の映像を見ても“怖いね”と言って、ディナーを食べるだけさ」と言うシーンがあるのですが、その言葉が私の胸に深く突き刺さりました。テレビに映し出される映像を見ながら「怖いね」「かわいそうね」と他人事で済ませてしまう自分。この作品は先進国と呼ばれる国で生きている人間たちの傲慢さに気づかせてくれます。
ちなみにフツ族とツチ族の対立自体が先進国の植民地政策がもたらしたものです。自分たちの利益の為に同じ国に住む者同士を分断して争わせる政策を行い、その結果が虐殺へとつながっています。先進国はこの虐殺に間接的に手を貸しているのです。その事実を先進国に生きる私たちは考える必要があると思います。

 この作品は政治的な要素も非常に多く含んでいますが、あくまで虐殺現場の渦中にいたホテル支配人の視点から描いています。彼が愛する家族を守ろうと奮闘した結果、最終的に1200人もの命を救うに至ったまでの経過がドラマチックかつサスペンスタッチで描かれています。その為、映画の題材の割にはスッとみることが出来ます。
 特に武器も力もない主人公が自分が置かれた立場を何とか利用して、家族やホテルに逃げた人々を守ろうとする姿は見ていてハラハラドキドキの連続です。決して英雄などでなく、無力な人間に過ぎない主人公が奮闘する姿は単なる正義や勇気といったもので言い表せない、生き延びようとする人間の力といったものが感じられました。

 ルワンダの虐殺は終わりましたが、世界中で民族や宗教の名の下で虐殺は今も行われています。そんな現実に気づくためにも、この作品はぜひ多くの人に見て欲しい作品です。 
 

製作年度 2004年
製作国・地域 イギリス/イタリア/南アフリカ
上映時間 122分
監督 テリー・ジョージ 
製作総指揮 ハル・サドフ 、マーティン・カッツ 
脚本 テリー・ジョージ 、ケア・ピアソン 
音楽 ルパート・グレグソン=ウィリアムズ 、アンドレア・グエラ 
出演 ドン・チードル 、ソフィー・オコネドー 、ホアキン・フェニックス 、ニック・ノルティ 、デズモンド・デュベ 、デヴィッド・オハラ 、カーラ・セイモア 、ファナ・モコエナ 、ハキーム・ケイ=カジーム 、トニー・キゴロギ 、ジャン・レノ 

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『地獄の黙示録』この映画を見て!

第158回『地獄の黙示録』
Apocalypse_now  今回紹介する作品はベトナム戦争を舞台に人間の狂気を描いた超大作『地獄の黙示録』です。
 『ゴッドファーザー』で富と名声を得たフランシス・フォード・コッポラ監督が、ジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』を基に製作された本作品。コッポラ監督の完璧主義やフィリピンロケでの様々なトラブルなどで、完成までに4年の歳月と3,100万ドルの巨費がかかってしまいました。 完成した映画はフィリピンで撮影された映像の圧倒的な迫力と映像にぴったりあった選曲の素晴らしさは多くの人に支持されるものの、後半の抽象的なストーリー展開は難解で賛否両論を巻き起こしました。カンヌ映画祭ではグランプリ、アカデミー賞では2部門を受賞しました。
 ストーリー:「1960年代末のベトナム。ウィラード大尉は、ジャングルの奥地で現地の人を率いて王国を築いたとされるカーツ大佐を暗殺する命令を受け、4人部下を引き連れてナング河を溯っていく。その過程でウィラードが遭遇するさまざまな戦争の狂気。何とかジャングルの奥地の王国にたどり着いたウィラードはカーツと対峙するが・・・。 」

 私がこの作品を始めてみたのは高校生の時でしたが、当時はヴィットリオ・ストラーロの濃厚な映像とワーグナーやドアーズを引用した音楽の素晴らしさにとても感動したものでした。
 特に前半のハイライトとも言えるワーグナーの勇壮な音楽にのせて米軍のヘリコプター舞台がベトナムの村を爆撃するシーンはその圧倒的な迫力に鳥肌がたったものでした。
 また、その爆撃の理由がサーフィンをしたいというキルゴー中佐の個人的な理由に過ぎないところに戦争の狂気というものを強く感じたものでした。
 当時はジャングルの奥地にいるカーツ大佐を探してジャングルの奥地へと旅をする前半までは戦場の迫力と狂気に満ちており集中して見ることができました。
 しかし、王国に到着してカーツ大佐が出てきてから、映画のテンポが悪くなり、見ていて睡魔が襲ってきました。ただ生きた牛を切り刻むシーンだけは強烈なインパクトはありましたが・・。高校生の私には何が言いたいのかイマイチ分りませんでした。
 当時は何が言いたいのか良く分らないけど、凄い映画を見てしまったという印象が強く残ったものでした。その後も、この映画の強烈なインパクトが忘れられずLDを買っては何回も見直したものでした。

 2001年に50分の未公開映像が追加された特別完全版が公開され、私も劇場に足を運び見たのですが、その時に初めてこの映画の言いたかったことが何となく分ったものでした。
 完全版では細かな追加シーンのほかに、大きく3つの新しいフッテージが追加されています。
 1つ目が「プレイメートのその後」で、オリジナルではちらっとしか登場しなかったプレイメートがウィラードたちと交流する場面が追加されています。
 2つ目は「フランス人植民農園」のシーン。このシーンが撮影されていたことは以前から知っていましたが、オリジナル版でカットされたのが非常に惜しまれるシーンです。このシーンが加わることで、この映画のテーマの一つである「ベトナムでアメリカが戦うことの空しさや無意味さ」がより明確になっています。このシーンの幻想的な美しさは特筆もので、オリジナルにはない甘美さが与えられています。
 3つ目は「カーツ大佐のセリフ追加」シーン。オリジナルではよく分らなかったカーツ大佐の思想や狂気に至る理由が明確に分かりますし、この映画の持つ人間の狂気や反戦というメッセージ性がより分りやすく見る者に伝わるようになっています。
 特別完全版は監督の意図やメッセージがオリジナル版よりも分りやすくなっていますが、一つ欠点を挙げると3時間20分という上映時間は少し長く、オリジナル版よりもテンポが悪くなっています。

 この作品は「人間の内に潜む不条理さや狂気」というものを戦争という人間の本能がむき出しになる状況を舞台にして考察した作品だと思います。戦場という生と死の狭間で生きる人間たちが陥る狂気。道徳や倫理が通用しない戦場という場所で現れる人間の心の闇を生々しく描いています。
  
製作年度 1979年 (2001年・特別完全版公開)
製作国・地域 アメリカ
上映時間 153分 (特別完全版203分)
監督 フランシス・フォード・コッポラ 
原作 ジョセフ・コンラッド 
脚本 ジョン・ミリアス 、フランシス・フォード・コッポラ 
音楽 カーマイン・コッポラ 、フランシス・フォード・コッポラ 
出演 マーロン・ブランド 、マーティン・シーン 、デニス・ホッパー 、ロバート・デュヴァル 、フレデリック・フォレスト 、アルバート・ホール 、サム・ボトムズ 、ラリー・フィッシュバーン 、G・D・スプラドリン 、ハリソン・フォード 、スコット・グレン

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『殺しの烙印』この映画を見て!

第157回『殺しの烙印』
Style_to_kill  今回紹介する作品は独特な映像美学をもつ鈴木清順監督の代表作にして、世界中に熱狂的なファンをもつカルト映画『殺しの烙印』です。
 ストーリー:「ご飯の炊ける匂いに興奮する日本でナンバー3の殺し屋・五郎。他の殺し屋に命を狙われながらも、仕事を確実にこなしていく。そんな五郎の前に謎めいた女・美沙子が現われ、4人の男の殺しを依頼する。3人は上手く殺せたが、最後の1人だけ運悪く失敗してしまう。そのために組織から抹殺されそうになる五郎。生き残るために単身組織に立ち向かうのだが、そこに伝説の殺し屋ナンバー1が立ちはだかる。」
 
 ストーリーだけ読むとハードボイルドタッチの硬派な作品のような印象を受けますが、実際に見てみるとシュールなコメディタッチの作品です。
 冒頭の主題歌からして摩訶不思議な歌詞で、聴く者に強烈なインパクトを与えます。そして映画のオープニング。主人公・五郎が女とバーに来て、バーテンダーにご飯を炊けと指示します。そしてパロマの炊飯器から立ち上がる湯気を嗅いで恍惚の表情を浮かべる五郎。主人公の理解不能な立ち振る舞いにいきなり面食らってしまいます。カッコいいけど、変態な主人公。冒頭から見る者を鈴木清順ワールドに一気に引きこみます。
 その後も意味不明なカットが突然挿入されたり、途中でいきなり話しが飛んだりと見る者を戸惑わす演出が次から次へと出てきます。この意味不明さを面白いと思うか、面白くないと思うかで、この映画の評価は真っ二つに分かれると思います。
 
 映画の前半は主人公の殺しの腕前がハードボイドタッチで描かれるのですが、その殺しのテクニックが非現実的でマンガチックであるので、見ていてカッコいいのにどこか笑いがこみあげてきます。
 また主人公の主人公が自宅で妻とセックスをするシーンが合間合間に挿入されるのですが、この描き方が過激というかコミカルというか・・・。当時にしてはかなり大胆な濡れ場だと思います。
 また謎の女・美沙子を演じる真理アンヌの無表情な演技はとても不気味であり、毎回雨に打たれて登場するシーンは強烈です。
 
 後半はナンバーワンの殺し屋との対決が描かれるのですが、この描き方がとてもシュールかつナンセンスです。
 主人公の前にいきなり現れ、お前を殺すと宣言して、主人公を追い詰めていくのですが、なぜか自ら主人公の家に乗り込んで、一緒に寝泊りをします。その上、ションベンは垂れ流すわ、主人公と腕を組んで食事に行くわ、やることなすこと変の一言です。
 
 この作品は余りにもシュールで理解不能な作品であった為に、鈴木監督が所属していた映画制作会社「日活」を解雇されたという逸話が残っているほどです。しかし、この映画は好きになれば何回も見返したくなる魅力があります。

 カルト映画好きな人は必見です!

製作年度 1967年
製作国・地域 日本
上映時間 91分
監督 鈴木清順 
脚本 具流八郎 
音楽 山本直純 
出演 宍戸錠 、小川万里子 、真理アンヌ 、南原宏治 、玉川伊佐男 、南廣 、久松洪介 、緑川宏 、荒井岩衛 、長弘 、伊豆見雄 、宮原徳平 、萩道子 、野村隆[俳優] 

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『ガメラ 大怪獣空中決戦』この映画を見て!

第156回『ガメラ 大怪獣空中決戦』
Gamera  今回紹介する作品は日本怪獣映画の金字塔「平成ガメラシリーズ」の記念すべき第一作目『ガメラ 大怪獣空中決戦』です。 個人的には2作目の『レギオン襲来』が一番好きなのですが、1作目も高い完成度を誇っています。
 平成ガメラシリーズは監督の金子修介を始めとして、脚本の伊藤和典、特撮の樋口真嗣といった怪獣映画大好きな映画関係者が結集して製作されただけあって、怪獣映画ファンのツボを押さえた作りとなっています。人間の目線から怪獣を捉えた映像は迫力満点ですし、現実に怪獣が日本を襲った場合にどうなるかを徹底的にシミュレーションしたリアルなストーリーは大人が見ても十分楽しめる仕上がりとなっています。
 ストーリー:「古代文明の遺伝工学が生み出した危険生物ギャオスが現代の日本で突如蘇る。政府関係者はギャオスを何とか生け捕りにしようと作戦を立てる。そこに長い眠りから覚めたガメラも現れ、日本で怪獣同士の戦いの火蓋が切って落とされる。」
 
 この作品は無駄なシーンが一切なく、テンポよく話しが進んでいきます。この作品のシナリオの素晴らしいところは、ファンタジーの側面とリアリティの側面が見事に融合されているところにあると思います。古代文明の生み出した怪獣たちが現代の日本で暴れるという非現実的なストーリーを徹底的に現実的な描写で描いたことで、観客を見事に作品の中に引き込ませることに成功したと思います。
 
 特にこの作品で私が素晴らしいと思ったのは特撮です。ハリウッドに比べて予算が少ないにもかかわらず、ミニチュアを多用して、可能な限りのリアリティを映画に与えたと思います。
 特撮監督を務めたのは最近は監督業に進出した樋口真嗣。彼は『エヴァンゲリオン』で有名なGAINAXで絵コンテを担当していたこともあり、画の構図や見せ方の巧みさは業界でも定番のある人でした。そんな彼を特撮監督して起用したことが、このシリーズを成功に大きく導いたと思います。
 彼はこの作品を撮るにあたって、綿密な絵コンテを先に書き、そのコンテからミニチュアを作成したそうです。そのため、大きなミニチュアセットを組んで撮影するゴジラシリーズとは違い、カメラに映りこむ部分だけのミニチュアを徹底的に作りこんで撮影することができたそうです。その結果があの現実味溢れる人間目線からの映像へとつながったわけです。
(最近は『日本沈没』などの特撮映画の監督を務めていますが、どれも出来は今ひとつなので、できれば特撮の仕事だけに専念した方がよいかと思います。)

 ちなみに私が一番好きなシーンはギャオスが夕日の沈む東京タワーの上に佇むシーン。夕日色に染まるギャオスに何ともいえない美しさを感じました。

 日本怪獣映画の傑作「平成ガメラシリーズ」は絶対に見て損はしないと思います。この傑作怪獣映画をぜひ皆さんご覧ください! 

製作年度 1995年
製作国・地域 日本
上映時間 95分
監督 金子修介 
製作総指揮 徳間康快 
脚本 伊藤和典 
音楽 大谷幸 
出演 藤谷文子 、小野寺昭 、中山忍 、伊原剛志 、本田博太郎 、螢雪次朗 、長谷川初範 、本郷功次郎 、久保明 、渡辺裕之 、松尾貴史 、袴田吉彦

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『翠星交響楽 Ecophony Gaia 』

お気に入りのCD NO.17『翠星交響楽 Ecophony Gaia.』 芸能山城組
Gaia_1  今回紹介するCDは『AKIRA』の音楽を担当した芸能山城組が制作したアルバム『翠星交響楽 Ecophony Gaia』です。
 芸能山城組は1974年にインドネシアバリ島のケチャの全編上演成功を機に設立されたアマチュアのアーティストグループです。世界各地の民俗音楽や伝承音楽を取り入れた独特な音楽世界は世界中で根強いファンを持っています。
 私が芸能山城組に出会ったのは映画『AKIRA』の音楽なのですが、最初聴いたときは鳥肌が立ったものでした。世界各地の民俗音楽や楽器を大胆に取り入れた壮大なスケールの音楽は今まで聴いたことのない音楽であり、その独特なリズム感や声や楽器の音色は深く心に刻み付けられました。
 その後、芸能山城組の他のCDも買い集め始めたのですが、今回紹介するCDは『AKIRA』の後に大阪の花博の為に制作された作品です。
 今回の作品はタイトルを見ても分かるとおりに地球に対する畏怖と賛歌をテーマにしています。この作品は6楽章からなっており、地球の誕生から始まり、人類と自然と関わりの歴史を描き、ラストに地球と人類の未来に対する希望で終わる構成となっています。
 ガムランの美しい響き、人間の声の力強く優しい響き、シンセの透明感溢れる音、古今東西の美しい音が地球に対する賛歌と畏怖を聞くものに強く感じさせます。
 このCDは70分近くある大作なのですが、聴き終わると何ともいえない心地よさに包まれます。音楽の持つ力にぜひ触れてみてください。  

1.  翠星交響楽Ⅰ章翠明-[プロローグ]Chaos
2.  翠星交響楽Ⅱ章創生-[原初・古代]Genesis混沌(カオス)天空(ウラヌスのテ―マ)大地(ガイアのテーマ)無言歌-Ⅰ翠星
3.  翠星交響楽Ⅲ章祝涛-[中・近世]Euphony牧歌 祝誓 観音陀羅尼 讃 唄 祭
4.  翠星交響楽Ⅳ章熟壊-[近・現代]Catastrophe無言歌-Ⅱ
5.  翠星交響楽Ⅴ章邂逅-[近未来]Disco Gaia Kitoko(リンガラ語のポリフォニー)
6.  翠星交響楽Ⅵ章讃歌-[エピローグ]Gaia Ao Ao(ピグミー風パルス・ポリフォニー)母なるガイアよ、私たちは誓う 翠星

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『セックス障害者たち』街を捨て書を読もう!

『セックス障害者たち』 著:バクシーシ山下 幻冬舎文庫
Sex  今回紹介する本は『女犯』シリーズなど過激な作風で知られているアダルトビデオ界の鬼才・バクシーシ山下の撮影記録『セックス障害者たち』です。
 彼の監督した作品はどれも一般的に変態と呼ばれる人たちや社会的な落ちこぼれが出演していることが多いのですが、この本ではそのような人たちの撮影現場での生々しい姿を淡々とした筆致で描いていきます。

 過激な作品を撮る監督なので、ものすごいアナーキーな芸術肌の人かと思っていたのですが、この本を読む限りは至って冷静な普通の人という印象を受けます。
 ただこの本に登場するビデオに出演している人たちは普通ではありません。(まあ普通とは一体何を基準に指すのかは、非常に相対的かつ曖昧なものではありますが・・。)タブーを破る快感に目覚めた人間たち。そんな人たちのアブノーマルなセックスを淡々とカメラに収める監督。
 この本を読むと、理性的な人間の奥に潜む本能や欲望の奥深さや多様さに感嘆します。セックスという生殖行為にそれ以上の価値や快感を求める人間という生き物。そんな人間という生き物に対して、この本を読むと愛着が湧いてきました。
 

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『復活の日』この映画を見て!

第155回『復活の日』
Virus  今回紹介する作品は小松左京の同名SF小説を原作にしたウィルスによる人間世界の終末を描くSFパニック映画の傑作『復活の日』です。
 ストーリー:「世界中の脊椎動物を死滅させる猛毒ウイルスMM-88がアメリカで開発される。しかし、スパイによってウィルスは盗まれた上、スパイの乗った飛行機がアルプス山中で墜落し、ウイルスが世界中に蔓延してしまう。その結果、南極にいたわずかな人類を除いて、地球上から人類が滅亡してしまう。南極で生き残った人類は何とか生き延びようとするが、更なる危機が彼らに訪れる・・・。」
 
 まさか日本でこのような完成度の高いSF映画が制作されていたとは凄いの一言です。80年代に大作映画を次々と発表していた角川春樹が製作費22億円、構想5年、製作期間3年を費やして撮っただけのことはあります。
 実際に南極に潜水艦を持っていて撮影したり、海外の中堅クラスのスターを起用したりと他の日本映画には見られないスケールの大きさが随所に感じられます。
 特に私が驚いたのが南極でのロケによる映像で、CGなどに頼らない生の映像の圧倒的な迫力に感動しました。南極に潜水艦が現れるシーンなどは鳥肌が立ったものでした。

 細菌兵器によって世界が滅亡するというストーリーは今見ても決して古臭くなく、むしろSARSや鳥インフルエンザなどが問題になった現代の方がよりリアリティを持って見ることが出来ます。
 映画の前半は人類が滅亡するまでの様子を淡々と描いていくのですが、その描き方がとてもリアルです。世界中でワクチンをめぐって暴動がおきたり、東京に戒厳令が敷かれて軍隊が出動したり、感染した死体を火炎放射器で焼いたりと、実際にこのような事態になったら起こりうる出来事が見事に映像化されています。
  
 また生き残った800人の男性と8人の女性が人類が種の生存のため、一対一の男女の関係を放棄して子どもを作るシーンも何とも生々しいものがありました。
 確かに女性蔑視のような描き方で問題もあるかと思いますが、実際に人類が滅亡しかけたときはこのような事態になるのではとも思ってしまいました。

 映画の後半は生き残った人類に核兵器という新たな危機が訪れます。ウィルスから逃れられた人類を襲う危機が核兵器とは何とも皮肉な展開です。何とか核の危機から逃れようと努力する人類。しかし、その結末は残酷にも人類をさらに苦難へと追い込んでいきます。人類を破滅させるのは結局人類であったという悲劇。ここまで絶望的な未来が描き出された映画はなかなか見ることができないと思います。

 唯一残念なのが、ラスト20分間の展開です。いきなりハードSFからメロドラマになってしまってガックリしてしまいました。大体、放射能にまみれた大地を歩いて横断するなど不可能であり、あまりにも非現実的な展開です。私は家族に被爆者がいるので、核に対する描き方は敏感なのですが、この映画の描き方は甘いです。放射能の恐ろしさは半端ではありません。実際なら主人公はたどり着く前に放射能にやられて死んでしまうはずです。ラストの詰めの甘さがなければ、映画史に名を残す傑作になったと思います。

 この映画は突っ込みどころも数多くありますし、ハリウッド映画などに比べるとセットなどショボイです。しかし、それを補って余りあるだけのパワーと緊張感がある作品です。最近の『アルマゲドン』や『日本沈没』などのCGの映像だけが見所の中身のないパニック映画とは違い、中身の大変詰まった映画です。人類が滅亡しかけたとき、生き残った人類はどういう行動を取るのか、この映画を見るといろいろ考えさせられます。ぜひ多くの方にこの傑作を見て欲しいです。 

製作国・地域 日本
上映時間 158分
監督 深作欣二 
原作 小松左京 
脚本 高田宏治 、グレゴリー・ナップ 、深作欣二 
音楽 羽田健太郎 、テオ・マセロ 
出演 草刈正雄 、渡瀬恒彦 、夏木勲 、千葉真一 、森田健作 、永島敏行 、ジョージ・ケネディ 、ステファニー・フォークナー 、オリヴィア・ハッセー 、グレン・フォード 、ロバート・ヴォーン 、チャック・コナーズ 、多岐川裕美 、緒形拳 、ボー・スヴェンソン 、エドワード・ジェームズ・オルモス 、丘みつ子 、中原早苗 、ヘンリー・シルヴァ 、セシル・リンダ 

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『病院坂の首縊りの家』この映画を見て!

第154回『病院坂の首縊りの家』
Byouinzaka  今回紹介する映画は市川&石坂コンビによる金田一シリーズの最終作『病院坂の首縊りの家』です。
 原作自体も金田一シリーズの最終作として執筆されており、30年近い期間をかけて解決するという壮大なストーリーになっています。そんな壮大な原作を映画では事件発生から数ヶ月と短い期間で解決するように大幅に脚色しています。そんなこともあって、原作と映画ではストーリーがかなり違っています。
 ストーリー:「アメリカに渡るためのパスポート写真を撮るために写真館を訪れた金田一耕助。そこで金田一は写真館の店主たちと共に偶然にも病院坂の首縊りの家と呼ばれる古い館で男の生首が風鈴のように吊リ下げられるという猟奇殺人事件に巻き込まれてしまう。」

 この作品は金田一シリーズの完結編として制作されており、今までの作品に出ていた俳優が多数出演すると共に、原作者の横溝正史ご夫妻も特別ゲストとして登場します。5作目ともなると常連俳優たちのお決まりの演技も見ていて楽しいです。
 特に加藤武さんの「よし、分かった!」というセリフや三木のり平扮する亭主と妻の軽妙なやり取りなどは毎度ながら陰惨な話しの中の一服の清涼剤としての効果を果たしています。
 今回は初めて金田一耕介に助手が現れるのですが、その助手を演じる草刈正雄さんのカッコよさとコミカルさを併せ持った演技が素敵です。
 ヒロイン役を演じる桜田淳子さんも一人二役という難しい役どころを見事に演じています。
 あと一番今回の作品で印象を残す演技をするのが小林昭二さん。映画のラストシーンの彼の演技は見る者に深い余韻を残します。
 
 今回のストーリーはとにかく人間関係が複雑で一回見ただけではなかなか理解することができません。映画でも家計図を持ち出して説明するほどです。ここら辺はもう少し脚色するときに整理して、分かりやすくしたほうがよかったかもしれません。
 しかし、親子の哀しい絆を描いてきたこのシリーズの中でも、今回の作品が一番哀しいストーリーだと個人的に思います。男に翻弄され、家や古い因習に縛りつけらる女たちの哀しみに胸が締め付けられます。
 
 今回の作品は田舎が主な舞台となっていた今までの作品と違い、市街地で話しが展開していきます。その為に今までの作品よりこじんまりとした印象を受けるのですが、映像の美しさは相変わらず素晴らしいです。戦後の殺伐とした市街地の雰囲気を見事に醸し出しています。
 また殺人シーンは相変わらず目を背けたくなるほど陰惨です。特に生首がぶら下がっているところはインパクト大です。

 金田一耕助の最後の事件を皆さんもぜひご覧ください。 

製作年度 1979年
製作国・地域 日本
上映時間 139分
監督 市川崑 
原作 横溝正史 
脚本 日高真也 、久里子亭 
音楽 田辺信一 
出演 石坂浩二 、佐久間良子 、桜田淳子 、入江たか子 、河原裕昌 、久富惟晴 、三条美紀 、萩尾みどり 、あおい輝彦 、加藤武 、大滝秀治 、岡本信人 、中井貴恵 、草刈正雄 、小沢栄太郎 、清水紘治 、小林昭二 、三木のり平 、白石加代子 、草笛光子 、ピーター

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『女王蜂』この映画を見て!

第153回『女王蜂』
Zyououbati  今回紹介する作品は市川崑監督による金田一耕助シリーズ第4弾『女王蜂』です。市川監督としては3作目の『獄門島』でシリーズを終了させるつもりだったそうですが、製作会社の意向で続編が強引に製作されることになったそうです。そんな裏事情もあってか、今までの作品と比べると完成度は落ちます。
 しかし、そうは言っても市川監督だけあって、映像の美しさやリズム感のある編集、常連俳優たちの演技など見ごたえは充分あります。

 今回は今までのシリーズで犯人を演じた女優陣が一堂に会しており、重厚な演技が堪能できます。特に岸恵子の演技は素晴らしいの一言で、胸の奥に秘めた思いを持つ影のある女性を見事に演じきっています。
 また、草笛光子・三木のり平・加藤武・坂口良子など常連俳優たちの軽快な演技がドロドロしたストーリーにおける清涼剤の役割を見事に果たしています。
 ただ一つ残念だったのがヒロインを演じた中井貴恵。絶世の美女という設定には程遠い普通のお姉ちゃんでしたね。重要な役どころだけに、もう少し人選を選んで欲しかったですね。

 金田一シリーズの大きな見所の一つとして派手な殺人シーンがありますが、今回は今ひとつインパクトに欠けていましたね。ただオープニングの時計台のシーンは無意味に派手なシーンに仕立てていましたね。

 ストーリーは今までの作品にはなかった恋愛という要素が入っており、胸にグッとくるものがありました。ただ肝心の犯人の殺人の動機が弱く、もう一つ共感できませんでした。

 今回の作品はミステリーとしての面白さはもう一つですが、市川監督の映像美や編集が好きな方には必見です。 

製作年度 1978年
製作国・地域 日本
上映時間 139分
監督 市川崑 
原作 横溝正史 
脚本 日高真也 、桂千穂 、市川崑 
音楽 田辺信一 
出演 石坂浩二 、中井貴恵 、高峰三枝子 、司葉子 、岸恵子、仲代達矢 、萩尾みどり 、沖雅也 、加藤武 、大滝秀治 、神山繁 、小林昭二 、伴淳三郎 、三木のり平 、草笛光子 、坂口良子 、白石加代子 、石田信之 、中島久之 、佐々木剛 、佐々木勝彦 、冷泉公裕 、高野浩幸 、常田富士男 

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