『生きて泳げ、涙は後ろへ流せ』に行ってきました!
3月31日に大阪フェスティバルホールで行われた音楽イベント『生きて泳げ、涙は後ろへ流せ』に行ってきました。このイベントはプロデューサーに詩人・三代目魚武濱田成夫を迎え、中島みゆきの詩と詞と曲のみで構成するステージでした。
出演アーティストは金子マリ ・ 窪塚洋介・ 小泉今日子・斉藤和義・坂本美雨・ 手嶌葵・ 浜田真理子・ 一青窈 ・ リクオ・ 三代目魚武濱田成夫の10人。それぞれのアーティストの持ち味を活かされたステージとなっていました。
まず最初に登場したのが、詩人の三代目魚武濱田成夫。いきなり名曲『ファイト』(『予感』に収録)を朗読からスタートするという直球勝負で観客の心を一気に捉えました。朗読の仕方がとても魂がこもっていて素晴らしく、聴いていて胸が熱くなりました。
そしてファイトが終わったと同時に今回のステージのタイトルでもある『サーモンダンス』(『転生』に収録)のワンフレーズ「生きて泳げ、涙は後ろへ流せ」を力強く朗読して、彼はステージから去っていきました。冒頭から聴く者に中島みゆきの紡ぐ言葉の力を再認識させてくれました。
続いて登場したのが坂本美雨。『空と君とあいだに』(『LOVE OR NOTHING』に収録)と『銀の龍の背に乗って』(『恋文』に収録)を歌いました。声はきれいでしたが、もうひとつインパクトには欠けていました。中島みゆきと比べても仕方はありませんが、これらの歌が持つ力強さがもう一つ表現できてなかったような気がします。あと歌詞間違いも気になりました。
3番目に登場したのが小泉今日子。彼女がどの曲を取り上げるのか興味津々でしたが、まさか『4.2.3』(『わたしの子供になりなさい』に収録)とは予想外でした。この歌は97年のペルー日本大使館人質事件に対するみゆきさんの思いを辛辣に描いた社会派の作品です。その作品を小泉今日子が柔らかい口調で朗読するとはインパクトがありました。なぜ彼女がこの作品を朗読しようと思ったのか気になるところです。
朗読が終わると、浜田 真理子が登場。ピアノの弾き語りで『アザミ譲のララバイ』と『世情』をメドレーで歌いました。ピアノの物悲しい音色の美しさがとても印象的でした。
その後、再び小泉今日子が登場して、『夢の代わりに』(夜会VOL10『海嘯』に収録)を朗読。CD化もされていない夜会の作品を選ぶとは小泉今日子なかなかマニアックでした。
小泉今日子はこの朗読のあと去っていき、浜田 真理子が『かもめはかもめ』(『御色なおし』に収録)を弾き語りで熱唱。この作品の持つ物悲しい雰囲気を見事に表現していたと思います。
続いて登場したのが、今『ウエディング・ソング』人気の斉藤 和義が登場。本人のギター演奏による『時代』。斉藤和義の甘い雰囲気漂う時代でした。続いて、本人が本ステージでの選曲にあたって特に印象深かった『キツネ狩りの歌』(『生きていてもいいですか』に収録)を披露。軽快な歌声で楽しそうに歌っていました。
6番目に登場したのは『ゲド戦記』の挿入歌『テルーの歌』でデビューした手嶌 葵。大阪初上陸となる本ステージでは『心守歌』(『心守歌-こころもりうた』収録)と『ホームにて』(『あ・り・が・と・う』収録)の2曲を披露しました。『心守歌』はバンドの音に彼女の声が負けており聞き取りにくかったです。しかし、『ホームにて』は彼女の素朴で優しい歌声が曲にとてもあっており、胸にジーンときました。初々しい彼女の姿にとても好感が持てました。
7番目の登場となったのがリクオ。軽快なピアノによる弾き語りで『彼女の生き方』(『みんな去ってしまった』収録)と『流浪の歌』(みんな去ってしまった』収録)を歌い上げました。この人は聴衆の心をつかむのがとても上手く、ステージ慣れをしているなと思いました。中島みゆきの歌をこんなにノリノリに歌えるなんて素敵です。
8番目に登場したのが窪塚 洋介。マンション転落後、芸能界から遠ざかっていた彼が今回のステージでどのような表現をするのか、個人的にとても気になっていました。本ステージでは『線路の外の風景』と『無限軌道』(『転生』に収録)の歌詞を朗読しました。朗読自体は気合は伝わってきましたが、今ひとつでした。声は大きく迫力はあるのですが、それだけというか言葉の持つ重みが伝わってきませんでした。『無限軌道』のラストを歌うところは少し引いてしましました。
そして9番目に登場したのが一青窈。『時代』~『しあわせ芝居』(『おかえりなさい』に収録)を熱唱。一青窈のいつもの歌い方で熱唱していました。MCで夜会を見に行き中島みゆきに握手をしてもらったエピソードを披露していました。その後『春なのに』を歌い始めたのですが、歌詞を間違え、演奏が途中で中断。再度歌いなおすと言うハプニングがありました。その後は歌詞カードを床において歌っていましたが、これには少し興ざめでした。プロの歌手なら歌詞ぐらい覚えておいてほしいものです。
続いて登場したのが金子 マリ。『後悔』と『ヘッドライト・テールライト』(2作とも『短編集』に収録)を歌ったのですが、その独特な歌い方は味があって魅力的であるもの、個人的にはみゆきさんの素晴らしい歌詞が聞きづらくイマイチでした。
最後は三代目魚武濱田成夫が再度登場。『狼になりたい』を迫力ある歌声で熱唱しました。
その後、アーティスト紹介があり、出演者たちが再度登場。アンコールで三代目魚武濱田成夫が中島みゆきに対するアンサーポエムを披露。タイトルは分かりませんが、とても素敵な詩でした。(一緒に来ていたパートナーは感極まって泣いていました)
10人のアーティストによる2時間半のステージでしたが、印象的だったのは三代目魚武濱田成夫のパフォーマンスと手島葵の『ホームにて』、リクオの『流浪の歌』でした。
このステージをプロデュースした三代目魚武濱田成夫は以前から中島みゆきの大ファンであり、また夜会VOL13に役者として出演した経験もあります。それだけにこのステージにかける情熱も並々ならぬものがあったと思います。そんな彼の情熱が見事に伝わってくるステージとなっていました。
今回のステージを見て、中島みゆきの歌の素晴らしさを改めて認識しました。次回はぜひ中島みゆき本人のコンサートが見たいものです。
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