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エン二オ・モリコーネの魅力

Ennio_morricone  第79回アカデミー賞の授賞式が今日行われましたが、私が今回一番感動したのは何と言っても、私が一番好きな映画音楽作曲家エンニオ・モリコーネが名誉賞を受賞したことでした。
 クリント・イーストウッドがプレゼンターを務めモリコーネの紹介をした時点で個人的にはとても胸が熱くなりました。
 なぜなら無名だったイーストウッドが初主演して世界的に有名になった『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』などのマカロニ・ウェスタンシリーズの音楽を手がけたのが、エンニオ・モリコーネだったからです。
 当時テレビや舞台の音楽を手がけていたモリコーネにとってもマカロニ・ウェスタンシリーズは映画音楽の世界に進出する大きな足がかりとなった作品でした。このシリーズ以降イーストウッドもモリコーネも映画史に名を残す数多くの作品を手がけることになりました。

 モリコーネは現在何と450本以上の映画音楽に携わり、アカデミー賞にも5回ノミネートされるほどの実力を持った映画作曲家です。代表作としては『ニュー・シネマ・パラダイス』、『ミッション』、『海の上のピアニスト』、『アンタッチャブル』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』などがあります。
 モリコーネの音楽の魅力は甘美で感傷的なメロディー、さまざまな楽器を取り入れた音美しい音色、ミニマムミュージックなどを取り入れた実験的な作風等にあります。

 私がはじめてモリコーネの音楽を聞いたのは幼稚園の時でした。私の両親が映画音楽好きだったので、小さい時から自宅でよく映画音楽を聞いていたものでした。そんな中でも私が特にお気に入りだったのがマカロニウェスタンのレコードでした。特に『荒野の用心棒』の口笛や男性コーラスによる独特なサウンドは子どもながらに強烈なインパクトとカッコよさを感じ、よく両親に聞かせてくれとせがんだものでした。
 中学生くらいになり、映画を積極的に見るようになってからも好きになる映画の多くの音楽をモリコーネが手がけていることに気づき、それからモリコーネの手がけた映画サントラを集めるようになりました。
 私にとってモリコーネの曲は心の清涼剤であり、元気になりたい時、心落ち着かせたい時、ロマンティックな気分に浸りたい時には欠かせないアイテムとなっています。

 モリコーネには今後も数多くの素晴らしいスコアーを作ってほしいです。

☆私のお薦めアルバムBEST3

・3位『ニュー・シネマ・パラダイス』
Ennio_morricone_3  世界中の映画ファンを虜にしたイタリア映画の傑作『ニュー・シネマ・パラダイス』。監督のジュゼッペ・トルナトーレは映画に対する愛情を敗戦後のシチリア島を舞台に少年と映画技師との友情を通して見事に描いていました。
 モリコーネがこの映画に提供したスコアーは見事としか言いようのないほど素晴らしい完成度を誇っています。ノスタルジー溢れるメインテーマやロマンティックな愛のテーマ(この曲はモリコーネの息子が作曲してます)と聴いていて自然と涙がこぼれてくる名サントラです。

    
Ennio_morricone_1 ・2位『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』
 マカロニ・ウェスタンシリーズでモリコーネとコンビを組んだセルジオ・レオーネの遺作である『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』。この作品は1920年代から60年代のニューヨークを舞台にユダヤ移民の子どもたちが自衛のためギャング団を組織し、やがて崩壊していくさまを4時間近い上映時間を費やして描いた大作です。
 この映画においてモリコーネはノスタルジックな映像をさらに盛り上げる音楽を数多く提供しています。名曲「アマポーラ」を取り入れたり、パンフルート奏者ザンフィルの演奏を取り入れるなどして映画の持つ哀愁の雰囲気を見事に表現しています。特にデボラのテーマの甘美なメロディーは鳥肌ものです。

Ennio_morricone_2 ・1位『ミッション』
 17世紀の南米を舞台に宣教師と先住民の交流と白人による植民地化の悲劇を美しい自然を背景に描いた『ミッション』。1986年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞しました。モリコーネの民族音楽と18世紀ローマ・カトリック教会音楽を融合させた美しい音楽は高く評価され、アカデミー賞にもノミネートされましたが、なぜか受賞を逃しました。(このスコアーに賞を与えなかったこの年のアカデミー会員は大変なミスを犯したと私は思います。)
 モリコーネの生み出したスコアーは聴いていて心が洗われるほど美しいです。私はこの音楽を聴いた時、涙が自然とこぼれて、神に祈りを捧げたい衝動にかられました。
 このスコアーを聴かずしてモリコーネは語れません! 
 

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