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2006年9月3日 - 2006年9月9日

久石譲とCM提供曲

Curvedmusic  久石譲と言うと、宮崎駿の映画の音楽を手がけた人として有名ですが、CMでも印象的な音楽を数々提供しています。ここ最近だとサントリー「京都 福寿園 伊右衛門」のCMで流れる和のテイスト溢れる曲やカネボウ「いち髪」の『Venus』がとても印象的です、また5年前に北野武が出演していたトヨタ・カローラのCMで流れる『Summer』という曲がピアノの美しい音色と心落ち着くメロディーで大変話題になりました。この曲はもともと北野武の『菊次郎の夏』のテーマ曲だったのですが、CMで流れるようになってからカローラの曲として有名になりました。
 CMの曲は15秒から30秒という短い時間の間で如何に視聴者を引き付けることができるかが大きなポイントだと思います。そういう意味で久石さんの手がける曲は短い時間の間で視聴者に印象の残るメロディーを常に提供しており、CM曲として大変成功していると思います。
 彼のCM曲はソロアルバムに収録されており、CMでは一部しか聞けなかった曲がフルで聞くことができ、CMで聞いた時とはまた違った印象を感じる仕上がりになっていることが多いです。ぜひCMを見て、この曲いいなと思ったらアルバムを買って聞いてみてください!
 ちなみに私のお気に入りCM提供は次の3作品です。
『Summer』 トヨタ・カローラ
・『Oriental Wind』 サントリー「京都 福寿園 伊右衛門」
・『Angel Springs』サントリー山崎

○久石譲CM提供曲一覧リスト
・『SYNTAX ERROR』カネボウ化粧品「XAUAX」CMテーマ :α-BET-CITYに収録
・『MEBIUS LOVE』SCOTEHビデオ・カセット :α-BET-CITYに収録
・『THE WINTER REQUIEM』MAZDA Familia 4WD :CURVED MUSICに収録
・『WHITE SILENCE』 資生堂UVホワイト :CURVED MUSICに収録
・『OUT OF TOWN』キャノン キャノビジョン8 :CURVED MUSICに収録
・『A VIRGIN & THE PIPE-CUT MAN』東海ベスタ バイオパイプ :CURVED MUSICに収録
・『794BDH』MAZDA Familia 4WD :CURVED MUSICに収録
・『ZTD』日産 フェアレディZ :CURVED MUSICに収録
・『PUFF ADDER』小西六 コニカ望遠王 :CURVED MUSICに収録
・『A RAINBOW IN CURVED MUSIC』東洋タイア トランピオ :CURVED MUSICに収録
・『CLASSIC』サントリー クラシック :CURVED MUSICに収録
・『FLOWER MOMENT』オリンパスOM2 :CURVED MUSICに収録
・『月の砂漠の少女(歌劇"真珠採り"より)』日立マスタックス :CURVED MUSICに収録 
・『Friends』トヨタ・クラウンマジェスタ :Piano Stories IIに収録
・『Angel Springs』サントリー山崎 :Piano Stories IIに収録
・『Nostalgia』サントリー・ピュアモルトウイスキー山崎 :Nostalgia~ Piano Stories III~に収録
・『Summer』 トヨタ・カローラ(9代目) :CURVED MUSIC IIに収録
・『Asian Dream Song』 トヨタ・カローラ(9代目) :CURVED MUSIC IIに収録
・『Ballet au lait』 全国牛乳普及協会  :CURVED MUSIC IIに収録
・『Silence』 ダンロップVEURO(久石本人もCMに登場した) :CURVED MUSIC IIに収録
・『Happin' Hoppin'』キリン一番搾り生ビール :CURVED MUSIC IIに収録
・『Ikaros』  東ハト キャラメルコーン :FREEDOM PIANO STORIES 4に収録
・『Spring』 ベネッセコーポレーション「進研ゼミ」 :FREEDOM PIANO STORIES 4に収録
・『Oriental Wind』 サントリー「京都 福寿園 伊右衛門」 :FREEDOM PIANO STORIES 4に収録
・『お母さんの写真』 ハウス食品 :となりのトトロイメージアルバムに収録
・『Venus』 カネボウ「いち髪」 :Asian X.T.Cに収録
・『レリアン』レリアン

○提供曲収録CD
CURVED MUSIC POLYDOR POCH-1485 1986.09.25 \1,529(税込み)
α-BET-CITY 徳間ジャパン TKCA-30725 1985.06.25 \1,733(税込み
・PIANO STORIES II POLYDOR POCH-1604 1996.10.25 \3,059(税込み)

・NOSTALGIA PIANO STORIES III POLYDOR POCH-1731 1998.10.14 \3,059(税込み)
・CURVED MUSIC II UNIVERSAL UPCH-1216 2003.01.29 \1,300(税込み)
・FREEDOM PIANO STORIES 4 UNIVERSAL UPCI-1014 2005.01.26 \2,940(税込み)
Asian X.T.C UPCI-1051 2006.10.4  \3,059(税込み)
 

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『もののけ姫』この映画を見て!

第107回『もののけ姫』
Princess_mononoke  今回紹介する作品は公開当時に大ブームを巻き起こし、日本の興行収入の記録を塗り変えた『もののけ姫』です。監督は日本一有名なアニメ映画監督・宮崎駿。
 監督は若いときから日本を舞台にしたファンタジー映画を作りたいと考えており、1980年には『もののけ姫』の構想を練っていたそうです。
Mononokebook               この時に描かれたイメージボードは絵本『もののけ姫』として現在出版されています。映画とは全く違った内容であり、もののけはトトロみたいな姿で、ディズニーの『美女と野獣』のようなお話しになっています。興味のある人はぜひ読んでみてください。とても面白い絵本です。個人的には絵本版「もののけ姫」に忠実な映画も見てみたい気がします。
 最初の構想から約17年後、20億円近い制作費と3年近い制作期間をかけて、映画版『もののけ姫』が完成するのですが、当初の構想とは全く違う、自然と人間の対立という非常にハードなテーマの作品として完成しました。
 私はこの映画の制作を知った時、どんな作品になるのかとても楽しみにしていたものでした。中世の日本を舞台に、森の神・シシ神の首をめぐって、人間ともののけが壮絶な戦いをするいうストーリーを聞いたときは、『風の谷のナウシカ』のようなスケール大きく、アクション満載で、感動できるドラマが展開されるのだと勝手に予想していました。
 テレビや映画館で予告編が公開された時は、手や首が飛ぶシーンの激しい暴力描写が大変話題になりましたが、宮崎駿はコミック版『風の谷のナウシカ』でかなり激しい暴力を描いていたので、私としては驚きはしませんでしたが、これは今までのジブリ作品とは違うなと感じ、どのような展開になるのか期待が高まったものでした。
 公開当時は友だちと初日に長蛇の列に並んで見たのですが、映像や音楽の美しさはさすが宮崎駿作品だと思いつつ、私が予想したアクション満載の派手な作品とはかなり違う静謐な雰囲気の作品となっており戸惑ったものでした。この映画を最初見たときはあまり面白くないと評価していたのですが、映画を見終わってもこの作品のことが頭から離れず、また次の日も見に行き、また一週間後に見に行き、1ヵ月後に見に行きと、結局6回も劇場に足を運びました。おそらく私の中で一番映画館で何回も見た作品だと思います。(ちなみに二番は『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』)
 
 『もののけ姫』は『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』のような派手なアクションシーンやカタルシスもなく、ストーリーも全編重苦しく、見た後の爽快感といったものはないのですが、心にずしりと残るものありました。
 人間と自然の対立と共存というテーマは映画版『風の谷のナウシカ』でも描かれていましたが、『ナウシカ』は人間は自然に歩み寄ることの大切さだという明確なメッセージがありました。しかし『もののけ姫』では人間は生きるために自然を利用していかなくてはいけない存在であり、そう簡単に自然に歩み寄れない人間の姿が描かれました。人間は長い歴史をかけて自然を支配してきました。人間が『もののけ姫』は、文明という力によって自然を自分たちの支配下に置くまでの歴史を、タタラ場とシシ神の森を舞台に簡潔に描いており、人間と自然の現在の関係性とその問題解決の難しさを見事に表現した作品です。
 自然が破壊されると人間の生存にとっても脅威になると分かりつつも、自然を支配し利用しないと生きていけない現代の人間。人間が人間らしく生きるために自然を支配し利用することを誰が止める権利があるのか?良い意味でも悪い意味でも欲深い生き物である人間が自然をどう節度をもって利用していくことができるのか?この映画が提起する問題は簡単にこうすれば解決できるというものではありません。そのため、この映画のラストも明確な解決策を打ち出せず、アシタカがタタラ場に住み、サンが森に帰るという非常に曖昧な結末になっています。
 
 私はこの映画の大きな魅力の一つに歴史の表舞台に出てこない人たちにスポットライトを当てたところがあると思います。普通の時代劇なら必ず登場する武士や農民がほととんど出てこず、蝦夷をイメージさせる主人公・アシタカを始めとして、製鉄の職人集団、牛飼い、婆娑羅など今までの時代劇に出てこなかったさまざまな人物を登場させ、日本の中世の歴史の多様性を教えてくれる作品となっています。
 またこの映画では遊女や被差別民、ハンセン病と思われる病人など社会の中で虐げられてきた人々がタタラ場という共同体の中で活き活きと活躍している姿がとても印象的でした。もののけ側から見たらタタラ場は破壊の中心にしか見えないと思いますが、社会の中で虐げられてきた人たちにとってタタラ場は救いの場であり、理想的な共同体だと思います。人間にとっての理想郷が自然にとっては脅威になってしまうという悲劇。この映画は単純にタタラ場の人が悪いとも言えず、かと言ってもののけがいっていることも悪いと言えず、明確な悪人が出てこないので、見終わって切なく重い気持ちになってしまう作品です。
 
 私はいつもこの作品を見ると、引き裂かれた状況で生きる主人公2人の哀しみに胸が苦しくなります。人間にもなりきれず、もののけにもなれないサン。サンのアシタカが好きだけど、人間を許せないという思いは見ていて辛いものがあります。またアシタカもタタラ場も好きだし、サンも好きであるが故に、何とか両者を和解させようと努めながら、結局タタラ場も森も崩壊してしまうという悲劇。映画のラストにサンがアシタカに「アシタカは好きだ。でも人間は許すことはできない」と言い、アシタカがサンに「それでもいい、私と共に生きてくれ」というシーンは切なすぎて、泣いてしまいます。

 映画のラストはコダマが一匹だけ登場します。それは一見まだ森は再生する可能性があることを示してるようにも見えますが、よく考えるとコダマがたくさんいる森に戻ることはないことを示しており、哀しい気持ちになります。

 この映画は明るく楽しい作品ではありませんが、見終わった後なぜかもう一度見たくなる作品であり、なぜか生きていくことを励まされる作品です。アシタカがタタリ神の不条理な呪いに立ち向かい、自然と人間の解決策のない課題に立ち向かう姿は、困難な状況でも自分に与えられた課題にどう立ち振る舞っていくべきかの一つのよいお手本だと思います。生きていくことの大切さと哀しみ、人間の宿業を感じさせられる作品です。

製作年度 1997年
製作国・地域 日本
上映時間 133分
監督 宮崎駿 
製作総指揮 徳間康快 
原作 宮崎駿 
脚本 宮崎駿 
音楽 久石譲 
出演 松田洋治 、石田ゆり子 、田中裕子 、小林薫 、西村雅彦 、美輪明宏、森みつ子、森繁久弥

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中島みゆきの新アルバム『ララバイSINGER』11月発売!

Yccw10030  11月22日に中島みゆき通算34枚目のアルバムが発売されることが決定されたようです。前回、前々回とは夜会の曲や過去の作品のリメイクだったので、オリジナルアルバムとしては3年ぶりになります。収録曲を見ると、華原朋美やTOKIO、工藤静香などに提供した曲もあれば、タイトルがとても印象的な曲もあり、どんな作品になっているのかとても楽しみです。まだ発売まで2ヶ月近くありますが、タイトルを見ながら、どんな歌詞で、どんなメロディかあれこれ想像して待ちたいとおもいます。特に私が気になるタイトルは「重き荷を負いて 」とアルバムタイトルとなっている「ララバイSINGER」の2曲です。中島みゆきのどんな思いがこめられたアルバムになっているのか、早く11月22日なって欲しいです!

1.桜らららら
2.ただ・愛のためにだけ
3.宙船(そらふね)
4.あのさよならにさよならを
5.Clavis ―鍵―
6.水
7.あなたでなければ
8.五月の陽ざし
9.とろ
10.お月さまほしい!
11.重き荷を負いて
12.ララバイSINGER

作詞・作曲:中島みゆき 編曲:瀬尾一三

http://www.miyuki.jp/Release/index.html

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『スターシップ・トゥルーパーズ』この映画を見て!

第106回『スターシップ・トゥルーパーズ』
Starship_troopers  今回紹介する作品は私の大好きな残酷でお馬鹿で皮肉たっぷりのSF戦争映画『スターシップ・トゥルーパーズ』です。監督は『ロボコップ』『氷の微笑』などセンセーショナルな映画を撮ることで有名なポール・ヴァーホーヴェン。彼は壮大な制作費をかけて、毎回パワフルだけど下品で残酷で皮肉たっぷりの映画を撮ることで有名です。この映画はそんな監督の特長が最大限発揮された作品です。
 この映画は劇場公開当時、賛否両論分かれました。原作の愛読者はあまりの改変ぶりに激怒し、人間の手足がばらばらに引き裂かれるなどの残酷な殺戮シーンのオンバレードに嫌悪感を抱く人も多かったのですが、ヴァーホーヴェンの強烈な毒に一度はまってしまうととても刺激的で面白く、戦争について深く考えさせられる作品です。

 私は初めてこの映画を見たときはヴァーホーヴェンの戦争に対する強烈なブラックユーモアに腹を抱えて笑ってしまいました。この映画はアメリカの軍事主義や戦争を痛烈に皮肉っており、戦争の愚かさや無意味さ、残酷さを見事に表現しています。同時期スピルバーグが『プライベート・ライアン』という戦争映画を公開しましたが、戦争を否定も肯定もしていない曖昧な作品でした。しかしこの映画は、はっきりと反戦という視点で持って制作されており、私としては好感がもてます。能天気な若者たちが戦争を通して兵士として成長していく姿は一見清清しく見えるものの、不気味なものを感じさせます。また随所に挿入される戦争賛美のCMも白々しく見ていて気持ち悪いです。この映画は一見、戦争賛美のプロパガンダ映画のように作られていますが、監督の意図は全く逆であり、戦争を徹底的にコケにした映画です。ここまでの反戦映画は滅多にないと思います。
 
 この映画の大きな見所は巨大昆虫型異生物“バグス”と人類の激しい攻防戦です。虫の造形は『ジュラッシックパーク』などの特殊効果で有名なフィル・ティペットが担当しているのですが、虫嫌いの人は正視できないほど巨大で気持ち悪い虫たちが大量に登場します。虫の軍団が兵士たちを襲うシーンは凄いの一言です。巨大な虫に成す術もなく殺される兵士たちの姿は戦争の虚しさを見事に表現しています。監督は小さいとき、ナチスがユダヤ人を虐殺する現場を目撃しており、そのトラウマから残酷な描写にはこだわるそうです。それにしてもあんな虫の軍団に歩兵だけで立ち向かうのは無理がありすぎです。戦車は爆撃機を使えと突っ込みたくなりますが、監督は意図的にそうしたのでしょうけどね。
 
 あと宇宙船の描写は妙にセット感やCGっぽさが出ていてリアリティに欠け今ひとつでした。監督は別に興味がなかったのかもしれませんが。

 役者に関してはアメリカの能天気な若者たちのイメージにぴったりはまっていたと思います。またヴァーホーヴェン映画に欠かせないマイケル・アイアンサイドの鬼軍曹役もまさに適役といった感じでした。

 ハリウッドで100億円近い制作費をかけて制作し、こんなお馬鹿でアメリカ軍事主義を批判した映画を作るとはさすがヴァーホーヴェン監督。この映画は残酷描写に耐えられ、なおかつ洒落の分かる人にお薦めの映画です。

製作年度 1997年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 128分
監督 ポール・ヴァーホーヴェン 
原作 ロバート・A・ハインライン 
脚本 エド・ニューマイヤー 
音楽 ベイジル・ポールドゥリス 
出演 キャスパー・ヴァン・ディーン 、ディナ・メイヤー 、デニース・リチャーズ 、ジェイク・ビューシイ 、ニール・パトリック・ハリス 、マイケル・アイアンサイド

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夜会VOL.6『シャングリラ』

夜会VOL.6『シャングリラ』
Syangurira  中島みゆきのライフワークであるコンサートでも演劇でもない独特な舞台「夜会」。今回は歌だけでなくドラマとしても魅力的な『シャングリラ』を紹介したいと思います。
 私はこの作品はDVDでしか見たことがないのですが、ラストに歌われる『誕生』と『生きてゆくおまえ』の中島みゆきの歌唱力と表現力に圧倒されると共に、ストーリーの悲劇的な結末に涙がこみあげてきました。
 ストーリー:「仕事を探していた美(メイ)は新聞の求人広告でメイド募集の記事に目が止まる。『住所 オン・ザ・ヒル 雇い主 美齢』そこに書かれていた雇い主は自分が幼い頃に母に眠り薬を飲ませて、自分が母になりすまして大金持ちの家の女となり、裕福な生活を過ごしている母の元親友。母は苦労の連続で、不幸な事故で亡くなってしまった。美は母の復讐のためにメイドとして美齢の館に入り込む。美は美齢に嫌がらせをして追い込んでいく。しかし、美はある日、美齢が大金持ちの男の妾に過ぎず、決して幸せな生活を送っていた訳でないことを知る。そして、残酷で悲劇的な結末が美と美齢の間に訪れる。」
 この作品はラストに衝撃的などんでん返しがあります。ラストに歌われる「生きてゆくおまえ」は10分近い大作ですが、この物語の悲劇の真相が語られます。歌で語られるあまりにも悲しく、残酷な真実。美の憎悪と復讐の果てのあまりにも悲劇的な結末。運命のいたずらという皮肉。本当の愛情とは何か?本当の幸せとは何かをこの作品の結末は見ている側に問いかけてきます。
 この作品では「誕生」という歌が大きな意味をもっています。「誕生」は生まれてきたことを祝福する歌なのですが、この作品では親子の深い愛情を伝える歌として、効果的に使用されています。
 この作品は夜会の中で起承転結がはっきりしており、ストーリーもドラマティックで分かりやすく、夜会初心者の方にもお薦めです。ぜひ見てみてください。ラストの「生きてゆくおまえは」涙なしでは見れませんよ。

会場:Bunkamuraシアターコクーン
1994.11.11~12.10
全25回公演

1. 思い出させてあげる(Instrumental
2. 怜子
3. 煙草
4.
5. 波の上
6. 南三条
7.
8. あの娘
9. 朝焼け
10. 五才の頃
11. F.O.
12. 忘れてはいけない
13. 思い出させてあげる
14. あり、か
15. 春までなんぼ(Instrumental)
16. 子守歌
17. グッバイガール
18. 黄砂に吹かれて
19. 思い出させてあげる
20. 友情
21. シャングリラ
22. 思い出させてあげる
23. 春までなんぼ
24. 波の上
25. 二隻の舟
26. 生きてゆくおまえ
27. 誕生
28. 生きてゆくおまえ
29. シャングリラ(Instrumental)

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『ライオンキング』

お気に入りのCD.No13.『ライオン・キング サウンドトラック』
Lion_king  今回紹介するCDは1994年にディズニーが制作し、世界中で大ヒットを飛ばした長編アニメ映画『ライオン・キング』のサウンドトラックです。
 『ライオン・キング』は アフリカの大平原を舞台に、ライオンの親子を主人公に、親子の愛や子どもが大人として成長しく姿をスケール大きく描いた作品です。ストーリーはディズニー映画なので見た目は勧善懲悪で明るく分かりやすい話しなのですが、シェークスピアのハムレットを参考にしたと言うだけあって、大人が見ても楽しめる奥の深い話しでもあります。
 ストーリーの面白さに加え、アフリカの大地の美しい映像や主役から脇役まで活き活きと活躍するキャクラクターたちの姿もこの映画の大きな魅力となっています。そして、ディズニー映画を語る上で外せないのが音楽の素晴らしさなのですが、この映画の音楽はディズニー映画でも屈指の完成度を誇ると仕上がりとなっており、映画の完成度をさらに高めています。
 
 音楽監督は『バック・ドラフト』や『ラストサムライ』などで有名なハンス・ジマーが担当。主題歌や挿入歌はロック界の帝王エルトン・ジョンと『美女と野獣』や『アラジン』の主題歌でアカデミー賞を獲ったティム・ライスが担当。超一流の音楽スタッフが結集して『ライオン・キング』の音楽制作され、その年のアカデミー賞で作曲賞と主題歌賞を獲得しました。
 
 ハンス・ジマーによるアフリカサウンドを巧みに取り入れたインストゥルメンタルの数々はアフリカの広大な大地をイメージさせるスケールの大きさを感じさせると同時に、主人公のドラマティックな人生と内面の葛藤を美しいメロディで表現しており、聞き応えがあります。特に映画のオープニングで流れる曲「アフリカの大地」はアフリカのリズミカルで素朴なメロディーとハリウッドのスケールの大きなメロディがたくみに融合した名曲だと思います。

 エルトン・ジョンとティム・ライスによって制作された5つの歌もコミカルなナンバーから力強く心温まるナンバーまでバラエティに富んでいます。特に主題歌である「サークル・オブ・ライフ」は生命の連鎖、親から子へと引き継がれる意志と言う今回の映画のテーマを見事に歌で表現しています。また私の大好きな「ハクナ・マタタ」は落ち込んだときに聞くと元気の出る心温まる曲です。ちなみにハクナ・マタタとはくよくよするなという意味です。
 
 この映画のサントラCDは映画を見た人なら絶対買って損はないと思います。また映画を見たことがない人でも、曲を聴くだけで心動かされるものがあると思います。ぜひ聞いてみてください。

1. サークル・オブ・ライフ(カーメン・トゥウィリー,リーボ・M.) 
2. 王様になるのが待ちきれない(ジェイソン・ウェーバー,ローワン・アトキンソン・アンド・ローラ・ウィリアムス) 
3. 準備をしておけ(ジェレミー・アイアンズ・ウィズ・ウーピー・ゴールドバーグ,チーチ・マリン・アンド・ジム・カミングス) 
4. ハクナ・マタタ(ネーサン・レイン・アンド・アーニー・サベラ・ウィズ・ジェイソン・ウェーバー・アンド・ジョセフ・ウィリアムス) 
5. 愛を感じて(ジョセフ・ウィリアムス・アンド・サリー・ドワースキー・ウィズ・ネーサン・レイン,アーニー・サベラ,クリストル・エドワーズ) 
6. アフリカの大地(インストゥルメンタル) 
7. 命をかけて...(インストゥルメンタル) 
8. 星空の下で(インストゥルメンタル) 
9. キング・オブ・プライド・ロック(インストゥルメンタル) 
10. サークル・オブ・ライフ(エルトン・ジョン) 
11. 王様になるのが待ちきれない(エルトン・ジョン) 
12. 愛を感じて(エルトン・ジョン) 

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『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体 サウンドトラックシリーズ 』

お気に入りのCD.No12.『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体 サウンドトラック』久石譲
The_universe_within_1  今回紹介するCDは1989年にNHKスペシャルとして放映された「驚異の小宇宙・人体」のサウンドトラックです。
 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体』は人間の体内で起こっているさまざまな器官の役割を、ドラマティックに実写映像とCGを駆使して紹介する番組で、今まで「身体」「脳」「遺伝子」と3シリーズ放映されてきました。
 私は小学生の時に理科の授業で初めてこの番組を見たのですが、生命の誕生を描いた第一話を見て、大変感動したのを今も覚えています。排卵から受精、胎児の成長へと至る過程がCGや実際の胎内の映像を用いながら、分かりやすく説明してくれるので、小学生ながら興味深く見ていたものでした。私はこの番組を通して生命の精巧さ感心し、命の尊さと驚異というものを感じたものでした。
 この番組はNHKの最先端撮影技術やCGが大きな見所であるのですが、もうひとつ忘れてはいけないのが音楽の素晴らしさです。
 
 音楽は宮崎駿や北野武の映画で数々の名スコアを生み出してきた久石譲が担当しているのですが、私は彼の作品の中でも『人体』はベスト5に入るほどの仕上がりだと思います。私が久石譲のファンになったきっかけも『人体』の番組を見たのがきっかけでした。番組の随所で流れるシンセを利用した美しいメロディの数々は人体の神秘や偉大さ、そして温かさを感じさせてくれます。音楽で人体内部の活動を活き活きと見事に表現しています。特に番組の最後で流れるオーケストラによるテーマソング「THE INNERS~遥かなる時間(とき)の彼方へ」は鳥肌がたつほど美しく、聞いていて心温まる名曲です。
 
 私はこの作品で久石譲という作曲家の虜になり、彼の他の作品を次々と買っては聞きまくるようになりました。ちなみに『人体』が私が初めて買った久石譲のCDでした。
 
 彼は3シリーズ全ての音楽を担当しているのですが、どのシリーズも時に激しく、時に優しく美しいメロディで人体の神秘や偉大さを表現しています。しかし、完成度は1作目の作品が最高だと思います。

 『人体』のCDは現在2枚組みで発売されています。『人体』を見たことがない人でも久石ファン、癒し系の音楽を求めている人にはお薦めです!
 ちなみにこのCDはここ最近の久石作品に見られるオーケストラ中心でなく、初期の久石作品に見られたシンセ中心の作品であることも大きな魅力だと思います。シンセによる透明感溢れる音の広がりが心地よい作品です。
 ぜひ聞いてみてください!

 *ちなみに現在は廃盤ですが、『SPECIAL ISUUE UNIVERSAL WITHIN』と言う2つのスピーカーでの3Dの音響を出すと言うアルバムがあります。私も持っていますが、目を閉じて聞くと自分の周囲360度、音があちこち動いている様に聞こえ、面白いアルバムになっています。中古で見つけたら買って聞いてみてください!
 
 

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『ゲド戦記』のヒットに関して

Gedo_2  今年の夏公開されたスタジオジブリの最新作『ゲド戦記』。その出来の悪さはこのブログでも紹介しましたが、ネットでの評価を見ると、多くの人が『ゲド戦記』に対して不満を感じ、低い評価をしています。原作者のル=グウィンもホームページでこの作品に対して批判的な感想を述べています。
 私の中ではこの作品はジブリ作品の中で一番最低の出来だと思います。と言うか、未完成状態の映画だと思います。なぜこのような出来で公開したのか不思議なくらいです。シナリオ・映像・音楽の入れ方・声優・演出の仕方、全てが雑です。言いたいことはよく分かるのですが、その伝え方がセリフに頼るのは安直と過ぎます。またアニメ映画としての面白さが全くありません。ジブリの中で誰も監督にアドバイスをする人はいなかったのでしょうか?
 明らかに出来の悪い『ゲド戦記』。しかし今も興行成績1位を『パイレーツ オブ カリビアン2』と争っており、60億円近く稼いでいるようです。映画は必ずしも中身ではなく、結局は宣伝とブランドさえあれば映画はヒットするものなのでしょうねしかし、このような出来の悪い作品が大ヒットすると、それだけ多くの人がジブリの映画に失望し、次回作で足を運ばなくなるのではないかと心配です。
 私はこの作品でジブリは大コケしたほうが将来的には良かったのではと思います。
 初期のジブリの映画はヒットこそしませんでしたが、中身的には充実した作品ばかりでした。しかし、最近は話題性や宣伝に力を入れる割に、中身が今ひとつな作品ばかりです。もちろんスタジオのスタッフの雇用を守るためにある程度の収益は必要だと思いますし、多くの人に見てもらえるような努力は必要だと思います。但し、それは中身が充実していることが大前提です。今こそジブリは中身の充実を検討して欲しいです。
 

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『ミッション』この映画を見て!

第105回『ミッション』
Mission_1  今回紹介する映画は18世紀の南米を舞台に先住民に対して布教活動を行うイエスズ会の宣教師たちの生き様を描いた『ミッション』です。
 この映画は1986年のカンヌ映画祭にてグランプリに選ばれ、アカデミー賞でも撮影賞を受賞するなど高い評価を受けました。監督は『キリング・フィールド』・『シティ・オブ・ジョイ』など社会派の作品を撮ることで有名なローランド・ジョフィ。彼はドキュメンタリータッチの淡々とした描写の中でヒューマニズム溢れる人間ドラマを見せることで定評があり、この作品も南米の雄大で美しい大自然を舞台に重厚な人間ドラマが繰り広げられます。主演はアカデミー主演男優賞を受賞したことのある演技派俳優、ロバート・デ・ニーロとジェレミー・アイアンズの2人。2人の熱演がこの映画の大きな見所の一つとなっています。特にロバート・デ・ニーロは元奴隷商人で弟を殺して罪の意識に苦しむ中で宣教に加わるという役なのですが、映画の中で圧倒的な存在感がありました。
 また南米の大自然を捉えた映像の美しさも大きな見所です。さすがアカデミー撮影賞を受賞しただけあります。特にイグアスの滝のシーンはスケールの大きさに圧倒されます。
 そしてこの映画を語るときに忘れてはいけないのは音楽です。『ニュー・シネマ・パラダイス』や『海の上のピアニスト』で有名な作曲エンニオ・モリコーネが担当しているのですが、彼の担当した映画音楽の中でも1,2位を争う出来栄えです。彼の音楽がこの映画の格調をさらに高めています。繊細でありながら壮大で、優しく美しい音楽は胸を打つものがあります。映画の中で彼の音楽が流れてくるだけで、涙が自然とこみ上げてくるほど、映像とあっており素晴らしいの一言です。

 ストーリー:「1750年、イエズス会の神父ガブリエルはイグアスの滝の上の伝道開拓地を目指して、崖をよじ登っていた。滝の上に住むグァラニー族の人たちに布教活動をするガブリエル。
 その頃、グァラニー族を狙って、奴隷商人のメンドーザが滝の上に現れる。彼は奴隷を人間と思わないひどい扱いをしていた。しかし彼は愛する女性を弟に寝取られたことに腹を立て、弟を殺してしまう。罪の意識に苛まれ引きこもっていたメンドーサに出会ったガブリエルは彼を伝道活動へと連れて行く。メンドーサは自らに苦行を課すためにがらくたの武器を体にくくりつけて崖をよじ登る。何度も転げ落ちながら滝の上にたどりつくと、そこにはかつて彼が奴隷として狩っていたグァラニー族がいた。メンドーザは彼らに赦しを受けて、彼らと共に過ごすこととなる。そしてついには自らも宣教師となり、神に仕える身となる。
 その頃、スペインとポルトガルが激しい植民地争いを続けていた。両国の植民地拡大に乗じて勢力を拡大したイエズス会は、しだいに王権から疎まれる存在になっていた。枢機卿は滝の上の教会を放棄して、グァラニー族の人々をポルトガルに引き渡すよう迫られる。ガブリエルは枢機卿に、地上の楽園であるグァラニー族の教会の存続を認めてもらおうとするが失敗に終わる。そしてポルトガル・スペイン軍によるグァラニー族への大虐殺が始まる・・・。」

Mission2  私がこの映画を始めてみたのは大学の時でしたが、あまりにも悲劇的な結末にショックを受けたものでした。神を信じ、愛を貫こうとした者たちが次々と軍隊という力によって殺されていく場面は痛ましく、人の世の虚しさを感じてしまいました。人間の現世での欲望の前には神の愛も無力になってしまう現実に対して悲しみを覚えてしまいました。
 映画の後半、ガブリエルとメンドーザが軍隊による虐殺に対して無抵抗を貫くか、武器を持って戦うかで意見が分かれ、結局お互い自分の信念に従って別々の行動を取ります。暴力に対して非暴力て対抗するか、暴力で対抗するか、どちらが正しい行為だったのか見た後とても悩んでしまいます。映画のラスト、メンドーザはガブリエルの姿を見て、どう感じたのかが非常に気になります。
 
 また私はこの映画を見て、政治の道具として利用される宗教の醜さ・愚かさといったものを感じました。枢機卿が信徒を守るよりも勢力の維持を選択し、虐殺を容認してしまう姿は宗教の理想と現実のギャップといったものを痛感しました。

 あとこの映画を見るとき注意しないといけないことがあります。この映画では宣教師を先住民たちの見方として好意的に捉えていますが、当時の西欧の植民地化においては宣教師が大きな役割を果たしてきました。先住民の土着信仰を野蛮で未開なものとして否定し、キリスト教こそが人間が信じるに値するものだとして布教していきました。宣教師は先住民を最初は同じ人間としては見ようとせず、哀れで野蛮な獣と思っており、いかに彼らを人間にしていくかを自分たちの使命としてきました。この発想は先住民に対してとても失礼であり、傲慢な態度です。しかし当時の宣教師は自分たちの行為を疑いもしませんでした。この映画はポルトガルやスペイン国家を悪、宣教師たちを善として捉えていますが、よく考えると宣教師たちの善意も押し付けにしか過ぎず、西欧人が入植させしてこなかったら先住民はそれなりに幸せにずっと暮らしていたかもしれません。この映画を見るときはそういう視点も持つことが必要かなと思います。

 「力が正しいのならこの世に愛は必要なくなる」
 映画の中でガブリエル神父が言うこのセリフは、この映画のテーマであり、戦争や紛争が頻発する現代社会においても重い問いかけをしていると思います。

製作年度 1986年
製作国・地域 イギリス
上映時間 126分
監督 ローランド・ジョフィ 
脚本 ロバート・ボルト 
音楽 エンニオ・モリコーネ 
出演 ロバート・デ・ニーロ 、ジェレミー・アイアンズ 、レイ・マカナリー 、エイダン・クイン 、シェリー・ルンギ、リーアム・ニーソン 

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