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2006年8月6日 - 2006年8月12日

『TAKESHIS'』この映画を見て!

第94回『TAKESHIS'』北野武特集7
Takeshis  今回紹介する映画は昨年の秋に公開された北野武監督の最新作『TAKESHIS'』です。この映画は誰が見ても楽しめた前作の『座頭市』と打って変わって、難解で見る人を選ぶ作品に仕上がっています。
私は昨年公開されたと同時に北野武が大好きな職場の先輩と一緒に見に行ったのですが、北野ワールド全開の展開に2人とも大変はまったものでした。この映画は北野武=ビートたけしという人間をどれだけ知っているかどうかで、かなり印象が変わってきます。この映画は北野監督の内面や自伝的要素がストーリーからキャスティングそして映像に至るまで大きく反映されています。この映画はストーリーだけを追っても何の意味もなく退屈なだけです。この映画は北野武が日々感じているものを体感する映画であり、北野武=ビートたけしという人間を知るための作品です。だから北野武に興味がない人や彼の経歴をしらない人がみるとイマイチ意味が分からなかったり、面白くなかったりすると思います。
 芸能界の大スターとして多忙でリッチな生活を送っているビートたけしと、ビートたけしとそっくりなしがないコンビニ店員・北野。彼らがテレビ局で出会うところから話しは始まります。夢とも現実とも区別がつかない世界の中を彷徨う北野武=ビートたけしの姿を時系列を無視した醒めることのない夢のような展開で描き出していきます。
この映画はテレビや映画で成功した北野武=ビートたけしという存在に対する、本人なりの今までの人生の総括であり、成功したが故に持つ自己への破壊願望を投影した映画です。
 この映画は主役の北野武だけでなく、登場するほとんどの役者が何役もこなします。この映画は繰り返し同じ人を登場させることで、夢を見ているような感覚を演出すると同時に、独特な反復のリズムを映画につけようとしたのだと思います。特に岸本加世子は何回も役を変えては登場して、主人公の足を引っ張り続けるのですが、その姿は見ていてとてもイライラさせられます。きっと岸本加世子は北野武が頭が上がらない本妻や母親というような女性に対する思いが描かれているのだろうなと思いました。
 あとこの作品では美輪明宏さんを始め、タップダンサー、女形の子役など様々な芸をもった人が出てきて、芸を披露します。これらの芸人の登場シーンは北野監督の芸と芸術に対するリスペクトが伝わってきました。特にタップは実際に武自身が何年も習っており、将来的にはワンマンショーも開きたいと思っているそうです。その熱い思いがこの映画にも投影されています。
 北野作品では過激な暴力描写が有名ですが、今回も数多くの暴力描写があります。ただ他の北野作品と違って、この映画の暴力シーンは生々しさに欠けており、とても軽い感じがしました。この映画では銃撃シーンが数多くあるのですが、ラストの浜辺での撃ち合いのシーンは見ていて、なぜか痛烈なもの悲しさを感じてしまい、泣いてしまいました。ストーリー的には全く意味のない銃撃シーンでありながら、ものすごく美しく撮影されており、そのあまりの美しさが人生や死というものに対する虚しさというものを感じさせてしまい、胸にくるものがありました。
また北野監督らしく色彩にもこだわっており、この映画は赤と青を基調にした色彩がとても美しく目を引きました。古びたアパートの枠が赤や青で塗られているシーン、ピンク色のタクシー、沖縄の青い海、コンビニの緑とピンクの服。これらは映画の持つ非現実的な雰囲気をみごとに演出していました。
 この映画は意味を求める映画でなく、北野武を体感する映画です。それ故に、北野武に興味がない人にはこの映画はお奨めできません。しかし、北野武や彼の映画が好きな人ならぜひこの映画を見てください。

製作年度 2005年
製作国・地域 日本
上映時間 107分
監督 北野武 
脚本 北野武 
音楽 NAGI 
出演 ビートたけし 、京野ことみ 、岸本加世子 、大杉漣 、寺島進  、美輪明宏、六平直政、ビートきよし、津田寛治、石橋 保、國本鍾建、上田耕一、高木淳也、芦川 誠、松村邦洋、内山信二、武重 勉、木村彰吾、ゾマホン

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夜会VOL.7『2/2』

夜会VOL.7『2/2』
Photo_5  中島みゆきのライフワークであるコンサートでも演劇でもない独特な舞台「夜会」。その中でも特に私が好きな作品「2/2」を今回は紹介したいと思います。
 私はこの作品はDVDでしか見たことがないのですが、歌とストーリーが数ある夜会の中でも特に素晴らしく、何回も見ても心に響くものがあります。
 ストーリー:「出版社に勤める莉花は仕事で知り合ったアートディレクターの恋人・圭と幸せに暮らしていた。しかし、彼女は自分が気づかないうちに自分を破滅に追い込もうとするもう一人の自分の存在、二重人格に気づく。別人格になった自分が圭に危害を加えることを恐れ、彼女は仕事も捨て、逃げるようにベトナムへと旅立つ。しかし彼女はちょっとしたミスから日本に帰られなくなってします。異国の地で暮らす彼女がたどった自分の知られざる過去。彼女の中にいるもう一人の存在はなぜ生まれたのか?そして二つに別れた魂の謎とは?」
 夜会のストーリーは難解なものが多く、一度見ただけでは分からない作品が多いのですが、この作品は比較的分かりやすく、そしてとても感動できる仕上がりになっています。この作品は主人公の莉花がなぜ二重人格になったのかという謎の解明とと彼女が幸せをつかむまでの軌跡を追っています。ラスト20分で謎がいっきに明かされ、彼女が立ち直る場面は歌の素晴らしさも相まって、涙なしでは見れられません。
 この作品のテーマはずばり生まれ変わることだと思います。自分の人生を縛り付けていたものからの解放と新たなる人生への旅立ち。この作品は人間は自分らしさを取り戻すために何度でも生まれ変われる存在であるということを見事な形で描いています。 
 この作品はストーリーの素晴らしさはもちろんのこと、歌がとても素晴らしいです。この作品は使用される歌全てが夜会のために新たに書き下ろされており、ストーリーと密接に関連したものとなっています。その為、歌詞を聞けば聞くほどストーリーの奥深さを感じることができます。特にこの作品は一曲一曲の完成度がとても高く、メロディー・歌詞共に一級品です。どの曲もこの夜会から抜き出して単体で聞いても十分心に響くだけの力を持っています。特にラスト20分の歌は歌詞の美しさと中島みゆきの力強くそれでいて優しい歌声に鳥肌が立つほどです。 
Novel  この作品を基にした小説も中島みゆきが執筆しているのですが、こちらも素晴らしい仕上がりとなっており、舞台では分かりにくかった場面も詳しく書かれているので、ぜひ舞台を見た人はこの小説も読んでみて欲しいです。
 「2/2」は誰が見ても感動できるだけの力を持った作品です。ぜひ多くの人に見てもらいたいです。 

会場:Bunkamuraシアターコクーン
1995.11.26~12.25
全25回公演

01.LAST SCENE<Instrumental>
02.TOURIST
03.誰かが私を憎んでいる<Instrumental>
04.1人旅のススメ
05.拾われた猫のように
06.奇妙な音楽<Instrumental>
07.誰かが私を憎んでいる
08.NEVER CRY OVER SPILT MILK
09.奇妙な音楽<Instrumental>
10.この想いに偽りはなく
11.1人で生まれて来たのだから
12.TOURIST
13.途方に暮れて
14.ハリネズミ
15.市場は眠らない
16.TOURIST
17.拾われた猫のように<Instrumental>
18.竹の歌
19.紅い河
20.7月のジャスミン
21.自白
22.目撃者の証言
23.幸せになりなさい
24.二隻の舟
25.幸せになりなさい
26.紅い河

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『スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』映画鑑賞日記

Starwars  今回紹介する映画はスターウォーズサガの序章にあたる.『スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』です。ジョージ・ルーカスはスターウォーズを制作するに当たって、元々9部作にするつもりで構想を練っており、旧3部作のエピソード4から6まではちょうどシリーズの中間の作品になる予定でした。しかし、旧3部作以降、なかなか次のスターウォーズは制作されず、97年にやっとエピソード1から3までの制作を決定、それと同時に当初あった9部作の構想は撤回され、旧3部作と新3部作あわせて6部作でシリーズを完結させることをルーカスは公表しました。この6部作完結の発表はスターウォーズファンにはとても残念なものでした。
 さて6部作の序章として制作された『ファントム・メナス』ですが、16年ぶりのシリーズ復活に多くの人が期待を寄せたものでした。ストーリーは将来ダースベイダーとなるアナキン・スカイウォーカーの幼少期を描くというものであり、旧3部作に登場していたオビ・ワンやCー3PO、R2D2、そしてヨーダまでも登場するということで、どんなストーリー展開になっていくのか、多くのファンが公開まであれこれ想像したものでした。私もスターウォーズの新作公開に胸躍らせ楽しみにしていたものでした。
 そして99年夏についに公開され、初日に映画館に並び見たのですが、CGを多用した映像のスケールの大きさと緻密さには圧倒されたものの、キャラクターやストーリーにあまり魅力がなく、正直旧3部作に比べてあまり面白くありませんでした。
 映像は旧3部作に比べて格段に進歩して迫力があるものの、ストーリーは旧3部作にあった夢やロマンといったものを感じられず、複雑な政治の話しがメインになっており、いまいち入り込めませんでした。この映画を見て、改めてルーカスはシナリオの才能がないことを確信してしまいました。
 キャラクターの造形も今ひとつで、とくに旧3部作の登場したハン・ソロのようなタイプの人物がいないのが残念でした。悪役のダースモールはインパクト大なのですが、ラストがあっけなく、もう一つでした。また世界中のファンから大ブーイングを受けたジャージャービンクスもうるさいだけで、見ていていらいらするものがありました。
 CGを多用した映像も迫力と緻密さはあるものの、リアリティを感じさせず、CGアニメを見ているような感じでした。旧3部作は宇宙船のリアルな汚れなどが現実感を与えていたのですが、この映画はピカピカしすぎで、嘘っぽく見えてしまいました。
 ここまで散々酷評してきましたが、個人的にこの映画は嫌いでもないですし、実は何回も見直したりしています。特に私はラストのクワイ・ガン、オビ・ワンとダースモールの戦いのシーンは大好きで、このシーン見たさに何回も見直しているほどです。また旧3部作のキャラクターの過去が見られるという点でもとても興味深いです。
 この映画は他のスターウォーズ作品に比べるともうひとつですが、スターウォーズファンなら外せない作品ですし、2作目が気になるという点では序章としての役割をみごとに果たしていると思います。

製作年度 1999年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 133分
監督 ジョージ・ルーカス 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス 
脚本 ジョージ・ルーカス 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 リーアム・ニーソン 、ユアン・マクレガー 、ナタリー・ポートマン 、ジェイク・ロイド 、イ

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『吸血鬼ゴケミドロ』この映画を見て!

第93回『吸血鬼ゴケミドロ』
Gokemidoro  今回紹介する映画はカルト的に人気を誇る日本SFホラー映画『吸血鬼ゴケミドロ』です。この映画は1968年にSF映画で老舗の東宝に対抗して、松竹が制作した宇宙人による地球侵略をおどろおどろしく描いた作品です。この映画はとても低予算で制作されており、特撮などチープで、突っ込みどころも多い作品ではあるのですが、エイリアンに侵略された男の異様な雰囲気や人間の醜さを前面に押し出したストーリー、そして後味の悪いエンディングなど見所も多く、見る者に強烈なインパクトを与えてくれます。
 ストーリー:「謎の光体の接近により墜落し、岩山に不時着した旅客機。生き残った10人の乗客と乗組員は宇宙生物ゴケミドロによって恐怖のどん底へと突き落とされる。ゴケミドロは人間に寄生し、寄生した人間を使って、他の人の血を吸って次々と殺していく。生き残った人間たちは何とか生き残ろうとするが、お互いにエゴがむき出しとなり、足を引っ張り合ってしまう・・・。」
 私がこの映画を始め見たときは、エイリアンに襲われるシーンよりも、個性的過ぎる登場人物たちの姿がとても強烈でした。夫が戦死したアメリカ人女性や爆弾で自殺しようとする男、暗殺者、欲望と権力にしがみつく政治家、宇宙人実在論を唱える科学者、危機的状況におかれた人間を観察する精神科医と、ここまで個性的な乗客ばかりの飛行機って、ある意味すごいですね。この人たちが生きようが死のうがどうでもよく、主人公たちには感情移入があまりできませんでした。それにしても極限状態におかれた人間たちの汚さや愚かさをこれでもかと徹底的に描いたストーリーは滅多になく、見ていて嫌悪感を感じてしまいました。
 特撮は空飛ぶ円盤にしても、飛行機にしても、エイリアンにしても、とてもチープなのですが、エイリアンがパックリと割れた人間の額から入り込むシーンはとても気持ち悪く、それでいてどこかいやらしくもあり、一度見ると頭から離れません。またエイリアンに侵略された高英男扮する暗殺者が他の人を襲うシーンはとても不気味で恐ろしいものがありました。
 そしてバットエンディングで有名なラストですが、私も最初に見たときは、まさかこんな結末になるとはと唖然としてしまいました。ここまで絶望的なラストのSF映画はあまり見られません。
 この映画は当時の世相を反映してか、反戦・反核というテーマが随所にこめられています。夫をベトナムでなくした戦争未亡人が「戦争はいけない」と訴えるのですが、映画の中身から浮きまくり、何か違和感を感じてしまいます。
 この映画はタランティーノ監督も大好きで『キルビル1』の模型を使った飛行機のシーンはこの映画のオープニングのシーンに対するオマージュだそうです。
 『吸血鬼ゴケミドロ』は特撮こそチープですが、日本を代表するSFホラー映画であり、一度見たら、あなたもその虜にきっと?なるでしょう。ぜひ見てみてください!

製作年度 1968年
製作国・地域 日本
上映時間 84分
監督 佐藤肇 
脚本 高久進 、小林久三 
音楽 菊池俊輔 
出演 吉田輝雄 、佐藤友美 、高橋昌也 、高英男 、金子信雄 、北村英三、 楠侑子、 加藤和夫 、西本裕行、 山本紀彦、 キャッシー・ホーラン

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『スターウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還』この映画を見て!

第92回『スターウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還』
Star_wars_6  前回前々回と紹介してきたスターウォーズクラシックシリーズの最後を飾る『ジェダイの帰還』を紹介したいと思います。
 この映画はスターウォーズサガの完結編ということもあり、ルークとベイダーの関係に重点が置かれ、スカイウォーカー親子2代にわたる壮大なドラマはベイダーの改心と親子の和解という形でで完結します。エピソード1から順を追ってこの映画まで見ると、この映画がアナキンの物語であったことに改めて気づきます。一度は悪に落ちた彼が、息子との出会いにより、また善を取り戻すという結末は何とも感動的です。
 この映画は前半は5作目のラストでカーボン冷凍されたハン・ソロの救出が大きな見所です。5作目のラスト、ハン・ソロがどうなるのかとても気になっていたので、彼が助け出された時にはホッとしました。ただ個人的にこの救出シーンは少し長すぎるような気がします。そしてジャバ・ザ・ハットの最後があのような形なのはとてもあっけなかったです。そういう意味ではボバもあっけなく死んでしまいましたが。スターウォーズシリーズはベイダーを除き、悪役が思ったよりもあっけなく死んでしまうような気がします。皇帝の最期など投げ落とされるというもので、銀河の皇帝の割りに何か情けなかったです。
 映画の後半はデス・スターをめぐる攻防とベイダーとルークの対決という二つのストーリーが同時進行で進むのですが、デス・スターをめぐる攻防戦は私はもう一つでした。その理由は後にも述べますが、イウォーク族の登場にあると思います。彼らの登場が緊迫したストーリーを弛緩させてしまったような気がします。 
 この映画は公開当時はヒットしたもののスターウォーズファンの間では評価は微妙でした。その大きな理由が惑星エンドアでのイウォーク族の登場にあります。スターウォーズシリーズのフィナーレを飾る作品が熊たちの戦いによって勝利に導かれるという展開にかなりブーイングが出たそうです。確かに私もエンドアでの戦いは微妙な気がします。ただし、ルーカスは5作目の『帝国の逆襲』が大人向きの作品にしあがったことが不満らしく、6作目はシナリオにも結構口を出し、イウォーク族を登場させたそうです。ルーカスはスターウォーズはファンタジーであり、子どもが見ても楽しめるものにしたかったそうです。噂によると最初のシナリオではハン・ソロも戦死する予定だったのをルーカスが嫌い、生き残るシナリオに変えたそうです。
 私もこの映画は5作目に比べると、シナリオの完成度という点では確かにイマイチだと思います。ただスターウォーズサガの完結ということで何度見ても感動してしまうのですが・・・。
 この映画は83年に公開されたものと現在DVDで見られるものでは幾つかのシーンで修正や追加がされているのですが、映画のラストの幽体となったアナキンの姿が若いアナキンの姿に改変されたシーンは見たときとても違和感を感じました。この修正は不必要だったと思います。
 この作品を見るときは是非1作目から順を追って見て行ってください。ラストはきっと感慨深いものがあると思います。

製作年度 1983年・特別編:1997年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 132分・特別編:137分
監督 リチャード・マーカンド 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス 
脚本 ローレンス・カスダン 、ジョージ・ルーカス 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 マーク・ハミル 、ハリソン・フォード 、キャリー・フィッシャー 、アンソニー・ダニエルズ 、ビリー・ディー・ウィリアムズ 

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『スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』この映画を見て!

第91回『スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』
Star_wars_5  前回の『新たなる希望』に引き続き、スターウォーズサガの第5章目にあたる『スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』を紹介します。この作品はスターウォーズファンの間で一番人気が高く、シリーズ6作の中で一番大人向けの作品に仕上がっています。
 私がこの映画を一番最初に見たときは、話しが途中で終わるという展開に大変驚いたものでした。最近は『マトリックス』や『ロード・オブ・ザ・リング』・『パイレーツ・オブ・カリビアン』と話しが途中で終わるという作品も多いですが、当時はとても珍しく、この後どういう展開になるのかとても気になったものでした。
 私はスターウォーズサガの中でこの作品が一番お気に入りで、戦闘シーンの迫力と人間ドラマとしての面白さ・キャラクターの魅力という点でシリーズでも突出したものがあります。この作品の登場でスターウォーズの世界観に広がりと奥行きが出て、単なる娯楽作品以上の人気を得ることができたのだと思います。
 戦闘シーンは大規模な地上戦から宇宙空間での帝国軍からの逃走、そしてライトセーバー対決とバリエーションに富んでおり、見る者を飽きさせません。
 またストーリーも主人公の人間ドラマに重点を置き、時にコミカルに、時にシリアスに描き、ラストはとてもドラマチックな展開となり、スターウォーズシリーズの中でも最高に盛り上がります。この映画の脚本はルーカスではなく、リー・ブラケット 、ローレンス・カスダン 
というプロの脚本家が書いており、シナリオが素晴らしいです。ただルーカス自体は大人向きのシナリオが気に入らなかったらしく、6作目の『ジェダイの帰還』や新シリーズでは、かなりシナリオにも手を出していますが、はっきり言ってルーカスってシナリオの才能はないと思います。
 この映画は新しいキャラクターも数多く登場しますが、ヨーダはその中でも特にインパクトがありました。仙人を思わせるような雰囲気と東洋思想の影響を受けた発言の数々はとても魅力的でした。ただ新シリーズでのヨーダを見てしまうと5作目のヨーダはあまりにも別人で、違和感を感じてしまいました。これは新シリーズでのヨーダの描き方に問題があると思います。またスターウォーズシリーズでもベイダーに次いで人気の高いボバ・フェットが登場したのもこの作品からでしたね。
 この映画の大きな見所は3つあり、前半の惑星ホスでの反乱軍対帝国軍の雪原での戦闘シーンとハンソロとレイアのラブロマンス、そしてルークとダース・ベイダーの関係性が明らかになるラストです。
 前半のホスでの戦いは数あるスターウォーズ戦闘シーンの中でも非常に印象に残るものがあります。特に4足歩行の戦闘マシーンAT-ATは造形のユニークさでとてもインパクトがありました。ただAT-ATは造形は面白いものの、足元の弱さから実戦には不向きだと思いますが・・。
 ハン・ソロとレイアのミレニアム・ファルコン号や雲の惑星へスピンでの恋の駆け引きも見ていて面白く、映画のラストでソロが冷凍カーボンにされる時のレイアとの会話は胸にグッとくるものがありました。
 そして何といってもこの作品で一番の見所といえるラストのルークとベイダーの一騎打ちとベイダーがルークに「自分が父親」だと告白するシーン。このシーンはとても衝撃的でした。『新たなる希望』を見たときは思いもしなかった、ベイダーとルークの関係。このラストの一言でスターウォーズは単なる善と悪の戦いという物語から、父と子の複雑な関係を描く人間ドラマとしての魅力が加わったと思います。
 
製作年度 1980年・特別編:1997年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 125分・特別編:131分
監督 アーヴィン・カーシュナー 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス 
脚本 リー・ブラケット 、ローレンス・カスダン 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 マーク・ハミル 、ハリソン・フォード 、キャリー・フィッシャー 、アンソニー・ダニエルズ 、ビリー・ディー・ウィリアムズ 

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『スターウォーズ エピソード4 新たなる希望』この映画を見て!

第90回『スターウォーズ エピソード4 新たなる希望』
Star_wars_4  昨日WOWOWでスターウォーズ全6作を一挙放映していてたので、私も全作品を一挙に見てしまいました。さすがに全6作を一度に見ると、この作品がスカイウォーカー親子の壮大な物語であったということが改めて分かり、ダースベイダーがルークを守ろうと皇帝を倒す場面は何ともいえない感動がありました。
 今回はそんなスターウォーズ壮大な物語のスタートとなった記念すべき第1作目(6部作の中では4作目に当たる)『新たなる希望』を紹介したいと思います。
 この映画を私が最初に見たのは小学1年生のときで、テレビで見たのですが、あまりの面白さに画面に釘付けになったのを思います。その後もテレビで放映されるたびに欠かさず見て、自分でビデオやDVDを買って、何十回と見たものでした。
 昨日WOWOWで全6作を通して見ると、1作目は意外にシンプルでこじんまりとした話しだったんだなと思いました。舞台となる星も主にタトゥーインとデス・スターだけですし、話しも敵に捕らわれた姫を助け、悪の本拠地を破壊するというとても単純なものです。新3部作は政治的な話しが絡み、舞台となる惑星も多かったのですが、旧3部作は今見るととてもシンプルな話しが多いです。しかし、シンプルな話しであるが故に、主人公たちの成長や友情・恋愛に見ている側が感情移入しやすく、感動的で手に汗握る作品に仕上がっていると思います。
 『新たなる希望』はスターウォーズ第1作ということもあり、前半は登場人物の紹介やスターウォーズの世界の説明に多くの時間が割かれいます。その紹介や説明の仕方が巧みで、見ている側のイメージを膨らませるんですよね・・・。スターウォーズの魅力の一つに映画では語られない部分にもあおれこれ観客が思いをめぐらせることが出来るだけの世界観の奥深さがあると私は思っています。そしてデス・スターに舞台が移ってからは、息つく暇もない冒険活劇が繰りひろげられ、見ている側は画面から目が離せなくなります。特にライトセーバーによる戦いとラストの宇宙船同士の戦闘は男の子にはたまらないシーンです。
 あと旧スターウォーズの魅力はストーリーもさることながら、キャラクターの造形の上手さがあると思います。パイロットを憧れる純粋だけど未熟な主人公のルーク、ニヒルだけど頼りになる男・ハンソロ、美しく熱い闘士をもった王女・レイア、この3人の関係がとても魅力的です。また悪役のダースベイダーもルックスといい、その冷酷非道な性格といい、最初見たときは強烈なインパクトと恐怖を覚えたものでした。あの悪役を生み出せたこともこの映画の成功の大きな要因でしょう。また脇役のオビワンは映画に奥行きを与え、Cー3PO、R2D2・チューバッカーもいい味を出していますよね。
 またこの映画の大きな魅力として、宇宙船の造形のかっこよさとリアルさもあります。とくにメカのさび付いた汚れは、何ともいえない現実感を与えてくれました。
 そしてこの映画の魅力を語る上で外せないのが音楽。ジョン・ウィリアムスのあの有名なテーマ曲は映画のスケールの大きさを見事に表現しています。
 この映画は新3部作の制作にあわせて、97年に特別編として「新たなる希望」というサブタイトルをつけて、4作目として位置づけられました。特別編はジャバ・ザ・ハットのシーンが追加され、他にも細かく追加シーンが挿入されました。個人的にはジャバのシーンはいらないかなと思いましたが、ルークがパイロットに憧れていることが説明されるシーンや友達との再開シーンは追加されてよかったかなと思います。
 『新たなる希望』はスターウォーズサガの出発点であり、旧3部作と新3部作をつなぐ重要な作品です。この作品はSFファンタジー映画を語る上で外せない作品であり、これからも多くの若い人に見て語り継いでもらいたい映画です。 

製作年度 1977年・特別編:97年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 オリジナル:121分・特別編:129分
監督 ジョージ・ルーカス 
脚本 ジョージ・ルーカス 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 マーク・ハミル 、ハリソン・フォード 、キャリー・フィッシャー 、アレック・ギネス 、ピーター・カッシング 

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『ドラえもん映画主題歌集』

お気に入りのCD.NO10『ドラえもん映画主題歌集』
Doraemonmovie  私は小さい時からドラえもんの映画が大好きで、毎年公開を楽しみにしていたものでした。特に初期から中期の頃の劇場版『ドラえもん』はシナリオや設定が素晴らしく、今見ても楽しめる作品が多いです。その頃の劇場版『ドラえもん』は主題歌もとても素晴らしく、今聞いても感動できる歌が多いです。特に武田鉄矢が手がけた主題歌は歌詞・曲とも美しく、胸に響くものがありました。
 今回紹介するCDは武田鉄矢が手がけた人気アニメ『ドラえもん』劇場版の主題歌を集めたものです。このCDは全曲名曲ぞろいで、聞いていると心が洗われていくような感じになります。
 何といっても武田鉄矢の歌詞がとても素晴しいです。彼の歌詞は人間賛歌に満ちており、聞いていると優しく温かい気持ちになります。『少年期』の歌詞は子どもの頃にはピンときませんでしたが、今聞くと切なさや懐かしさで胸がいっぱいになります。また『天までとどけ』を聞くと、落ち込んだ心を励ましてくれます。そして『雲がゆくのは』と『時の旅人』は聞いた後にしんみりとした気持ちで胸がいっぱいになります。
 ドラえもんの映画を知っている人も知らない人も、このCDはお奨めです。ぜひ聞いてみてください。 

1. さよならに さよなら(海援隊) 
2. 夢の人(武田鉄矢一座) 
3. 少年期(武田鉄矢) 
4. 天までとどけ(同) 
5. 雲がゆくのは(同) 
6. 時の旅人(同) 
7. 世界はグー・チョキ・パー(武田鉄矢一座) 

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