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2006年7月23日 - 2006年7月29日

『風の谷のナウシカ』この映画を見て!

第86回『風の谷のナウシカ』
Nausika_2  今回紹介する映画は多くの人が金曜ロードショーで一度は見たことがあるだろう『風の谷のナウシカ』です。この映画はもう20年に以上前の作品にも関わらず、今見ても全然古さを感じさせない力のある作品です。私もこの映画はテレビやDVDを通して何十回と見てきましたが、見始めると最後まで必ず見てしまいます。
 ストーリーは皆さん知っているとは思いますが、「火の七日間」と呼ばれる最終戦争により高度産業文明が滅び千年余りが経過した未来を舞台に、腐海”と呼ばれる毒の森に生きる人々の姿を描いています。
 この映画は原作の漫画があり、映画と同じく宮崎駿が手がけているのですが、映画と原作は話しがだいぶ違います。映画は7巻まである原作の2巻までをコンパクトにまとめたものであり、物語の展開がかなり違います。原作は映画よりもさらに壮大なスケールで話しが進んでいき、映画とは全く違う結末を迎えます。原作を読むと映画版のストーリーは物足りなさを覚えてしまうかもしれません。
 映画版ナウシカはストーリーという点では原作に劣りますが、原作にはない魅力があります。それは映像と音楽です。ナウシカを最初に見たときは、ナウシカがメーベェに乗って空を飛び回るシーンに圧倒的な解放感を覚え、王蟲が動き回る姿に圧倒されたものでした。さらにガンシップやトルメキアの船などのメカの造形も素晴らしく、中盤から後半にかけての空中での戦闘シーンは手に汗にぎるものがありました。ラストに出てくる巨神兵のドロドロの姿も強烈なインパクトを与えてくれました。原作漫画の絵に色がつき、キャラクターたちが動き回る姿が見られるのはアニメならではの魅力です。
 また久石譲が手がける音楽も大変美しく、シンセとオーケストラを使って、ナウシカの世界観を見事に表していました。特にラストの少女の声で奏でられるレクイエムのシーンは自然と涙が出てきたものでした。
 あと声優も最近のジブリ映画のように話題先行で有名人を起用することなく、プロの声優たちを起用しており、キャラクターにあった声があてられています。特にナウシカを演じた島本須美はナウシカのイメージにぴったりあてはまっており、彼女の声なくしてナウシカはここまで人気が出たかなとさえ思います。
 ストーリーは原作に比べるととても単純なものですが、単純が故にストレートに感動できる作品に仕上がっています。最近の宮崎駿の映画はストーリーがいまいちなものが多いのですが、この映画のストーリーはラストまで一気に見せてくれる力強さと勢いがあります。
 ナウシカがなぜここまで人気があるのか、私はその一番大きな理由は完全無欠なヒロインとしてナウシカの魅力が一番大きいと思います。純粋で、優しく、力強いナウシカという女性。その姿はあまりにも現実離れをしていますが、それゆえにみんなが憧れるのだと思います。

製作年度 1984年
製作国・地域 日本
上映時間 116分
監督 宮崎駿 
原作 宮崎駿 
脚本 宮崎駿 
音楽 久石譲 
出演 島本須美 、辻村真人 、京田尚子 、納谷悟朗 、永井一郎 

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『死霊のはらわた』この映画を見て!

第85回『死霊のはらわた』
Evildead  今回紹介する映画は80年代を代表するスプラッター映画『死霊のはらわた』です。この映画は『スパイダーマン』シリーズを大ヒットさせたサム・ライミー監督のデビュー作です。低予算で作られた作品ながら、過激なスプラッター描写とサム・ライミー監督の演出の巧みさから今見ても十分楽しめる作品となっています。
 ストーリー:「アッシュ(ち5人の若者は、休日を郊外で過ごそうと、山奥にある貸別荘へとやってくる。そこで、彼らはテープ・レコーダーを発見し、テープを再生する。そのテープには死霊を解き放つ呪文が録音されていた。次々と死霊にとりつかれていくアッシュの仲間。倒すには怪物となった友達の体をバラバラにするしかないないのだが・・・。」
 この映画の見所はずばり過激なスプラッター描写です。死霊にとりつかれた友人たちの豹変した白目の醜い顔、ばらばらに切り刻まれる身体、つぶされる目玉、そしてラストの崩壊する死霊たち。低予算でありながら、ここまで気持ち悪く、それでいて迫力のあるを映像を作り上げたことに驚きます。(もちろん安っぽさはありますがね・・・)ラストはクレーアニメを利用して撮影されたそうですが、その気持ち悪さは最高です!
 またサム・ライミのパワフルなシナリオや演出も見る者を画面に釘付けにします。カメラワークは大胆で面白く、特に死霊の視点で捉えた映像は独特な緊張感と恐怖を観客に与えてくれます。また木が人間を襲うシーンも、独特な恐怖とエロティシズムに満ちています。シナリオも巧みで、死霊になった友達を倒そうと思ったら突然人間に戻ったりと、主人公が死霊に翻弄されるシーンは見応えがあります。そしてラスト。助かったと思った主人公に猛烈なスピードで襲い掛かる死霊のシーンは強烈なインパクトを残す結末でした。
 この映画は続編がさらに2本制作されていますが、だんだんコメディーホラー路線となっていき、1作目にあった恐怖や緊張感は薄れていきました。サム・ライミは今ではすっかりハリウッドのヒットメーカーとなってしまいしたが、私は彼の代表作は『スパイダーマン』ではなく、『死霊のはらわた』だと今でも思っています。ぜひまたパワフルなスプラッター映画を彼には撮ってもらいたいです。
 暑い夏、ぜひこの傑作スプラッター映画を見て、涼んでください。

製作年度 1983年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 86分
監督 サム・ライミ 
製作総指揮 ブルース・キャンベル 、ロバート・G・タパート 、サム・ライミ 
脚本 サム・ライミ 
音楽 ジョー・ロ・ドゥカ 
出演 ブルース・キャンベル 、エレン・サンドワイズ 、ベッツィ・ベイカー 、ハル・デルリッチ 、サラ・ヨーク 

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『ドーン・オブ・ザ・デッド』この映画を見て!

第84回『ドーン・オブ・ザ・デッド』
Dawn_of_the_dead  今回紹介する映画はカルト的人気のあるジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』をリメイクした『ドーン・オブ・ザ・デッド』です。ロメロの『ゾンビ』は私の大好きな映画でもう何十回と見ていますが、何回見ても飽きることなく見られるゾンビ映画史に残る大傑作です。『ゾンビ』は突然蘇った死者によって埋め尽くされた世界の中で、無人のジョッピングセンターに立てこもった3人の人間の姿を描いた作品ですが、トム・サービニによる生々しい残酷描写とロメロ監督の人間に対するシニカルな視点、そしてショッピングセンターに立てこもるという設定がとても魅力的な作品でした。3年前に『ゾンビ』をリメイクすると聞いたとき、私はあの名作をいまさらどうリメイクするのか興味と不安を感じたものでした。映画が公開されるとすぐに劇場に見に行ったのですが、見終わった後の印象としては予想以上に面白い作品に仕上がっていると思いました。確かにロメロの『ゾンビ』に比べるとイマイチなのは仕方ないとしても、最近公開されたゾンビ映画の中ではダントツの面白さでした。
  リメイク版はショッピングセンターに立てこもるという設定を除いて、ストーリーは全く違うものに改変されています。ロメロ版は状況説明や人間関係に重点を置きゆっくりと話しが進行していくのですが、リメイク版は人間関係はあっさりと描き、テンポ良く話しが進んでいきます。またロメロ版にあった文明批判や人間に対するシニカルな視点はほとんどなく、痛快なサバイバルアクションとして一気に最後まで見させてくれます。
 ゾンビ映画ファンの間では走って襲ってくるゾンビという設定に賛否両論がありましたが、私としては走って襲ってくるのもアリかなと思いました。この映画では走ってくるゾンビという設定がロメロ版にはない緊張感を出していたと思います。ただあんな足の速いゾンビだと、かつてのゾンビにあった何とか逃げられるのではないかという余裕が人間にもてないですよね。
 私がリメイク版で特に気に入ったのは、オープニングの10分間とラストの装甲バスによる脱出シーンです。オープニングは主人公の看護師アナが突然ゾンビに襲われ街から脱出するまでを描いているのですが、突然ゾンビによって街が混乱に陥った状況がリアルに表現されていたと思います。またラストの装甲バスによる脱出シーンは圧倒的なゾンビの数による終末観と絶望感が伝わってきました。またラストのバッドエンディングもゾンビ映画ならではの結末といった感じで良かったです。
 この映画で残念だったのは残酷描写と中盤のストーリです。ゾンビ映画にも関わらず、カニバリズムのシーンがほとんどないのはもう一つでした。(その分、誰でも見られる作品になっていますが・・・)また中盤に出てくる登場人物が多く、主人公たちに感情移入ができないところがありました。もう少し登場人物を減らして、何人かに焦点を絞ったほうが、後半もっと盛りあがったと思います。あと、ラストの犬を助けに女性がガンショップに行く展開は強引というか無理を感じてしまいました。
 この映画はロメロの『ゾンビ』と別物だと思ってみれば、かなり楽しめる作品です。人間ドラマはいまいちですが、サバイバルアクションホラーとして見れば、手に汗握る2時間をすごすことができますよ。

製作年度 2004年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 98分
監督 ザック・スナイダー 
製作総指揮 アーミアン・バーンスタイン 、トーマス・A・ブリス 、デニス・E・ジョーンズ 
脚本 ジェームズ・ガン 
音楽 タイラー・ベイツ 
出演 サラ・ポーリー 、ヴィング・レイムス 、ジェイク・ウェバー 、メキー・ファイファー 、タイ・バーレル

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