« 2006年7月2日 - 2006年7月8日 | トップページ | 2006年7月16日 - 2006年7月22日 »

2006年7月9日 - 2006年7月15日

『アンドロメダ・・・』この映画を見て!

第81回『アンドロメダ・・・』
Andromeda  今回紹介する映画は掘り出し物の70年代SF映画の傑作です。原作は『ジュラッシックパーク』で有名なマイケル・クライトン、監督は『サウンド・オブ・ミュージック』を手がけたロバート・ワイズ、SFXは『2001年宇宙の旅』のダグラス・トランブルという豪華なスタッフが結集しています。
 私はこの映画がテレビで放映されいるのを偶然見ていたのですが、あまりの面白さに一気に引き込まれて最後まで見てしまいました。ストーリーはシンプルでいて、それでいてスリリングです。
ストーリー:「ニューメキシコの片田舎に落下した人工衛星に未知の病原体が付着。それが原因で赤ん坊と酔っ払った老人2人を除いて、町の住民が全員死亡する。政府によって地下の研究施設に集められた4人の科学者が未知の病原体の正体と治療方法を探る・・・。」
 この映画はほとんどが地下の研究所で科学者たちが未知の病原体を研究していく過程を描きます。ありきたりの映画なら閉鎖された空間での研究シーンばかりの映画だと退屈になってしまうのですが、この映画は監督の演出が素晴らしく、見るものを飽きさせません。全編ドキュメンタリータッチで描きかれるのですが、現実感と緊張感を映画に与えています。映画のオープニングは病原体によって死滅した町を調査するところから始まるります。死体だけの無人の街のシーンは恐ろしくも見るものを一気に釘付けにします。その後は地下にある秘密研究所での科学者たちの研究シーンが延々と続きますが、病原体を追求していく過程がリアリティとサスペンスに満ちており見るものを飽きさせません。なぜ赤ん坊と酔っ払いの老人だけが生き残ったのかという謎から病原体の秘密が解明されるラストは研究過程が緻密に描かれているのでとても説得力がありました。この映画のシナリオは専門性と娯楽性と両方を見事に兼ね備えています。
 またセットや小道具も素晴らしいです。ダグラス・トランブルが手がけたセットは独特な色彩感覚と近未来的なデザインで魅力的です。またリモート・ハンドや電子顕微鏡などの研究道具も映画にリアリティを与えてくれます。
 特に激しいアクションシーンも大掛かりなスペクタクルシーンもないにも関わらず、科学者たちの研究シーンだけでここまで面白いSF映画が作れるとは大したものです。最近のCGにだけ頼ったSF映画にはないSF(サイエンス・フィクション)映画の魅力がこの映画にはあります。ぜひ見てみてください!

製作年度 1971年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 130分
監督 ロバート・ワイズ 
原作 マイケル・クライトン 
脚本 ネルソン・ギディング 
音楽 ギル・メレ 
出演 アーサー・ヒル 、デヴィッド・ウェイン 、ジェームズ・オルソン 、ケイト・リード 、ポーラ・ケリー

| | コメント (0) | トラックバック (2)

『M:i:Ⅲ』この映画を見て!

Mi3 『M:i:Ⅲ』 
今回紹介する映画はアメリカで大人気だったテレビドラマ『スパイ大作戦』をトムクルーズ主演でリメイクした『ミッション・イン・ポッシブル』シリーズの3作目『M:i:Ⅲ』です。テレビ版『スパイ大作戦』はチームプレイを重視したストーリーで毎回楽しませくれましたが、映画版『ミッション・イン・ポッシブル』シリーズはトム・クルーズ扮するイーサン・ハントの超人的な活躍を楽しむ作品となっています。
 このシリーズの大きな特徴として毎回独自の映像スタイルで人気を集める監督を起用しているところがあります。1作目はサスペンス映画の巨匠として有名なブライアン・デパルマが監督を務め、予想外なストーリー展開とラストの度肝を抜くアクションシーンでテレビ版とは全く違う面白さを持った作品に仕上がっていました。2作目はスローモーションを多用したアクションシーンで人気が高いジョン・ウーが監督を務めたのですが、期待していた割りに完成度はもう一つでした。ジョン・ウーの演出がくどく感じ、トム・クルーズの単なるプローモーション映画になっていました。
 そして第3作目『M:i:ⅲ』ですが、この映画は監督が何回も交代しています。最初は『セブン』のデビット・フィンチャーが起用されていたのですが途中で降板し、続いて『ナーク』のジョー・カーナハンが起用されたのですが、また降板してしまいました。そして制作も遅れに遅れ、紆余曲折の末に選ばれた監督は『エイリアス』や『LOST』などの数々の人気テレビドラマを制作したJ・J・エイブラムスでした。彼は『アルマゲドン』のシナリオなどにも参加している脚本家で、独自のスタイルを持っているというよりはストーリーを重視する監督です。そんなエイブラムス監督が手がけた3作目ですが、初監督作としては見事に面白い作品に仕上がっていました。
 トムクルーズ扮するイーサン・ハントの超人的なアクションはいつもながらですが、今回はテレビドラマ版にあったチームプレイの面白さも前半から中盤にかけて描いており、スパイ映画を見ている醍醐味を感じました。またアクションシーンも現実離れをしていますが迫力満点であり、息つく暇がなく、2時間という上映時間があっという間に思えてしまう作品でした。
 ストーリー:「IMFのトップエージェントであるイーサン・ハントは現役から退き、現在は後進の指導を行いながら看護師であるジュリアと結婚をして幸福な生活を過ごしていた。しかしある日、自分の教え子のリンゼイが国際的な武器商人デイヴィアンの捕獲作戦に失敗し、拉致されてしまう。彼女を救助するためにIMFのチーム達と共にベルリンへ飛ぶが、作戦は失敗。イーサンはバチカンに飛び、デイヴィアンの捕獲に挑む・・・。」
 今回のストーリーは、監督いわくスパイのプライベート部分を描きたかったようで、前2作にはなかったプライベートなシーンが随所に挿入されます。家族とのささやかな日常の幸福と世界的な悪の組織と命がけの戦いを挑む過酷さとのギャップの中で生きている姿が描かれているシーンは、イーサンというキャラクターに深みを持たせていると思いました。  また前半のベルリンやバチカンでのチームプレイ戦は見ていて、とても手に汗握るものがありました。後半は奥さんが誘拐され、イーサンが救出に向けて戦いを挑んでいくのですが、トムの人間離れしたアクションとトムの男泣きが印象に残りました。
 それにしても、こんなに私情で一人突っ走るスパイって優秀なスパイだろうかと見終わった後、疑問に思ってしまいました。また映画の終盤にどんでん返しがあるのですが、1作目に比べて別にこれといった驚きはありませんでした。よく考えると突っ込みどころの多いストーリですが、見ている間は全くといって良いほど気になりませんでした。
 アクションシーンはどれも音響効果がすざましくて迫力満点でした。トム・クルーズのスタントなしの体張ったアクションシーンはいつもながら見ごたえ十分でした。ただ、ラストは思ったよりスケールが小さく、尻すぼみのような印象を受けました。あと、中盤の橋の上での戦いはシュワルツネッガー主演のスパイ映画『トゥルーライズ』に似ているような気がしました。(この作品の構造自体、そういえば『トゥルーライズ』にとてもよく似ていますね。)
 この映画の話題の一つとしてアカデミー賞を受賞したフィリップ・シーモア・ホフマンが悪役を演じたことがあったのですが、いまいち悪役として迫力不足でした。またこれはシナリオや演出の問題ですが、悪役がどれほどの力を持っており、どんなにひどいことをしているのかがあまり描かれていないので、ラストのアクションシーンなど盛り上がりに欠けたような気がします。またイーサンの上司役で『マトリックス』のローレンス・フィッシュバーンが出演していたのですが、あまり印象に残る役ではありませんでした。せっかくの起用なので、もっと活躍して欲しかったです。
 この映画は見終わった後、特に印象に残る映画でもありませんし、突っ込みどころも満載な映画です。しかし、見ている間は画面に釘付けになりますし、1800円払って見て損はないと思います。暑い夏にスカッとしたアクション映画をぜひ見てストレス解消してください!
製作年度 2006年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 126分
監督 J・J・エイブラムス 
製作総指揮 ストラットン・レオポルド 
原作 ブルース・ゲラー 
脚本 J・J・エイブラムス 、アレックス・カーツマン 、ロベルト・オーチー 
音楽 マイケル・ジアッキノ 
出演 トム・クルーズ 、フィリップ・シーモア・ホフマン 、ヴィング・レイムス 、マギー・Q 、ジョナサン・リス=マイヤーズ  、ローレンス・フィッシュバーン

| | コメント (0) | トラックバック (8)

« 2006年7月2日 - 2006年7月8日 | トップページ | 2006年7月16日 - 2006年7月22日 »