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2006年4月9日 - 2006年4月15日

『ファントム・オブ・パラダイス』この映画を見て!

第66回『ファントム・オブパラダイス』
ファントム・オブ・パラダイス

 今回紹介する映画は『オペラ座の怪人』をモチーフに制作されたロックミュージカルホラー映画『ファントム・オブ・パラダイス』です。この映画は30年以上前の作品ですが、未だに根強い人気を誇っています。
 私はこの映画のタイトルだけは以前から知っていたのですが、つい最近1000円でDVDが発売さていれたので、どんな作品かと購入して鑑賞しました。見終わった後の感想ですが、非常にぶっ飛んだ映画だなあという印象を受けました。この映画に熱狂的なファンがいるのもうなずける内容と雰囲気を持っています。70年代の映画ですが今見ても、とても斬新で面白い作品です。私は異様な雰囲気を持った映像と切なく残酷なストーリー、そして耳に残るロックミュージックに圧倒されました。
 ストーリー:「ソングライターのリーチは「ファウスト」をモチーフにした組曲“ポップ・カンタータ”を、ロックミュージックのプロデューサーであるスワンに盗まれてしまう。リーチはスワンの手により無実の罪で刑務所に送り込まれていたが、復讐をするために脱走する。しかし、レコードのプレス機に頭を挟まれてしまい、リーチはマスクをした怪人となってしまう。そして、彼はスワンの夢の音楽宮殿パラダイス劇場を徘徊するようになる。そこで彼は以前スワンの屋敷であった無名のシンガー・フェニックスに出会い、恋をする。彼は彼女のために歌を作り提供しようと、スワンと契約を交わす。しかし、リーチはまともスワンにだまされ、悲劇が訪れる。
 この映画のストーリーはどこまでも残酷で救いようがなく、どこまでも切なく悲しいです。音楽業界のどろどろした内幕を描きながら、主人公の一途な愛の悲劇を描きます。ラストは救いようのない結末でありますが、主人公の報われない愛に切なさで胸がいっぱいになります。
 また出てくるキャラクターがとても強烈です。主人公のリーチは言うに及ばず、音楽プロデューサー・スワンの映画版ルパン三世「ルパンvs複製人間」のマモーのような見た目(きっとルパンがこの映画を見てパロッたのでしょうが・・)、、おかまのロックシンガー・ビーフとまともではない人たちが次から次へと出てきます。
 映像も凝ったカメラワークで有名なブライアン・デ・パルマらしく、印象に残るカメラワークがこの映画でも随所に見られます。特に分割画面はデパルマらしい映像表現でした。またヒッチコックを敬愛するデパルマだけに、途中でヒッチコックの『サイコ』のパロディーシーンも出てきます。また編集もテンポがよく、話しがスピーディーに進み、無駄なシーンが一切ありません。
 音楽も印象に残るナンバーが多いのですが、エンディングの曲が特に最高です!このような歌詞の歌で締めくくるなんて、そのセンスのよさに脱帽です。この歌で映画が引き締まっています。ちなみに音楽はこの映画でスワンを演じたポール・ウィリアムスが担当しています。クレイジーでパンクな曲からバラード調の曲まで、彼の音楽がこの映画の大きな魅力となっています。私はよく知らなかったのですが、彼はカーペンターの曲などを手がけ、70年代を代表する作曲家だそうです。
 この映画は『オペラ座の怪人』が好きな人、ミュージカル映画が好きな人は見て損はしないと思います。ぜひご覧になって、主人公の悲劇の恋に涙を流してください。 

製作年度 1974年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 94分
監督 ブライアン・デ・パルマ 
脚本 ブライアン・デ・パルマ 
音楽 ジョージ・アリソン・ティプトン 、ポール・ウィリアムズ 
出演 ポール・ウィリアムズ 、ウィリアム・フィンレイ 、ジェシカ・ハーパー 、ジョージ・メモリー 、ゲリット・グレアム 

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『生きがいの創造 -生きていく明日からも-』街を捨て書を読もう!

『生きがいの本質-生きていく明日からも』 著:飯田文彦 PHP文庫

Photo_1 この本は職場の先輩から紹介された本なのですが、とても素晴らしい本でした。
 皆さんは「生まれ変わり」を信じますか?もし私たちが絶えず生まれ変わってこの世界にやって来ているとしたら、私たちがこの世界で生きていく意味とは何でしょうか?この本は生まれ変わりや死後の世界に関して科学的に解説された本です。
 生まれ変わりや死後の世界というとどこかの宗教の勧誘本だったり、胡散臭いオカルト本だと怪しむ方も多いと思います。しかし、この本はどの宗教からも公平中立に、客観的な立場で書かれています。欧米では大学で科学者たちがあの世とこの世の関係、死後の生命など、生死の世界に関わる研究を活発にしているようです。この本では科学者たちの研究成果や、実例を紹介する中で、私たちが生きることの意味を教えてくれます。
 この本では、この世界に生まれてくることは、己の魂を磨くことだと解説します。私たちは皆、永遠普遍の魂であり、その魂を成長させるため、絶えずこの世界に肉体を持って生まれてくるそうです。この世界は魂を磨くための道場だそうです。そして一度だけでなく何度も生まれ変わり、肉体を入れ替えながら、さまざまな立場で経験を積む中で、魂を向上させていく存在だそうです。 私たちがこの世に生まれてくることには必ず意味があり、この世界で体験する全ての出来事・出会いには価値があるそうです。
 私はこの本を読んで、自分の生き方が大きく変わりました。どんな人生であろうとも、価値や意味の無い人生などなく、みんなそれぞれ与えられた課題をこなすために生まれてきている。著者のメッセージは私に生きる謙虚さと生きる力を与えてくれました。
 もし、今生きることで悩んでいる人がいたら、ぜひこの本を読んで欲しいです!

第1章 過去生の記憶
第2章 「生まれ変わり」のしくみ
第3章 愛する故人とのコミュニケーション
第4章 「永遠の生命」を科学する意味
第5章 「生まれ変わり」の生きがい論

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夜会VOL.10『海嘯』

夜会VOL.10『海嘯』

Yakai_10  今年は中島みゆきのライフワークである夜会の14回目『24時発00時発』が東京と大阪で公演されています。私も東京での公演を見てきたのですが、とても素晴らしい作品でした。
 夜会はどの作品もとても完成度が高く、お奨めなのですが、今回は桜が満開のこの時期にぴったりの夜会『海嘯』を紹介します。
 この作品は1998年に渋谷シアターコクーンで公演されました。10作目ということもあり、ひとつの区切りとなる集大成の作品として制作されました。この作品まで夜会は毎年冬にシアターコクーンで定期的に公演されていましたが、この作品後は不定期で公演場所を変えながら制作されることになりました。
 ストーリー:「ハワイで有名な日本料理レストラン「みなかみ」。店のオーナー水上繭は養父から店を引き継ぎ、事業を拡大させて成功を収めていた。しかし、水上繭は店のことより復讐のことで頭がいっぱいだった。繭は水上家に小さいときに養女として迎え入れられたが、実の両親がなぜ自分を手放したのか知らなかった。そんなある日、日本から一本の電話がかかってくる。相手は大沢造園の社長と名乗る男からであり、繭の両親にお世話になっていたとのことだった。彼は
繭の実の両親が山科屋という旅館を日本で経営していたことや、川口という男が繭の父親を事故に見せかけて殺し、旅館を乗っ取ったことなどを教える。実の両親の悲しい過去を知った繭は川口に復讐するために綿密な計画を立て実行しようとしていた。しかし、彼女は飛行機に乗っている途中に病に倒れ、結核療養所に送り込まれることになる。結核療養所は人生にあきらめた人たちが集い、時間の止まったような場所だった。繭は何とか復讐を果たそうと、療養所から脱走しようと試みるが・・・。
 この作品は療養所に行くまでの前半と療養所での様々な人間模様の後半と2部構成の作品となっています。前半は主人公・繭の復讐に燃える心情を中心に話しが進んでいくのですが、後半は繭の復讐だけでなく結核療養所にいる患者や医師などの哀しいドラマが展開していきます。結核ということで好きな人と別れさせられた女性、日本人に妻と子どもを殺された中国人医師などのドラマは主人公の復讐劇よりも胸に響くものがあります。
 歌も全てこの夜会のための書き下ろしですが、完成度の高い楽曲です。また中島みゆきの歌い方も素晴らしく、時に繊細に時に迫力のある声で、一つ一つの言葉に魂を込めて歌っています。特にラスト30分の歌い方は圧巻の一言です。クライマックスのシーンで歌われる『紫の桜』は舞台一面に降り積もる大量の桜の花びらの美しさと、中島みゆきの魂の叫びともいえるような迫力に満ちた歌い方に鳥肌が立つと思います。
  この作品は人間の宿業や因果応報、そして輪廻転生など仏教の思想が根底に流れており、人間がどう自らが抱える呪縛を解き放ち、生まれ変わり、新たなる自分を生きていくかが大きなテーマとなっています。
海嘯
  なお、『海嘯』は長編詩としても発表されています。舞台やDVDを見ただけでは分かりにくかった部分が、とても分かりやい詩として表現されています。主人公の生い立ちや心情が丁寧に表現されていますし、あのシーンや歌に込められた意味が明確にされており、『海嘯』を見た人にとっては必見の本です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4877283404/503-7536074-4044727
 限られた時間の中を生きる人間。限られた中で、何とか自分の夢や思いを叶えようと懸命に生きる人間たち。ある時は叶い、ある時は叶わないまま終わる人生。人生は思い通りにいかないもの。この作品は思い通りにいかず、傷つき、哀しみながらもまだ見ぬ未来に進んでいこうとする人たちに対するエールが込められた素晴らしい作品です。

会場:Bunkamuraシアターコクーン
1998.11.23~12.25
全25回公演

1.故国(インスト)
2.夢を叶えて
3.夢の代わりに
4.I am
5.故国
6.I am
7.カレンダー
8.知人・友人・愛人・家人
9.空しき人へ
10.夢の代わりに
11.二隻の舟
12.難破船
13.愛から遠く離れて
14.グッド・モーニング,Ms.ヤマシタ
15.献灯
16.白菊
17.明日なき我等
18.時効
19.フロンティア
20.夢の代わりに(インスト)
21.紫の桜
22.叶わぬ夢
23.フロンティア

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『ラブ・アクチュアリー』この映画を見て!

第65回『ラブ・アクチュアリー』
ラブ・アクチュアリー

 今回紹介する映画は私が大好きな恋愛映画です。私はおとぎ話のような甘い恋愛映画は昔から苦手なのですが、この映画には見事にやられました。恋すること、人を愛することのすばらしさと同時にその苦しみや葛藤も丁寧に描いており、主人公たちにとても共感できる映画でした。
 この映画は年齢も職業もおかれている環境も違う19人の登場人物たちの様々な恋愛模様が描かれいます。英国首相から小学生まで、19人の登場人物1人1人が抱える恋や愛に対する悩みを、時にコミカルに時にウェットに描いていきます。いろいろな状況での恋愛が次々と展開していくので、見ていて飽きることがありません。また19人の登場人物たちが意外なところでつながっていたりして、ストーリーが進むにつれて、その関係性が分かっていく所も面白かったです。成就する恋もあれば、上手くいかない恋もあり、恋愛の甘酸っぱさやほろ苦さが堪能できる映画です。
 私がこの映画で特に印象的だったエピソードは、親友の婚約者にほれてしまった画家の話しと、精神障害の弟を持つがゆえに好きな男との恋愛が上手くいかない女性の話しの二つです。どちらも見ていて、とても切なくなる話しで、思い通りにいかない人生のもどかしさが伝わってきました。また秘書に一目ぼれする英国首相の話しや言葉の通じないポルトガルの女性を好きになる小説家の話などはとてもロマンティックなストーリーで、見ていて楽しく幸せになれる話しでした。
 またイギリスの恋愛映画らしく、洒落や皮肉も効いています。特にアメリカを皮肉っているようなシーンが時折見られ、英国首相とアメリカ大統領との話しは見ていて笑いがこみ上げてきました。またこの映画はオープニングのナレーションから911のテロを意識しているところが感じられます。アメリカがテロに対する憎悪や不安から報復を叫ぶ中、この映画はそういう時代だからこそ、あえて愛や恋の素晴らしさを謳いあげます。
 この映画は役者たちがとても豪華です。『ブリジット・ジョーンズの日記』のヒュー・グラントとコリン・ファースを筆頭に、『シンドラーのリスト』のリーアム・ニーソン 、『ハワーズ・エンド』のエマ・トンプソン 、『ハリーポッター』のアラン・リックマン 、ビリー・ボブ・ソーントン、キーラ・ナイトレイ、ローラ・リニー、ローワン・アトキンスンと今が旬の名役者揃いです。彼らの演技のアンサンブルを見るだけで、一見の価値があります。
 また挿入される音楽がとても映画の雰囲気にあっていて印象的です。ノラ・ジョーンズからガブリエル、クレイグ・アームストロングにビートルズの「ALL YOU NEED IS LOVE」と感傷的でロマンティックな雰囲気に浸れる曲ぞろいです。この映画を見るときっとサントラが欲しくなると思います。
 この映画を見ると人生において誰かに恋することや誰かを愛することっていいなあと素直に思えます。恋愛は苦しいこともありますが、生きる原動力にもなることが実感できる映画です。恋人がいる人もいない人もぜひ一度見てみてください。幸せで胸がいっぱいになると思います。

製作年度 2003年
製作国・地域 イギリス/アメリカ
上映時間 135分
監督 リチャード・カーティス 
製作総指揮 モハメド・アル=ファイド 、リチャード・カーティス 
脚本 リチャード・カーティス 
音楽 クレイグ・アームストロング 
出演 ヒュー・グラント 、リーアム・ニーソン 、エマ・トンプソン 、アラン・リックマン 、コリン・ファース ビリー・ボブ・ソーントン、キーラ・ナイトレイ、ローラ・リニー、ローワン・アトキンスン

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