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2006年3月19日 - 2006年3月25日

『進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線』街を捨て書を読もう!

『進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線』 著:池谷裕二 朝日出版社
進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線 近年、世間では脳が注目を浴び、脳関連の本がたくさん出版されています。そんな中、今回紹介する本『進化しすぎた脳』は脳のメカニズムに関してとても分かりやすく解説されており、脳について学びたい初学者の方にうってつけの入門書となっています。
 私は昔から心とは何だろう、感情とは何だろうとずっと考えていました。なぜ私はものを考えることができるのか、どこから感情が生まれてくるのかとても不思議でした。また私が見ている世界と他者が見ている世界は本当に同じなのだろうか?、私は現実の世界をありのままに見ているのだろうかと疑問に思っていたことがありました。
 また私は小さいときからSF小説や映画が大好きだったので、ロボットやコンピュターが心を持つことは可能なのか、またもしそれらが心を持った場合に人間と非人間との境界線はどこにあるのだろうということをよく考えたものでした。
 今回紹介する本は私が小さいときから考えていたことに関して、大脳生理学の立場から
なるほどと思える解説がされており、興味深く読むことができました。私たちの脳が如何に緻密なメカニズムででありながら、柔軟性を持っているか、この本を読むとよく分かります。 また大脳のメカニズムはけっこう曖昧でいい加減なところがあることや、人間は思っている以上に無意識に支配されおり、身体と脳が如何に密接な関連を持っていることが説明される箇所は、脳に関する自分が持っているイメージが大きく変わりました。
 この本は大脳や心に興味のある初心者の方に是非読んで欲しい本です。

*内容
第1章 人間は脳の力を使いこなせていない(講義をはじめる前に
みんなの脳に対するイメージを知りたい ほか)
第2章 人間は脳の解釈から逃れられない(「心」とはなんだろう?
意識と無意識の境目にあるのは? ほか)
第3章 人間はあいまいな記憶しかもてない(「あいまい」な記憶が役に立つ!?
なかなか覚えられない脳 ほか)
第4章 人間は進化のプロセスを進化させる(神経細胞の結びつきを決めるプログラム
ウサギのように跳ねるネズミ ほか)

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『未知との遭遇』この映画を見て!

第63回『未知との遭遇』
見所:「ラスト30分の地球外生命体との音楽を使ったコンタクトシーン!」
未知との遭遇【ファイナル・カット版】

 今回紹介する映画は私が特にお気に入りのSF映画『未知との遭遇』です。監督は数々のヒット作、話題作を手がけたハリウッドの巨匠スティーブン・スピルバーグ。ここ最近も政治サスペンス映画『ミュンヘン』がハリウッドで一大論争を巻き起こしましたのは記憶に新しいところです。
 『未知との遭遇』は彼の初期の代表作であり、彼の監督した映画でもベスト5に入る映画です。この映画は『ジョーズ』の大ヒットを受けて、彼が少年時代から暖めていた企画を基に制作された作品です。この映画では脚本も自分で手がけており、彼の思いや世界観がとても詰まった作品です。
 ストーリー:「ある日、ラコーム博士率いる調査団がメキシコの砂漠で第二次大戦時の戦闘機を発見する。それは、消失当時と変わらぬ姿で残っていた。一方アメリカのインディアナ州では、町一で停電が起こる。その原因を調べていた電気技師ロイがUFOのような光と遭遇。以来、彼はこの不思議な光にすっかり魅了され、その正体を探っていく。また彼は形の変わった枕を眺めたり、マッシュポテトをこねくり回して山を作ったり、家の中に巨大な山の模型を作るなど奇怪な行動を取るようになる。自分の頭の中に浮かんで離れない山のイメージに悩むロイ。しかし彼はある日それがワイオミング州のデビルズ・タワーという山だと気付く。彼はデビルズ・タワーに何があるのか確かめる為に一人向かう。その頃ラコームの調査団もUFOからのメッセージを受信して、UFOとのコンタクトの準備を始めていた。」
 私がこの映画を初めて見たのは小学生の時ですが、映像の美しさとスケールの大きな話しに興奮を覚えています。特にラスト30分の地球外知的生命体との音楽を使ったコンタクトシーンは目映いばかりの光溢れる映像と美しい音に圧倒されっぱなしでした。UFOのデザインも一般的に知られている円盤形UFOのデザインと違い、溢れんばかりに光輝くUFOの神秘的な美しさにとても惹かれました。また『エイリアン』などと違い、人間に友好的な地球外知的生命体と人間との遭遇というストーリーも斬新であり、とても感動しました。
 私は小さいときから宇宙人やUFOにとても興味があり、テレビでよく放映されていた矢追純一のUFO特集を食い入るように見たものでした。UFOや宇宙人は実在すると信じていた(今も信じている)私にとって『未知との遭遇』で描かれる世界は興味深く、単なるフィクションの世界とは思えない現実味を感じました。この映画を小さいときに見た後、よく夜に外を出て星が輝く空を見上げていたのを覚えています。
 この映画はもう30年近い前の作品であるにも関わらず、今見ても充分楽しめる作品です。CGもまだなかった時代にこれだけの映像表現が出来ているのは驚きですし、ジョン・ウイリアムスの五音階を用いた音楽もとても美しく印象的です。またストーリーも、前半は多くの不思議な現象が描かれ、一体何が起ころうとしているのか、謎と緊張感に満ちたストーリーが展開されていきます。しかし後半になるにつれて、話しが一つにまとまっていき、緊張感は薄らぎ、美しさと神秘さに感動するストーリーへとなっていきます。ストーリーは途中の展開の仕方が荒削りで強引なところもありますが、スピルバーグの宇宙に対する憧れや畏怖の思いがとても詰まった脚本でもあります。特に主人公であるロイとラコーム博士はスピルバーグの分身といってもいいキャラクターだと思います。またスピルバーグの演出も巧みであり、前半はサスペンスタッチの演出で見る者をハラハラドキドキさせます。そして、後半は壮大で幻想的な美しさに満ちた映像と音楽の一大スペクタクルで観客を圧倒させます。
 この映画は宇宙への夢とロマンに溢れています。この映画を見るときっと夜空を見上げたくなると思います。是非見てみてください!
 なおこの映画は3つのバージョンが存在します。まず初回劇場公開版。次に80年にUFO内の映像を追加して、ロイがおかしくなっていく様子を一部カットした特別編。特別編ではラストに映画『ピノキオ』の主題歌「星に願いを」が流れます。そして特別編のUFO内部の映像をカットして、ロイがおかしくなっていく様子を復活させ、さらに追加シーンを加えたファイナルカット版。私はこの3つのバージョン全て見たのですが、ファイナルカット版が一番お奨めです。特別編のUFO内部の映像は映画の神秘性を薄めてしまい、私はいまいちでした。 

製作年度 1977年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 135分 (特別編:133分、ファイナルカット版137分)
監督 スティーヴン・スピルバーグ 
脚本 スティーヴン・スピルバーグ 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 リチャード・ドレイファス 、フランソワ・トリュフォー 、テリー・ガー 、メリンダ・ディロン 、ボブ・バラバン

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『グリーン・デスティニー』この映画を見て!

第62回『グリーン・デスティニー』
見所:「過激で美しいワイヤーアクションと中国の美しい風景を捉えた映像美、そして静謐なラブストーリー!」
グリーン・デスティニー コレクターズ・エディション 今回紹介する映画は今年度アカデミー賞監督賞を受賞したアン・リー監督の名を一躍有名にした作品『グリーン・デスティニー』です。この映画は全4巻の武侠小説「臥虎藏龍」を基に制作された映画です。「武侠小説」とは、中国に語り継がれる不思議な能力をもつ英雄伝説について書かれた小説です。原題の「臥虎藏龍」は中国の古い格言で、場所が見かけ通りでないことを意味しており、人間には誰しも見た目では分からない隠れた一面があることを指しています。
 この映画は公開当時、重力を無視して、屋根の上をぴょんぴょんと飛び回り、壁を駆け上がり、宙を舞い、水の上を滑るように渡っていく

ワイヤーアクションが大変話題になりました。そんなアクションシーンを担当したのが『マトリックス』のアクション監督でもあるユエン・ウーピン。彼は今までたくさんのワイヤーアクション・アクロバティックアクションを監督してきたのですが、この映画はその集大成となっています。まるでダンスを見ているかのような流麗さと静謐でありながら力強さが感じられるアクションシーンはこの映画最大の見所です。
 またアクションシーン以外も見所は多く、特にアカデミー賞で撮影賞・作曲賞を受賞した映像と音楽は静謐であり、とても美しく、この映画に詩情を与えています。映像では竹林でのアクションシーンが特に静と動のコントラストが美しく印象的です。また音楽もヨーヨー・マの哀愁を帯びたチェロの音色は聞いていてもの悲しさを感じると同時に心が落ち着きます。
 ストーリーはとてもシンプルなものです。名剣グリーン・デスティニーを巡って、男女が武術を競うという話しです。その中に許されない恋の話しなどが盛り込まれます。特にストーリーで印象的なのは主人公のリ-・ム-バイと女弟子
ユー・シュ-リンのプラトニックなラブストーリーはです。師匠と弟子という関係から、お互いの思いを告白することもできず、結婚することも出来ない2人の姿は見ていてとても切ないです。
 この映画は女性がとても勇敢で魅力的です。まだまだ社会の中で女性の地位が低い時代、習慣やしがらみなど色々なものに抑圧され、束縛されてきた女性たち。そんな女性たちがさまざまな思いを内に秘めて闘うシーンはとても印象的でした。
 映画のラストはとてもファンタジックで美しいです。しかし、私はその意味がもう一つ分かりませんでした・・・。
 役者たちの演技も素晴らしいです。特にチョウ・ユンファ 、ミシェル・ヨーの抑制された演技は逆に内面の葛藤や思いが伝わってきました。またチャン・ツィイーも可憐でありながら、激しい感情をもった女性を見事に演じていました。
 この映画以降、『英雄~HERO~』『PROMISE』などワイヤーアクションを使った中国歴史映画が作られましたが、『グリーン・デスティニー』が一番完成度が高いと思います。この映画はとても静かな雰囲気でありながら、とてもドラマティックな話しです。アクションシーンもとても美しく、キレがあります。ぜひ、一度見てみてください!

制作年度 2000年
製作国・地域 アメリカ/中国
上映時間 120分
監督 アン・リー 
製作総指揮 ジェームズ・シェイマス 、デヴィッド・リンド 
原作 ワン・ドウルー 
脚本 ワン・ホエリン 、ジェームズ・シェイマス 、ツァイ・クォジュン 
音楽 タン・ドゥン 、ヨーヨー・マ 
出演 チョウ・ユンファ 、ミシェル・ヨー 、チャン・ツィイー 、チャン・チェン 、チェン・ペイペイ

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『ブレード・ランナー~ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス』

お気に入りのCD.NO7 『ブレード・ランナー~ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス』 vangelis

 昨日、テレビで日本版『南極物語』が放映されていましたが、音楽がとても印象的でした。シンセサイザーによる透明感と躍動感あふれる音楽は南極の映像にとてもはまっていました。
 音楽を担当したのはギリシャの音楽家ヴァンゲリス。彼はシンセサイザーを巧みに操り、美と躍動感に溢れる音楽を70年代から数々発表してきました。また彼は映画のサントラも手がけており、『炎のランナー』や『ブレードランナー』での音楽はとても高い評価を受け、ファンも多いです。
 私が彼の音楽を知ったのは『ブレードランナー』を見たときでした。荒廃した近未来映像にとてもマッチした彼のシンセサウンドはとても印象に残るものでした。特にエンドタイトルに流れる曲はとても格好良くて、何度も聞いたものでした。
 また『炎のランナー』を見たときも、音楽がとても美しく印象的で、サントラを即購入したものでした。この映画はオリンピックを目指す短距離走者たちのドラマなのですが、ヴァンゲリンスの崇高で美しく生命力に溢れた音楽はドラマをとても効果的に盛り上げていました。この映画はアカデミー賞でも作品賞を獲ったのですが、音楽の力がとても大きかったと思います。
 彼の音楽の魅力は透明感溢れるシンセサウンドと躍動感に溢れたリズム、そして美しいメロディーにあります。彼の曲を聴くと、リラックスできると同時に、自分の心やイメージが広がっていくような感覚になります。
 今回紹介するCDはそんな彼の魅力が存分に味わえます。映画のサントラとして使われた曲から彼の代表作と言われるものまで、バランスよく集められています。彼に興味を持った人は是非このCDを買ってみてください。絶対損しないと思います。

1.ブレードランナー(エンド・テーマ)
2.ミッシング(メイン・テーマ)
3.子供
4.讃歌
5.チャイナ
6.タオ・オブ・ラヴ
7.南極物語
8.ブレードランナー(ラヴ・テーマ)
9.ミュティニィ・オン・バウンティ(オープニング・テーマ)
10.ミュティニィ・オン・バウンティ(クロージング・テーマ)
11.メモリーズ・オブ・グリーン
12.海辺の少女
13.五輪
14.炎のランナー

 

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