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『ファイトクラブ』この映画を見て!

第126回『ファイトクラブ』
「ファイトしたことなくて、どれだけ自分の事が分かるっていうんだ?」
Figtclub  今回紹介する映画は暴力と狂気に満ちた世界をスタイリッシュに描いた『ファイトクラブ』です。この映画は公開当時、過激な暴力シーンやメッセージ性、そして予想外のストーリー展開が大変話題になりました。監督は『セブン』や『ゲーム』など独特な映像センスと人間のダークサイドを描くことで定評のデビットフィンチャーが担当。今回もダークでスタイリッシュな映像を創り出しています。また主役にはハリウッドきっての有名スターであるブラッド・ピットと実力俳優として評価の高いエドワード・ノートンを起用。ブラット・ピットのそれまでのイメージを覆すような演技は大変話題を呼びました。またエドワード・ノートンの演技は現代の脆弱な男を見事に表現しており素晴らしいの一言です。
 私は劇場公開当時にこの映画を見たのですが、映像センスの素晴らしさはさることながら、消費文明と物質主義によって心と体を抑圧された現代人を皮肉り、嘲り、覚醒させる内容に私の心は激しく揺さぶられました。
 物質的に充たされた生活を送っても、心が充たされないまま生きている主人公のナレーター。物質に囲まれた空虚な現実によってリアルな生を奪われた主人公がファイトクラブでの男同士が殴り合う中で見つける痛みを伴ったリアルな生の手応え。しかしリアルさを求めれば求めるほど、またリアルさから遠ざかり、狂気と妄想の世界に陥っていくという皮肉。映画の後半にファイトクラブのメンバーたちが過激なテロ行為に走り始めるのは、せっかく暴力を通して個としての生のリアルさを体感した男たちが、再び組織化される中で個を埋没させてしまうアイロニーを見事に描いています。この映画は前半は消費文明と物質主義を皮肉り、後半はそういう現代社会から解放されたいと願う人たちの脆弱さを皮肉る構成の作品となっています。
 また監督はこの映画を「去勢と狂気に関する考察」と語っています。現代を生きる男性が去勢されるまでの姿を描いています。経済的発展と共に多様化複雑化した社会の中でどう生きていったらいいか分からない男たち。女性の社会的進出は男性が今まで持っていた役割を奪われ、会社では組織の歯車として働くことばかりに追われる男たち。そんな男たちが自らの存在を確認するために暴力という名の去勢を行っていく。この映画は男たちの自分探しを描いた作品とも言えます。
 映画の後半は予想外のどんでん返しがあり、初めて見たときはそんなオチだったとは思わず大変衝撃を受けました。映画の前半をよく見てみると、きちんと後半への伏線が貼られています。この映画は1回目見たときと2回目以降見るときでは印象がだいぶ変わると思います。
 あと映画のラストシーン、公開当時は大変衝撃を受け、カタルシスも感じました。しかしこの映画公開から2年後にあのラストシーンが現実になるとは見ていたときは予想もしませんでした。
  この映画は消費社会の中で果てしなく欲望を刺激され続けストレスがたまった現代人の閉塞した状況を一時的に解放させてくれます。ぜひ生き方に迷っている男性はこの映画を見て、自分を解放し、去勢してください。

製作年度 1999年 
製作国・地域 アメリカ
上映時間 139分
監督 デヴィッド・フィンチャー 
原作 チャック・パラニューク 
脚本 ジム・ウールス 
音楽 ザ・ダスト・ブラザーズ 
出演 エドワード・ノートン 、ブラッド・ピット 、ヘレナ・ボナム=カーター 、ミート・ローフ・アディ 、ジャレッド・レトー 、ザック・グルニエ 、ピーター・イアカンジェロ 、デヴィッド・アンドリュース 、リッチモンド・アークエット 、アイオン・ベイリー 

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» ファイトクラブ [ミュージックファクトリーの音楽・映画情報]
こんにちわ,maiです. 今日は,こちらの映画をご紹介したいと思います↓ タイトル:ファイト・クラブ 主演:ブラッド・ピット 出演:エドワード・ノートン 監督:デビット・フィンチャー この映画のお話は,エドワードノートンが演じる仕事でつかれきったエリ... [続きを読む]

受信: 2006年11月16日 (木) 12時17分

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