『キャプテンスーパーマケット 死霊のはらわた3』この映画を見て!
第127回『キャプテンスーパーマケット 死霊のはらわた3』
今回紹介する作品は80年代を代表するスプラッターホラー『死霊のはらわた』シリーズの完結編『キャプテンスーパーマケット』です。
『死霊のはらわた』の1作目は低予算映画でしたが、過激なスプラッターシーンが大変話題となりました。2作目は1作目をグレード・アップさせたセルフリメイクの作品となっており、1作目とは打って変わってコメディータッチの作風になりました。そして、3作目である『キャプテンスーパーマケット』は前作の続きでありながら、今までの作品とは全く違うコメディーファンタジー映画になっています。
その為、今までの作品にあった過激なスプラッター描写を求める人には物足りないかもしれません。しかし、そういう映画が苦手な人に取っては気楽に見られる作品となっており、誰が見ても楽しめる?映画となっています。
この作品は前作のラストで中世にタイムスリップした主人公アッシュのその後の死闘を描いています。しかし、前作とのつながりはあるようでないような作品であり、この映画だけ見ても充分楽しめる作品となっています。
監督は今や『スパイダーマン』シリーズでハリウッドのヒットメーカーの仲間入りをしたサム・ライミが担当しています。最近のサム・ライミは誰が見ても安心して楽しめる作品ばから監督していますが、80年代はマニアックでお馬鹿なB級映画を数々監督していました。この作品はそんな80年代のサム・ライミの総決算とも言える仕上がりになっています。
ストーリー:「スーパーマーケットで働くアッシュは休日に恋人を連れて山小屋に行く。しかし、そこで『死者の書』を拾い、死霊たちを復活させてしまう。恋人がゾンビ化するものの、死霊たちを撃退するアッシュ。しかし異次元空間に吸い込まれて、中世の時代にタイムスリップしてしまう。(ここまでが前作のあらすじ)
中世にタイムスリップしたアッシュはアーサー王に敵と勘違いされて捕らえらる。アッシュはアーサー王に死霊の徘徊する井戸に落とされてしまうが、怪物たちを倒して実力で脱出を果たす。その後、アッシュはアーサー王に『死者の書』を探して欲しいと依頼される。アッシュも現代へ戻るために『死者の書』が必要だったので、アーサー王と協力して死霊の森へと向かう。途中で死霊と激しい戦いを繰り広げながら、何とか『死者の書』を手に入れるアッシュ。しかし、呪文を間違えてしまい、大量の死霊たちを復活させてしまう。アーサー王と手を組んだアッシュは、死霊軍団との決戦に挑む。」
この作品は下らないけどとても面白い作品です。ストーリーは荒唐無稽でバカバカしいですし、特撮もとてもチープです。主人公アッシュもヘタレで自己中心的で情けないキャラクターで感情移入しにくいです。しかし、この映画は最後まで見る者を惹きつけるだけの力があります。
この映画の大きな見所は2つあり、1つ目は中盤のアッシュ=ブルース・キャンベルのワンマンショー、2つ目は後半の城での死霊軍団vs人間の激しい攻防戦です。
1つ目の見所である中盤のシーンはブルース・キャンベルの一人芝居が堪能できます。
アッシュvs小人アッシュ軍団、アッシュvs分裂したアッシュの戦いはもはやギャグとしか言いようがなく、笑いなくして見られません。
また2つ目の見所である後半の城での攻防戦は、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの城の攻防戦を彷彿させるような仕上がりとなっています。(もちろん、スケールや完成度はあちらの方が数倍上ですが・・・。) ストップモーション撮影によるガイコツ兵士たちの動きはぎこちないものの、レイ・ハリーハウゼンの特撮映画を彷彿させます。
映画のラストは劇場版とサム・ライミ監督のオリジナル・バージョンと2種類あるのですが、劇場版はハッピーエンドで、監督版はアンハッピーエンドです。個人的にはどちらもそれぞれ捨てがたいものがあります。現在発売されているDVDでは両方のヴァージョンを見ることが出来ます。
この映画は頭を空っぽにして、何も考えずに見れば、楽しい一時を過ごすことができます。
製作年度 1993年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 89分
監督 サム・ライミ
脚本 サム・ライミ 、アイヴァン・ライミ
音楽 ジョセフ・ロドゥカ
出演 ブルース・キャンベル 、エンベス・デイヴィッツ 、マーカス・ギルバート 、イアン・アバークロンビー 、リチャード・グローヴ 、ブリジット・フォンダ 、パトリシア・トールマン 、テッド・ライミ
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コメント
コメントありがとうございました。死霊のはらわたのカメラワークは最高ですよね。この作品を撮ったサム・ライミが今やハリウッドのヒットメーカーとは昔は考えもしなかったです。
投稿: アシタカ | 2006年11月27日 (月) 22時16分
トラバありがとうございました。
これ買いました。
死霊のはらわたはカメラワークと脚本が大好きで、
シリーズ全部そろえてます。
タイムスリップとホラーを合わせた漫画チックな映画ですよね。
投稿: eigahujin | 2006年11月27日 (月) 05時05分