『感動をつくれますか?』街を捨て書を読もう!
『感動をつくれますか?』 著:久石譲 角川ONEテーマ21
今回紹介する本は宮崎駿監督や北野武監督の映画音楽を手がけた日本一有名な映画音楽家・久石譲が自らの仕事の仕方や音楽に対する考え方を語った『感動をつくれますか?』です。
久石譲は若い頃はミニマルミュージックの作曲家として活躍し、『風の谷のナウシカ』で映画音楽家としてデビューしました。その後は数多くの映画音楽やCM曲を手がけ、日本を代表する作曲家になりました。
この本では久石さんの映画音楽家、作曲家としての仕事の仕方が明快に書かれています。著者はこの本の中で自分を自己満足の芸術家としてでなく、多くの人に楽しんでもらうことで生計を立てる街中の音楽家だと言います。そしてプロの音楽家として、どういう姿勢が必要かを説きます。
「優れたプロは継続して自分の表現をしていける人」
「気分の波に揺るがされないような環境作り」
「第一印象を大切にする」
「質より量で自分を広げる」
「95%の論理的思考と5%の感覚的ひらめきが大切である」
この本で書かれていることは作曲家としてだけでなく、他の業界の仕事においても大切な姿勢であり、誰が読んでも非常に参考になります。
また著者の映画音楽制作の裏話や映画音楽の魅力なども書かれており、映画音楽の解説書としても楽しめます。宮崎監督や北野監督の音楽への姿勢や中国・韓国の映画制作の裏話はとても映画好きにはとても面白かったです。
さらに後半はアジアを舞台に活躍する著者が感じた日本人の課題が述べられており、今日本人に必要な姿勢が提言されています。
この本はとても読みやすく、多くの人にとって参考になることが書かれています。久石譲を知っている人も知らない人も、ぜひ読んでみてください。
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