『Asian X.T.C.』
お気に入りのCD NO.16『Asian X.T.C.』 久石譲
今回紹介するCDは久石譲が美しく官能的でポップなASIAをテーマにしたソロ・アルバム『Asian X.T.C』です。
ここ最近の久石さんはオーケストラを使ったクラシカルな作品が多かったのですが、久しぶりに久石さんの原点とも言えるミニマルな作品に仕上がっています。また楽器の編成も久石作品に欠かせないピアノとストリングスに加えて、今回はサックスやマリンバ、アジアの民族楽器を多用し、色鮮やかで心地よい音色を生み出しています。
久石さんは今回のアルバムを作成するに当たって、自分の音楽の原点であるミニマルミュージックを意識したそうです。久石さんはメロディメーカーとして有名ですが、もともとミニマルミュージックの作曲家して活躍していました。80年代のソロアルバムは最近のクラシカルでメロディーの美しさが特徴的なアルバムと違い、シンセを多用した前衛的なミニマルミュージックのアルバムを発表していました。
ミニマルミュージックは音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽です。ミニマルミュージックは最初聴いていると退屈なのですが、次第に反復されるメロディに陶酔感を感じるようになります。
今回のアルバムは陽サイドと陰サイドと2部構成になっており、前半の6曲はメロディメーカーとしての久石さんの美しいメロディーが堪能できます。そして後半の4曲はミニマルミュージックの作曲家としての久石さんの才能が堪能できます。また全体的にアジアンテイストな雰囲気でまとまっており、聴いていて心落ち着くものがあります。
私の一番のお薦めは2曲目の 「Welcome to Dongmakgol 」です。この曲は韓国映画「トンマッコルへようこそ」のテーマ曲なのですがギターデュオのDEPAPEPEが参加しており、ギターの響きが郷愁を誘います。また3曲目の「Venuses」はカネボウ「いち髪」CM曲なのですが、子どものコーラスが印象的でした。
仕事から帰ってくつろぎたい時にお薦めのアルバムです。
*今回のアルバムに関する久石さんのコメントが下のサイトに掲載されています。http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/ghibli/cnt_interview_20060912.htm
・陽 side (Pop Side)
01. Asian X.T.C.
02. Welcome to Dongmakgol
( オリジナル・バージョン:韓国映画「トンマッコルへようこそ」主題曲)
03. Venuses (カネボウ「いち髪」CMソング)
04. The Post Modern Life
(オリジナル・バージョン:中国映画「叔母さんのポストモダン生活」主題曲)
05. A Chinese Tall Story
(オリジナル・バージョン:香港映画「A Chinese Tall Story」主題曲)
06. Zai-Jian
・陰 side (Minimal Side)
07. Asian Crisis (NHK「名曲の旅・世界遺産コンサート」書き下ろし曲)
08. Hurly-Burly
09. Monkey Forest
10. Dawn of Asia
Bonus Track
11. Woman ~Next Stage~ (レリアンCMソング)
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