『オールド・ボーイ』この映画を見て!
第115回『オールド・ボーイ』 今回紹介する映画は日本の同名漫画を原作に、『JSA』のパク・チャヌク監督が映画化したアクション・サスペンス映画『オールドボーイ』です。この映画は2004年カンヌ国際映画祭で審査委員長のタランティーノ監督も絶賛し、グランプリを受賞しました。この映画はハリウッドがリメイクも予定されています。
ストーリー:「1988年、平凡なサラリーマン、オ・デスは娘の誕生日プレゼントを買って帰る途中、突然何者かに誘拐され、ある部屋に監禁される。そして15年もの歳月を経て突然解放される。誰が何の目的で自分を監禁したのか真相を突き止め復讐すべく、すぐさま彼は行動に移す。途中、彼は寿司屋で出会った美しい恋人ミドと知り合い、彼女にも犯人捜しを協力してもらうが・・・。犯人はなぜ15年間監禁し、突然解放したのか、その恐るべき理由とは?」
私はこの映画を見たとき、最初はなぜ彼が監禁されたのかにばかり目がいき、なぜ犯人が15年間も彼を監禁していたのか気にしていなかったので、後半の予想外のどんでん返しに圧倒されました。まさかここまで用意周到に計画された復讐劇だとは・・・。映画の中盤までは監禁された主人公が犯人に復讐をする話しとばかり思っていたのに、まさか監禁後も犯人によって復讐されていたとは・・・。(正確言うと、監禁後が犯人の復讐の始まりだったとは)主人公を待ち受けるあまりにも残酷で悲劇的な結末に衝撃を受けてしまいました。それにしても口は災いの元ですね。
原作が漫画ということもあり、現実離れした設定や描写もあるのですが、監督の演出や役者の演技の圧倒的なパワーに圧されて、映画を見ている間は全く気になりません。ダイナミックでリアルなアクションシーン、見ている側にも痛みが伝わってくるバイオレンス描写、観客をほっと一息させるコミカルな描写、そしてまるでポルノ映画を見るようなエロティックなシーンと見ている間一瞬足りとも飽きさせません。
主人公のオ・デスを演じたチェ・ミンシクの演技は狂気迫るものがあります。生きた蛸を貪るように食べるシーンや金槌一本持って何人もの敵をなぎ倒していくシーン、そしてラストの犯人に懇願するシーンと彼の演技がこの映画の面白さを支えています。またユ・ジテも冷酷非道でありながら、どこか人間臭さも残る犯人を見事に演じています。
この映画はバイオレンス描写がとても激しく、目を覆いたくなるようなシーンがいくつかありますので、そういう描写が苦手な人は気をつけてください。この映画の結末はとても衝撃的で後味が悪いのですが、復讐することの虚しさや愚かさといったものを強く感じます。韓国映画のパワーを感じさせる傑作アクションサスペンス映画です。ぜひご覧ください!
製作年度 2003年
製作国・地域 韓国
上映時間 120分
監督 パク・チャヌク
原作 土屋ガロン 、嶺岸信明
脚本 -
音楽 -
出演 チェ・ミンシク 、ユ・ジテ 、カン・ヘジョン 、チ・デハン 、キム・ビョンオク
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コメント
こんばんわ。TB&コメントありがとうございました。チェ・ミンシクの演技は狂気迫るものがありましたね。KAIさんのブログまた覗きに行きますね。
投稿: アシタカ | 2006年10月 9日 (月) 22時00分
TBありがとう御座いました。
チェ・ミンシクは本当に素晴らしく迫力があり、見事な役者ですよね。
韓国でもっと映画作品の地位を高めたいと、貰い受けた賞を返してまで訴えを続けているそうです。
かっこいい。
劇中ではバイオレンスなシーンにもなんだか笑える瞬間も多々見られ、タランティーノ絶賛もうなづけます。
僭越ながら映画のネタばかり、気の向くままに綴った徒然日記をはリンクさせておきますので、お時間のあるときに覗いて見てくださいませ。
失礼しました。
投稿: kai | 2006年10月 5日 (木) 23時15分