夜会VOL.7『2/2』
夜会VOL.7『2/2』 中島みゆきのライフワークであるコンサートでも演劇でもない独特な舞台「夜会」。その中でも特に私が好きな作品「2/2」を今回は紹介したいと思います。
私はこの作品はDVDでしか見たことがないのですが、歌とストーリーが数ある夜会の中でも特に素晴らしく、何回も見ても心に響くものがあります。
ストーリー:「出版社に勤める莉花は仕事で知り合ったアートディレクターの恋人・圭と幸せに暮らしていた。しかし、彼女は自分が気づかないうちに自分を破滅に追い込もうとするもう一人の自分の存在、二重人格に気づく。別人格になった自分が圭に危害を加えることを恐れ、彼女は仕事も捨て、逃げるようにベトナムへと旅立つ。しかし彼女はちょっとしたミスから日本に帰られなくなってします。異国の地で暮らす彼女がたどった自分の知られざる過去。彼女の中にいるもう一人の存在はなぜ生まれたのか?そして二つに別れた魂の謎とは?」
夜会のストーリーは難解なものが多く、一度見ただけでは分からない作品が多いのですが、この作品は比較的分かりやすく、そしてとても感動できる仕上がりになっています。この作品は主人公の莉花がなぜ二重人格になったのかという謎の解明とと彼女が幸せをつかむまでの軌跡を追っています。ラスト20分で謎がいっきに明かされ、彼女が立ち直る場面は歌の素晴らしさも相まって、涙なしでは見れられません。
この作品のテーマはずばり生まれ変わることだと思います。自分の人生を縛り付けていたものからの解放と新たなる人生への旅立ち。この作品は人間は自分らしさを取り戻すために何度でも生まれ変われる存在であるということを見事な形で描いています。
この作品はストーリーの素晴らしさはもちろんのこと、歌がとても素晴らしいです。この作品は使用される歌全てが夜会のために新たに書き下ろされており、ストーリーと密接に関連したものとなっています。その為、歌詞を聞けば聞くほどストーリーの奥深さを感じることができます。特にこの作品は一曲一曲の完成度がとても高く、メロディー・歌詞共に一級品です。どの曲もこの夜会から抜き出して単体で聞いても十分心に響くだけの力を持っています。特にラスト20分の歌は歌詞の美しさと中島みゆきの力強くそれでいて優しい歌声に鳥肌が立つほどです。 この作品を基にした小説も中島みゆきが執筆しているのですが、こちらも素晴らしい仕上がりとなっており、舞台では分かりにくかった場面も詳しく書かれているので、ぜひ舞台を見た人はこの小説も読んでみて欲しいです。
「2/2」は誰が見ても感動できるだけの力を持った作品です。ぜひ多くの人に見てもらいたいです。
会場:Bunkamuraシアターコクーン
1995.11.26~12.25
全25回公演
01.LAST SCENE<Instrumental>
02.TOURIST
03.誰かが私を憎んでいる<Instrumental>
04.1人旅のススメ
05.拾われた猫のように
06.奇妙な音楽<Instrumental>
07.誰かが私を憎んでいる
08.NEVER CRY OVER SPILT MILK
09.奇妙な音楽<Instrumental>
10.この想いに偽りはなく
11.1人で生まれて来たのだから
12.TOURIST
13.途方に暮れて
14.ハリネズミ
15.市場は眠らない
16.TOURIST
17.拾われた猫のように<Instrumental>
18.竹の歌
19.紅い河
20.7月のジャスミン
21.自白
22.目撃者の証言
23.幸せになりなさい
24.二隻の舟
25.幸せになりなさい
26.紅い河
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