『スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』この映画を見て!
第91回『スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』 前回の『新たなる希望』に引き続き、スターウォーズサガの第5章目にあたる『スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』を紹介します。この作品はスターウォーズファンの間で一番人気が高く、シリーズ6作の中で一番大人向けの作品に仕上がっています。
私がこの映画を一番最初に見たときは、話しが途中で終わるという展開に大変驚いたものでした。最近は『マトリックス』や『ロード・オブ・ザ・リング』・『パイレーツ・オブ・カリビアン』と話しが途中で終わるという作品も多いですが、当時はとても珍しく、この後どういう展開になるのかとても気になったものでした。
私はスターウォーズサガの中でこの作品が一番お気に入りで、戦闘シーンの迫力と人間ドラマとしての面白さ・キャラクターの魅力という点でシリーズでも突出したものがあります。この作品の登場でスターウォーズの世界観に広がりと奥行きが出て、単なる娯楽作品以上の人気を得ることができたのだと思います。
戦闘シーンは大規模な地上戦から宇宙空間での帝国軍からの逃走、そしてライトセーバー対決とバリエーションに富んでおり、見る者を飽きさせません。
またストーリーも主人公の人間ドラマに重点を置き、時にコミカルに、時にシリアスに描き、ラストはとてもドラマチックな展開となり、スターウォーズシリーズの中でも最高に盛り上がります。この映画の脚本はルーカスではなく、リー・ブラケット 、ローレンス・カスダン
というプロの脚本家が書いており、シナリオが素晴らしいです。ただルーカス自体は大人向きのシナリオが気に入らなかったらしく、6作目の『ジェダイの帰還』や新シリーズでは、かなりシナリオにも手を出していますが、はっきり言ってルーカスってシナリオの才能はないと思います。
この映画は新しいキャラクターも数多く登場しますが、ヨーダはその中でも特にインパクトがありました。仙人を思わせるような雰囲気と東洋思想の影響を受けた発言の数々はとても魅力的でした。ただ新シリーズでのヨーダを見てしまうと5作目のヨーダはあまりにも別人で、違和感を感じてしまいました。これは新シリーズでのヨーダの描き方に問題があると思います。またスターウォーズシリーズでもベイダーに次いで人気の高いボバ・フェットが登場したのもこの作品からでしたね。
この映画の大きな見所は3つあり、前半の惑星ホスでの反乱軍対帝国軍の雪原での戦闘シーンとハンソロとレイアのラブロマンス、そしてルークとダース・ベイダーの関係性が明らかになるラストです。
前半のホスでの戦いは数あるスターウォーズ戦闘シーンの中でも非常に印象に残るものがあります。特に4足歩行の戦闘マシーンAT-ATは造形のユニークさでとてもインパクトがありました。ただAT-ATは造形は面白いものの、足元の弱さから実戦には不向きだと思いますが・・。
ハン・ソロとレイアのミレニアム・ファルコン号や雲の惑星へスピンでの恋の駆け引きも見ていて面白く、映画のラストでソロが冷凍カーボンにされる時のレイアとの会話は胸にグッとくるものがありました。
そして何といってもこの作品で一番の見所といえるラストのルークとベイダーの一騎打ちとベイダーがルークに「自分が父親」だと告白するシーン。このシーンはとても衝撃的でした。『新たなる希望』を見たときは思いもしなかった、ベイダーとルークの関係。このラストの一言でスターウォーズは単なる善と悪の戦いという物語から、父と子の複雑な関係を描く人間ドラマとしての魅力が加わったと思います。
製作年度 1980年・特別編:1997年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 125分・特別編:131分
監督 アーヴィン・カーシュナー
製作総指揮 ジョージ・ルーカス
脚本 リー・ブラケット 、ローレンス・カスダン
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演 マーク・ハミル 、ハリソン・フォード 、キャリー・フィッシャー 、アンソニー・ダニエルズ 、ビリー・ディー・ウィリアムズ
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コメント
コメントありがとうございます、5作目の帝国の逆襲は私の中ではスターウォーズ史上ベスト1の作品です。この作品がなければ、スターウォーズはここまで人気でなかったと思います。それにしてもルーカスは最初の作品からベイダーとルークの関係を父と子の設定としていたのかが気になるところです。
投稿: アシタカ | 2006年8月13日 (日) 23時40分
私も途中でぶった切られたラストにはびっくりしました。
その分、早く続きが見たい!!と熱望してしまいましたけど(笑)
ルークがロードオブザリングのフロドと被ってみえちゃった・・・
投稿: chibisaru | 2006年8月12日 (土) 17時28分
こんにちは!
>主人公の人間ドラマに重点を置き、時にコミカルに、時にシリアスに描き、ラストはとてもドラマチックな展開
良く煉られた脚本だと思いました.そしてコミカルな味付けが魅力です.
EP2の気恥ずかしくなるストーリーとは大違いでした♪
投稿: しゅー | 2006年8月10日 (木) 12時52分
TBありがとうございます♪
>「自分が父親」だと告白するシーン
これが6作を貫く心臓部分だったんですもんね。
私も、ここでSWシリーズに引き込まれたと思います。
投稿: 奈緒子と次郎 | 2006年8月10日 (木) 08時35分