『アンドロメダ・・・』この映画を見て!
第81回『アンドロメダ・・・』
今回紹介する映画は掘り出し物の70年代SF映画の傑作です。原作は『ジュラッシックパーク』で有名なマイケル・クライトン、監督は『サウンド・オブ・ミュージック』を手がけたロバート・ワイズ、SFXは『2001年宇宙の旅』のダグラス・トランブルという豪華なスタッフが結集しています。
私はこの映画がテレビで放映されいるのを偶然見ていたのですが、あまりの面白さに一気に引き込まれて最後まで見てしまいました。ストーリーはシンプルでいて、それでいてスリリングです。
ストーリー:「ニューメキシコの片田舎に落下した人工衛星に未知の病原体が付着。それが原因で赤ん坊と酔っ払った老人2人を除いて、町の住民が全員死亡する。政府によって地下の研究施設に集められた4人の科学者が未知の病原体の正体と治療方法を探る・・・。」
この映画はほとんどが地下の研究所で科学者たちが未知の病原体を研究していく過程を描きます。ありきたりの映画なら閉鎖された空間での研究シーンばかりの映画だと退屈になってしまうのですが、この映画は監督の演出が素晴らしく、見るものを飽きさせません。全編ドキュメンタリータッチで描きかれるのですが、現実感と緊張感を映画に与えています。映画のオープニングは病原体によって死滅した町を調査するところから始まるります。死体だけの無人の街のシーンは恐ろしくも見るものを一気に釘付けにします。その後は地下にある秘密研究所での科学者たちの研究シーンが延々と続きますが、病原体を追求していく過程がリアリティとサスペンスに満ちており見るものを飽きさせません。なぜ赤ん坊と酔っ払いの老人だけが生き残ったのかという謎から病原体の秘密が解明されるラストは研究過程が緻密に描かれているのでとても説得力がありました。この映画のシナリオは専門性と娯楽性と両方を見事に兼ね備えています。
またセットや小道具も素晴らしいです。ダグラス・トランブルが手がけたセットは独特な色彩感覚と近未来的なデザインで魅力的です。またリモート・ハンドや電子顕微鏡などの研究道具も映画にリアリティを与えてくれます。
特に激しいアクションシーンも大掛かりなスペクタクルシーンもないにも関わらず、科学者たちの研究シーンだけでここまで面白いSF映画が作れるとは大したものです。最近のCGにだけ頼ったSF映画にはないSF(サイエンス・フィクション)映画の魅力がこの映画にはあります。ぜひ見てみてください!
製作年度 1971年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 130分
監督 ロバート・ワイズ
原作 マイケル・クライトン
脚本 ネルソン・ギディング
音楽 ギル・メレ
出演 アーサー・ヒル 、デヴィッド・ウェイン 、ジェームズ・オルソン 、ケイト・リード 、ポーラ・ケリー
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