『風の谷のナウシカ』この映画を見て!
第86回『風の谷のナウシカ』
今回紹介する映画は多くの人が金曜ロードショーで一度は見たことがあるだろう『風の谷のナウシカ』です。この映画はもう20年に以上前の作品にも関わらず、今見ても全然古さを感じさせない力のある作品です。私もこの映画はテレビやDVDを通して何十回と見てきましたが、見始めると最後まで必ず見てしまいます。
ストーリーは皆さん知っているとは思いますが、「火の七日間」と呼ばれる最終戦争により高度産業文明が滅び千年余りが経過した未来を舞台に、腐海”と呼ばれる毒の森に生きる人々の姿を描いています。
この映画は原作の漫画があり、映画と同じく宮崎駿が手がけているのですが、映画と原作は話しがだいぶ違います。映画は7巻まである原作の2巻までをコンパクトにまとめたものであり、物語の展開がかなり違います。原作は映画よりもさらに壮大なスケールで話しが進んでいき、映画とは全く違う結末を迎えます。原作を読むと映画版のストーリーは物足りなさを覚えてしまうかもしれません。
映画版ナウシカはストーリーという点では原作に劣りますが、原作にはない魅力があります。それは映像と音楽です。ナウシカを最初に見たときは、ナウシカがメーベェに乗って空を飛び回るシーンに圧倒的な解放感を覚え、王蟲が動き回る姿に圧倒されたものでした。さらにガンシップやトルメキアの船などのメカの造形も素晴らしく、中盤から後半にかけての空中での戦闘シーンは手に汗にぎるものがありました。ラストに出てくる巨神兵のドロドロの姿も強烈なインパクトを与えてくれました。原作漫画の絵に色がつき、キャラクターたちが動き回る姿が見られるのはアニメならではの魅力です。
また久石譲が手がける音楽も大変美しく、シンセとオーケストラを使って、ナウシカの世界観を見事に表していました。特にラストの少女の声で奏でられるレクイエムのシーンは自然と涙が出てきたものでした。
あと声優も最近のジブリ映画のように話題先行で有名人を起用することなく、プロの声優たちを起用しており、キャラクターにあった声があてられています。特にナウシカを演じた島本須美はナウシカのイメージにぴったりあてはまっており、彼女の声なくしてナウシカはここまで人気が出たかなとさえ思います。
ストーリーは原作に比べるととても単純なものですが、単純が故にストレートに感動できる作品に仕上がっています。最近の宮崎駿の映画はストーリーがいまいちなものが多いのですが、この映画のストーリーはラストまで一気に見せてくれる力強さと勢いがあります。
ナウシカがなぜここまで人気があるのか、私はその一番大きな理由は完全無欠なヒロインとしてナウシカの魅力が一番大きいと思います。純粋で、優しく、力強いナウシカという女性。その姿はあまりにも現実離れをしていますが、それゆえにみんなが憧れるのだと思います。
製作年度 1984年
製作国・地域 日本
上映時間 116分
監督 宮崎駿
原作 宮崎駿
脚本 宮崎駿
音楽 久石譲
出演 島本須美 、辻村真人 、京田尚子 、納谷悟朗 、永井一郎
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