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『スターウォーズ エピソード3 シスの復讐』この映画を見て!

第75回『スターウォーズ エピソード3 シスの逆襲』
Starwars3_1   今回紹介する映画はスターウォーズシリーズの完結編『シスの逆襲』です。この作品は6部作からなるスターウォーズシリーズの3部作目に当たる作品であり、4部作目から悪役として登場するダースベイダーの過去を描いた作品です。
 私は昔からスターウォーズの大ファンで、旧3部作(4部作目『新たなる希望』から6部作目『ジェダイの復讐』まで)は何回も見たものでした。だから、ルーカスが新3部作を発表すると聞いたときは、とても嬉しく、公開をワクワクしたものでした。旧3部作で悪役だったダースベイダーの過去を描いてきた新3部作ですが、正直1作目『ファントム・オブ・メナス』と2作目『クローンの攻撃』は個人的にとてもがっかりした作品でした。CGを多用した映像はそれなりに迫力がありますし、旧3部作よりストーリーのスケールも大きくはなっています。しかし、旧3部作にあった冒険活劇としての面白さや登場人物たちが織り成すドラマの感動やキャラクターの魅力といったものが新シリーズには感じられませんでした。スターウォーズシリーズの完結編として昨年公開された『シスの逆襲』も旧3部作に比べると質は落ちますが、新シリーズの中では一番面白く、旧3部作のファンにとっては興味のある作品でした。
 『シスの復讐』はエピソード4でオビ・ワンが語っていたクローン戦争が終結に向かい、皇帝が共和国を手中に収めて、アナキンがダークサイドに落ち、ダースベーダーとなるまでを描きます。映画の結末は多くの観客がすでに知っているので、いかにその結末に向かっていくかが注目された作品でした。
 私もどういう理由でアナキンがダースベーダーになったのかとても気になっていたので、3作目には期待していたのですが、いまいち説得力という点では欠けていたかなと思います。パドメを救おうとして皇帝の側に付きますが、いまいちアナキンの心情や葛藤が伝わってこず、あっさりダークサイドに落ちたような印象を受けて拍子抜けしました。これではアナキンが単なる力を過信した自己中心的な男にしか見えません。またパドメも1,2作目とキャラクターが変わっており、弱弱しくて違和感を感じてしまいました。ラストのパドメの死も取ってつけたような話にしか見えませんでした。
 この作品は本来なら正義を信じる者が道を踏み外してしまうという悲劇を描いたドラマチックなストーリーにも関わらず、いまいち設定を活かしきれていないような気がしました。ストーリーはいかに4作目と話しをつなげるかという事といかにファンを満足させる話しにさせるかに終始し、ドラマとしては平板なものになってしまっているのが残念です。あっさりと話しが進みすぎ、観客はキャラクターたちに感情移入が出来ず、見せ場を楽しむだけになってしまっているような気がします。ルーカスは脚本を自分で書かず、誰か他の人に任せたほうがよかったと思います。現に『帝国の逆襲』『ジェダイの復讐』では脚本家を雇って質の高いシナリオを書かせていますしね。
 映像はオープニングからCGを多用した見せ場の連続で、観客は息つく暇がなく、アクションシーンは新3部作の中では一番見ごたえがありました。前半の宇宙での戦いのスケールの大きさはさすがスターウォーズといった感じですし、ラスト30分のオビワン対アナキンとヨーダ対皇帝の対決はすごい迫力と緊張感がありました。特にアナキンとアナキンの対決の最後オビワンがアナキンに「選ばれし者だったのに」と言う悲痛なセリフはとても印象に残りました。オビワンにとって自分の弟子に裏切られたということは、さぞショックだったでしょうね。このシーンを見ると、4作目のデススターでのオビワンとダースベイダーの2度目の師弟対決の意味がまた違って見えてきますね。
 またこの映画は随所に旧3部作へと繋がるシーンが見られ、昔からのファンには嬉しかったです。宇宙船のデザインも旧3部作のデザインに近づいていますし、チューバッカーが出てきたところは嬉しかったです。またラストにエピソード4のオープニングで出てきた宇宙船やタトゥイーンのルークの家が出てきた所は感動しました。これから20年後アナキンの息子ルークが銀河共和国とアナキンを救うべく立ち上がるんだと思うと、心にぐっとくるものがありました。
 しかし、C3POやR2D2をオビワンやダースベイダーはなぜ覚えていないのかなど、旧3部作のストーリーとつながらない部分がいくらかあり、とても気になりました。またあれほど強いヨーダがなぜ急速に老けて、あんなお茶目なヨーダになってしまったのかも不思議でした。
 エピソード3は暗い話しですが、あくまで6部からなる壮大な物語の中盤ですからね、この映画を見た後は旧3部作を見返して、銀河の平和とアナキンの解放を見届けないといけませんよね。
 
制作年度 2005年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 141分
監督 ジョージ・ルーカス 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス 
脚本 ジョージ・ルーカス 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 ユアン・マクレガー 、ナタリー・ポートマン 、ヘイデン・クリステンセン 、イアン・マクディアミッド 、サミュエル・L・ジャクソン 

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コメント

TB、感謝です!
エピ4からのいわゆる旧三部作の良いところは、
若く魅力的なキャラが清々しく汗かいて活躍している冒険談だったという事ですね。
それに「帝国の逆襲」では父子の葛藤が加わって、
ドラマとしての旨みが加わり、シリーズ中最高の出来になってると思います。
残念ながら新三部作には、
スカッとする活劇も今一、ドラマも浅くて、
見所はCGとパドメの可愛さだけ、という感が…。

投稿: カゴメ | 2006年6月25日 (日) 15時35分

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