『ターミネーター2』この映画を見て!
第77回『ターミネーター2』 今回紹介する映画は公開当時大ブームになった傑作SFアクション映画『ターミネーター2』です。私は中学生の時にこの映画を映画館で見たのですがストーリーの面白さとスケールの大きなアクション、特殊効果をふんだんに利用した映像の迫力に圧倒されたのを覚えています。特に当時はまだ珍しかったCG映像を使った液体金属型ターミネーターT1000のインパクトは強烈なものでした。またストーリーも秀逸でラストは涙なしでは見れないほど感動的なものでした。ここまで映像の迫力とストーリーの面白さがかみ合ったアクション映画はなかなかないと思います。制作費に100億円以上かけたそうですが、その投資に見合う面白さになっています。私はこの映画を見てハリウッド映画の力というものを中学生ながらに感じたものでした。
ストーリー:「 核戦争後の西暦2029年、地球では機械軍と人類の抵抗軍が戦っていた。人類の指導者ジョン・コナーの母親暗殺に失敗した機械軍は、10年後の世界に新型ターミネーターT1000を送り込み、少年時代のコナーを抹殺しようとする。一方、来るべき未来の戦争を知る唯一の人間サラ・コナーは、狂人扱いされ精神病院へ入れられていた。そんな中、未来の人類の抵抗軍から1体のターミネーターT800がジョンを守るためにやってくる。人類の未来を守るため、T1000との壮絶な戦いが始まる。」
この映画はストーリーがとてもよく出来ています。1作目では悪役だったシュワルツェネッガー扮するT800が今回は人類を守る側に回るという設定も面白いですし、感情のないロボットであるはずのT800がジョン・コナーとの交流を通して、人間の感情を学んでいくという展開も非常に面白く、ラストはほろりとさせられます。またジョン・コナーとT800との交流には父と子の絆というテーマが内包されており、子にとって父親とはどういう存在かを描いた作品としてもよく出来ていると思います。さらに1作目では逃げ惑うだけだったサラ・コナーの孤独な戦いを描くハードボイルドドラマとして見ても味わい深いものがあります。
またアクション映画としても液体金属という完全無敵なT1000という悪役を設定したことで、明らかに不利な人類側がどうやって倒すのかというサスペンスを生み出すことに成功しています。この映画は人間ドラマがしっかり描かれているので、アクションシーンも主人公たちに感情移入しながら見ることができます。脚本がしっかりしているとアクションシーンも盛り上がるという、よいお手本の映画だと思います。またキャメロンらしくアクションシーンはどれも良い意味で派手でしつこく、観客の目を映像に釘付けにします。あと個人的に残酷なシーンはあるものの、無意味に人が殺されないという点も高く評価できます。
続編の映画というと1作目を超えられない作品が多いのですが、この映画は見事に成功しています。この映画の後、さらに『ターミネーター3』が違う監督によって制作されましたが、ドラマとしてもアクションとしても前作を超える作品には仕上がっておらず、その上前作の結末を否定するようなラストシーンに、なぜパート3を制作したのか疑問にさえ思いました。 この映画は20分ほど追加シーンを挿入した特別編もあり、1作目に出てきたマイケル・ビーン扮するカイルが登場したり、ターミネーターの頭部を切開してチップのセッティングを変えるシーンやT1000の調子が悪くなったことを示すシーンがあったりなど、より深く映画の世界を楽しむことができるようになっています。興味がある人はぜひ見てください。
この映画は今もってハリウッドアクション映画の最高峰であり、ヒューマンドラマとしても1級です。映画のラストのT800の決断は涙なしでは見られない感動が得られます。
製作年度 1991年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 137分
監督 ジェームズ・キャメロン
製作総指揮 ゲイル・アン・ハード 、マリオ・カサール
脚本 ジェームズ・キャメロン 、ウィリアム・ウィッシャー
音楽 ブラッド・フィーデル
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー 、リンダ・ハミルトン 、エドワード・ファーロング 、ロバート・パトリック 、アール・ボーエン
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コメント
こちらこそ、お久しぶりです。おっしゃるとおりこの映画はバランスの良い作品ですよね。この映画以降このジャンルでこれ超える映画ってないですよね。
投稿: アシタカ | 2006年6月30日 (金) 21時59分
こんばんは。お久しぶりです。
この作品、それぞれの気持ちもよく表現しつつ、未来からの新たなるターミネーターの脅威も恐ろしくとてもバランスのいい作品だとおもいました。
多くの人の心を掴んだのもよくわかります。
それほど印象的なシーンも多く、ラストシーンなどは、涙を誘うほどでした。
こちらからもTB返させていただきます。
投稿: chibisaru | 2006年6月30日 (金) 02時11分