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『羅生門』この映画を見て!

第68回『羅生門』
羅生門 デラックス版 今回紹介する映画は日本を代表する映画監督・黒澤明の傑作『羅生門』です。この映画は日本映画で初めてヴェネチア映画祭にて金獅子賞、アカデミー賞でも外国映画賞を取るなど世界中の映画関係者・映画ファンにも絶賛された世界に誇れる日本映画です。
 この映画は芥川龍之介の『藪の中』と『羅生門』を基に脚本が書かれています。森の中で起こった一つの事件をめぐり、当事者たちが食い違う証言をしていきます。二転三転する事件の動機やその内容。真実はいったいどうだったのか明確な答えは示されないまま映画は終わります。この映画の面白さは、同じ事件なのに証言者によって事件の内容が違ったものになってしまうところです。どの証言者がいっていることも筋が通っており、いったい何が真実なのか、見ている側は考え込んでしまいます。また証言者たちの話す内容はどれも
人間の醜いエゴや業といったものが浮きぼりになるようなものばかりで、見ている側は人間の負の部分をとても痛感せざるえないと思います。
 この映画、ストーリーだけでなく映像面でもとても素晴らしく、太陽に直接キャメラを向けた画期的撮影や森の中の役者を追う移動カメラによる撮影、そして雨の降りしきる羅生門と印象にのこる映像が多い作品です。また音楽もボレロ風の反復音楽で印象に残ります。 あとこの映画の大きな見所として役者たちの重厚な演技があります。特に三船敏郎のぎらぎらしたエネルギーが感じられる演技と、京マチコの色気と場面によってさまざまな表情を見せる演技は素晴らしいの一言です。
 この映画は戦後すぐに制作されていますが、現代の私たちが見ても面白く、いろいろ考えさせられるところが多いです。ぜひ日本映画を代表する『羅生門』一度は見てみてください!

製作年度 1950年
上映時間 88分
監督 黒澤明
脚本 橋本忍 黒澤明
原作 芥川龍之介
音楽 早坂文雄
出演 森雅之 、千秋実 、三船敏郎 、京マチ子 、志村喬 、千秋実、加東大介、本間文子

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コメント

はじめまして、私も三船敏郎さんに興味を持つひとりです。

 あれほど国際的にも有名な俳優さんは日本でも数少ないですね。
そんな三船さんは、大スターであっても機材運びを手伝ったり、気さくな方だったようです。

 私も三船さんの記事をブログで書いてみました、よかったら遊びにいらして下さいね~、ではまた!

投稿: ルーシー | 2006年6月 7日 (水) 03時32分

書き込みありがとうございます。黒澤監督の『羅生門』は芥川龍之介の『藪の中』を原作としており、原作『羅生門』とあらすじはかなり違います。
原作の『羅生門』に関して言えば、人間が作り出した倫理や道徳といったものが、生死の境で何とか生き延びようとする人間にはいかに無力であるかを描いた作品であるような気がします。正義にあふれていた主人公が老婆と出会い、悪に手を染めていく姿には人間のもつエゴイズムや業といったものを感じざるえません。また生きたいという人間が悪に踏み入れてしまう弱さに対する作者の哀しみや絶望が表現されているような気がします。

投稿: アシタカ | 2006年5月14日 (日) 21時04分

初めまして。
私は映画は見たことないのですが、この前学校の授業で読んで言葉の表現や、ちょっとした所に隠された人の感情がすごく複雑ですごいなぁと思いました。映画と少し内容が違うのかもしれませんが、結局この物語が訴えていることって何だと思いますか?良かったら教えてください

投稿: 悠衣 | 2006年5月14日 (日) 14時51分

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