『未知との遭遇』この映画を見て!
第63回『未知との遭遇』
見所:「ラスト30分の地球外生命体との音楽を使ったコンタクトシーン!」
今回紹介する映画は私が特にお気に入りのSF映画『未知との遭遇』です。監督は数々のヒット作、話題作を手がけたハリウッドの巨匠スティーブン・スピルバーグ。ここ最近も政治サスペンス映画『ミュンヘン』がハリウッドで一大論争を巻き起こしましたのは記憶に新しいところです。
『未知との遭遇』は彼の初期の代表作であり、彼の監督した映画でもベスト5に入る映画です。この映画は『ジョーズ』の大ヒットを受けて、彼が少年時代から暖めていた企画を基に制作された作品です。この映画では脚本も自分で手がけており、彼の思いや世界観がとても詰まった作品です。
ストーリー:「ある日、ラコーム博士率いる調査団がメキシコの砂漠で第二次大戦時の戦闘機を発見する。それは、消失当時と変わらぬ姿で残っていた。一方アメリカのインディアナ州では、町一で停電が起こる。その原因を調べていた電気技師ロイがUFOのような光と遭遇。以来、彼はこの不思議な光にすっかり魅了され、その正体を探っていく。また彼は形の変わった枕を眺めたり、マッシュポテトをこねくり回して山を作ったり、家の中に巨大な山の模型を作るなど奇怪な行動を取るようになる。自分の頭の中に浮かんで離れない山のイメージに悩むロイ。しかし彼はある日それがワイオミング州のデビルズ・タワーという山だと気付く。彼はデビルズ・タワーに何があるのか確かめる為に一人向かう。その頃ラコームの調査団もUFOからのメッセージを受信して、UFOとのコンタクトの準備を始めていた。」
私がこの映画を初めて見たのは小学生の時ですが、映像の美しさとスケールの大きな話しに興奮を覚えています。特にラスト30分の地球外知的生命体との音楽を使ったコンタクトシーンは目映いばかりの光溢れる映像と美しい音に圧倒されっぱなしでした。UFOのデザインも一般的に知られている円盤形UFOのデザインと違い、溢れんばかりに光輝くUFOの神秘的な美しさにとても惹かれました。また『エイリアン』などと違い、人間に友好的な地球外知的生命体と人間との遭遇というストーリーも斬新であり、とても感動しました。
私は小さいときから宇宙人やUFOにとても興味があり、テレビでよく放映されていた矢追純一のUFO特集を食い入るように見たものでした。UFOや宇宙人は実在すると信じていた(今も信じている)私にとって『未知との遭遇』で描かれる世界は興味深く、単なるフィクションの世界とは思えない現実味を感じました。この映画を小さいときに見た後、よく夜に外を出て星が輝く空を見上げていたのを覚えています。
この映画はもう30年近い前の作品であるにも関わらず、今見ても充分楽しめる作品です。CGもまだなかった時代にこれだけの映像表現が出来ているのは驚きですし、ジョン・ウイリアムスの五音階を用いた音楽もとても美しく印象的です。またストーリーも、前半は多くの不思議な現象が描かれ、一体何が起ころうとしているのか、謎と緊張感に満ちたストーリーが展開されていきます。しかし後半になるにつれて、話しが一つにまとまっていき、緊張感は薄らぎ、美しさと神秘さに感動するストーリーへとなっていきます。ストーリーは途中の展開の仕方が荒削りで強引なところもありますが、スピルバーグの宇宙に対する憧れや畏怖の思いがとても詰まった脚本でもあります。特に主人公であるロイとラコーム博士はスピルバーグの分身といってもいいキャラクターだと思います。またスピルバーグの演出も巧みであり、前半はサスペンスタッチの演出で見る者をハラハラドキドキさせます。そして、後半は壮大で幻想的な美しさに満ちた映像と音楽の一大スペクタクルで観客を圧倒させます。
この映画は宇宙への夢とロマンに溢れています。この映画を見るときっと夜空を見上げたくなると思います。是非見てみてください!
なおこの映画は3つのバージョンが存在します。まず初回劇場公開版。次に80年にUFO内の映像を追加して、ロイがおかしくなっていく様子を一部カットした特別編。特別編ではラストに映画『ピノキオ』の主題歌「星に願いを」が流れます。そして特別編のUFO内部の映像をカットして、ロイがおかしくなっていく様子を復活させ、さらに追加シーンを加えたファイナルカット版。私はこの3つのバージョン全て見たのですが、ファイナルカット版が一番お奨めです。特別編のUFO内部の映像は映画の神秘性を薄めてしまい、私はいまいちでした。
製作年度 1977年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 135分 (特別編:133分、ファイナルカット版137分)
監督 スティーヴン・スピルバーグ
脚本 スティーヴン・スピルバーグ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演 リチャード・ドレイファス 、フランソワ・トリュフォー 、テリー・ガー 、メリンダ・ディロン 、ボブ・バラバン
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コメント
コメントありがとうございます。SF映画は数多くありますが、『未知との遭遇』は『2001年宇宙の旅』『ブレードランナー』と並んでSF映画史においてエポックメイキング的作品ですよね。
投稿: アシタカ | 2006年3月23日 (木) 10時09分
書き込みありがとうございました
やはり私にとっては未知との遭遇はSF映画のエポックメイキングです
またいろいろ語りましょうね
投稿: くらのすけ映画社 | 2006年3月23日 (木) 06時38分