『窓の日』矢野絢子
お気に入りのCD.NO4 『窓の日』 矢野絢子
今回紹介するCDは高知県出身の矢野絢子というアーティストのアルバムです。
私が矢野絢子を知ったのは職場の先輩からでした。その先輩がぜひ私に聴かせたいCDがあると言って聴かせてくれたのが『窓の日』というアルバムでした。始めて聴いた時は歌唱力の高さと内省的で繊細な歌詞の鋭さと美しさ、ピアノを中心としたアコースティック音の心地よさがとても印象的でした。
その後、先輩が誘ってくれて大阪のライヴにも連れて行ってもらいました。生で聴く彼女の歌声はとても心地よく、人間の悲しさやさびしさ、暖かさを唄った歌詞が胸に響きわたり、とても素敵なライブでした。
私が彼女の歌で一番惹かれるのは歌詞です。彼女が紡ぎ出す言葉はどれもガラス細工のように繊細で美しく、それでいて野に咲く花のような暖かさと力強さを持っています。歌詞の内容は内省的なものや自分の経験や思いを投影したものが多いですが、多くの人が共感できる普遍性をもっています。特に私は「一人の歌」と「ふたつのプレゼント」がお気に入りです。「一人の歌」は生きることの孤独と哀しみを見事に歌詞にしています。また「ふたつのプレゼント」はピアノによる明るいメロディーと裏腹にある家族の崩壊と再生が唄われており、聴いた後まるで良質な短編小説を読んだかのような満足感が得られます。
また全編ピアノを中心としたアコースティックなサウンドなのも、聴いていて心地よいです。『窓の日』には何曲かピアノやバイオリンによるインスト曲が収録されいるのですが、哀愁漂うメロディーと音は聴いていて、心を落ち着かせます。
『窓の日』はシンプルで繊細で美しくとても素敵なアルバムです。派手さはありませんが何回も聴けるだけの力が歌に宿っています。ぜひ皆さんも聴いてみてください。ライブに行きたくなると思います。
1. 明るい方へ 2. ひとつふたつ 3. 一人の歌 4. 九月の高原 5. 幻の光(インストゥルメンタル) 6. 雨のレストラン 7. 手のひらに十二月(インストゥルメンタル) |
8. つめたい手 9. ふたつのプレゼント 10. サンタの家 11. 音の無いフィルム(インストゥルメンタル) 12. 吉野桜 13. 窓 14. 瞬き |
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