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『美輪明宏全曲集』

お気に入りCD.NO3 『美輪明宏全曲集』 キング・レコード全曲集
 前回ブログで美輪明宏さんの魅力を少しばかり紹介しましたが、前回は美輪さんの本を中心に紹介したので、今回は美輪さんの歌の魅力を紹介したいと思います。
 私が美輪さんの歌の魅力にはまったのは、NHK教育テレビで放映されていた美輪さんのNHK講座「美と愛の法則」で『ヨイトマケの唄』を聴いたときからです。
 『ヨイトマケの唄』は貧しい家庭の中で育った子どもが大きくなり、今はもう亡くなった父母への思いを偲ぶ歌なのですが、私は始めて聴いたとき、その歌の美しさ・力強さに魂をわしづかみにされました。私もいろいろな歌を聴いてきましたが、この歌ほど感情にダイレクトに伝わってくる作品はありませんでした。
 美輪さんは講座の中で、この歌は自分や自分の周囲での実体験を元に作られたようです。この歌は最初はなかなか売れなかったようですが、ふとしたきっかけでテレビで紹介されてから大反響を呼んだそうです。特に炭坑で働く家族からの反響は大きかったそうですしかし、この歌の中に差別的用語があると知識人と称するエセヒューマニストたちに指摘され、それから放送禁止歌に指定されてしまったそうです。
 (それにしてもこの歌の歌詞に差別用語があるので、この歌を差別的だと放送禁止歌に指定した知識人たちとは、一体何様のつもりなんでしょう。言葉の表層的な所だけを見て、これは差別的だと決めつける知識人たちの考えそのものに差別性が含まれていると思いますし、差別語を撲滅しただけでは決して差別はなくならないと私は思います。差別の根はもっと深いものがあると思います。ただ差別されている側がその言葉に不快を感じるならみだりに使うべきではないとは思いますが。)
 この歌は決して差別的な歌ではなく、人間が社会で生きていく厳しさや優しさが美しさに溢れた素晴らしい歌です。歌詞はもちろん素晴らしいのですが、美輪さんの歌い方がまた絶品です。歌の緩急の付け方、腹の底から響いてくる声、感情がこもったというか、当事者の感情が乗り移ったかのような歌い方は、歌詞の素晴らしさを何倍にも引き立てていす。この歌は聴く人の魂を揺さぶる力を持っていると思います。私は是非多くの人にこの歌を聴いて欲しいと思っています。
 私は美輪さんの歌だと『ヨイトマケの唄』以外にお薦めするのは『愛の讃歌』です。この歌はフランスの有名なシャンソン歌手エディット・ピアフが歌っていた曲で、日本では越後吹雪さんが戦後歌って全国的に有名な曲になったのですが、越後吹雪さんの『愛の讃歌』は歌詞が原詩と大幅に違っているようで、それが不満だった美輪さんが原詩を忠実に訳され、自ら歌っているのですが、この美輪さんの『愛の讃歌』はとても素晴らしいです。愛の強靱さや優しさ・美しさが見事に表現されおり、愛の本来持つ力強さが伝わってくる歌になっています。また美輪さんの歌い方が絶品で、愛の繊細さと強さを見事に声で表現しています。フランス語で歌われる時の発音もとても美しいです。
 私は美輪さんのCDは今のところ『美輪明宏全曲集』しかもっていないのですが、このCDは美輪明宏の歌手としての魅力を余すところなく伝えるCDとなっています。上に挙げた「ヨイトマケの唄」や「愛の讃歌」も入っていますし、彼のヒット作「メケ・メケ」や美しい日本語が堪能できる曲、美輪さんの歌手としての力量が分かる曲が多く選曲されており、美輪さんのCDを買うときの最初の1枚にとてもお薦めです。美輪さんは時代に左右されない数少ない本物の歌手だと思います。機会があれば是非一度コンサートに行ってみたいなと思っているこの頃です。

1.ヨイトマケの唄
2.兄弟
3.孤独
4.めぐり逢い
5.うす紫
6.いとしの銀巴里
7.砂山
8.叱られて
9.雪の降る町を
10.メケ・メケ (M'E QUE' M'E QUE')
11.人生の大根役者 (LE CABOTIN)
12.暗い日曜日 (SOMBRE DIMANCHE)
13.群衆
14.愛の讃歌 (HYMNE A L'AMOUR) (原語バージョンセリフ付)
15.花 (すべての人の心に花を)
16.老女優は去りゆく

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