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『JOE HISAISHI MEETS KITANO FILMS』

お気に入りのCD.NO6 『JOE HISAISHI MEETS KITANO FILMS』 久石譲
joe_meet_takesi  今回紹介するCDは 北野武が監督した映画に使用された久石譲のサントラ曲を集めたベストアルバムです。 久石譲は宮崎駿映画の全音楽を担当していることで有名な映画音楽家です。宮崎駿の映画において久石譲の音楽はとてもはまっており、毎回印象的な曲を提供していますが、北野武の映画でも『あの夏、一番静かな海。』から『ドールズ』までの7作品で音楽を手がけています。
 北野作品においても、彼の音楽は映像にとてもはまっており、印象的な曲を数々提供しています。北野監督は削ぎ落としを意識して、映画を作っているようで、音楽家にも同じことを要求するそうです。そんな監督の要求に応えて作られた曲の数々は、北野監督の作り出す映像の力をさらにもう一段高いところまで引き上げます。
 北野作品はセリフが少なく、静かな場面が多いです。彼は映像で全てを語ろうとする監督です。そんな彼の作品において、音楽は単なる添え物でなく、重要な役割を持っています。
 まず久石譲の音楽は北野監督の映像の雰囲気や魅力をより前面に押し出します。『あの夏、一番静かな海』でラストに流れる「
Silent Love」は恋人たちの思い出シーンを一気に盛り上げますし、『ソナチネ』の印象的なミニマムミュージックによるメインテーマは美しくもどこか狂気じみていて、映像が持つ美しさや狂気をさらに増幅させます。
 また音楽がセリフで語られない主人公たちの感情や映画が語ろうとするテーマを観客に伝えてきます。HANA-BI』の哀切と感傷漂う曲が主人公の哀しみを表現し、『キッズ・リターン』の青春のほろ苦さと躍動感を表現した曲は主人公の若者たちの行き場のないエネルギーや苛立ちを伝えてきます。また『菊次郎の夏』の爽やかでノスタルジックな曲は夏休みの思い出というテーマをずばり曲で語っています。
 映画を見た人はこのアルバムを聴くと、映像が頭に浮かんでくると思います。そして、また映画が見たくなると思います。
 また映画を見ていなくても、聴いていて楽しめるアルバムです。久石譲の繊細で美しいメロディーライン、ピアノやストリングス・シンセを多用した音の心地よさ。このアルバムはヒーリングミュージックとしても満足のいくものです。
 北野映画ファンもヒーリングミュージックファンも買って損はしないアルバムとなっています。ぜひ聴いてみてください!

1.INTRO-Office KITANO Sound Logo(original)
2.Summer(菊次郎の夏)
3.The Rain(菊次郎の夏)
4.Drifter…in Lax(BROTHER)
5.Raging men(BROTHER)
6.Ballade(BROTHER)
7.BROTHER(BROTHER)
8.Silent Love(Main Theme)(あの夏,いちばん静かな海。)
9.Clifside Waltz 3(あの夏,いちばん静かな海。)
10.Bus Stop(あの夏,いちばん静かな海。)
11.Sonatine 1~act of violence(Sonatine)
12.Play on the sands(Sonatine)
13.KIDS RETURN(KIDS RETURN)
14.NO WAY OUT(KIDS RETURN)
15.Thank You,…for Everything(HANA-BI)
16.HANA-BI(HANA-BI)

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