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この映画を見て!「ロード・オブ・ザ・リング」

第18回「ロード・オブ・ザ・リング」
ロード・オブ・ザ・リング ― コレクターズ・エディション あけましておめでとうございます。2006年最初のお薦め映画紹介は連続3回シリーズで「ロード・オブ・ザ・リング」3部作を紹介します!
 21世紀に入って、一番私が熱狂した映画というと「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズです。ファンタジー小説の古典とも言われる「指輪物語」を原作にしたこの映画。原作も全3巻で1000ページ以上の超大作ですが、映画も3部作で9時間以上という超大作です。知恵を持つ様々な種族(人間・ホビット・エルフ・ドワーフ)が共存する中つ国という架空の世界を舞台に、邪悪な王が作った一つの指輪をめぐる善と悪との壮大な物語が繰り広げられます。
 ここで原作の紹介を少しさてもらいます。原作はJ・R・R・トルキーンという人が今から50年以上前に書いた作品で、全世界中に熱狂的なファンがいます。原作「指輪物語」は「ホビットの冒険」という児童文学の続編として書かれたものですが、指輪をめぐる冒険や戦争の話しを縦糸に、中つ国の歴史を横糸に壮大な叙事詩が展開していきます。地形、歴史、各種族の生活様式・習慣・言語など細かい所まで丁寧に設定され、記述されており、架空の世界の話しにもかかわらず、具体的な所までイメージでき、何度読んでも発見のある話しです。ぜひ映画を見てはまった人は原作も読んでほしいと思います。映画とはまた違った魅力を味わえると思います。
 さて映画の方に話しを戻します。映画は見るまでは、ピータージャクソンという監督も、出演する俳優も、VFXを担当したWETAという会社もあまり知らなかったので、はっきり言って期待していませんでした。しかし映画館で第1部のオープニング、中つ国の歴史を語るシーンから一気に引き込まれ、見終わるとあまりの出来のすばらしさに感動して、それから何回も映画館に足を運びました。ピーター・ジャクソンは今でこそ有名な監督で新作「キング・コング」など撮っていますが、この映画に出るまではホラー映画の監督というイメージしかありませんでした。才能があったにしろ、ほぼ無名の監督がここまでの作品を作り上げるとは思いませんでした。「ロード・オブ・ザ・リング」が興行・批評とも成功した理由は、「指輪物語」という優れた小説があったということはいうまでもありませんが、中つ国という架空の世界をリアリティーを持って描くことができたこととキャスティングがキャラクターとあっていたこと、そして「友情」「責任」「正義」というシンプルなテーマをストレートに力強く表現していることの3点だと思います。
ストーリー:「中つ国の悪の象徴サウロン。彼はかつて自分の分身ともいえる指輪を作り、世界を手中に治めようとしていた。しかし人間やエルフなどの種族により、サウロンは滅びたかにみえた。だが彼が作り出した指輪に彼の力と魂は残っていた。指輪は人間の手に渡り、行方不明になる。それから何世紀もたった後、指輪はホビットという種族に渡る。サウロンは肉体こそないものの力を取り戻し、彼は完全復活のために指輪を欲していた。ホビットのフロドは叔父からサウロンの指輪を譲り受けるが、賢者ガンダルフによりその指輪の正体を知る。その指輪を葬るにはサウロンが指輪を創った場所、滅びの山の火口に投げ捨てるしかなかった。そこでフロドは庭師であり、友達のサムを引き連れて、指輪をひとまずみんなが集まる裂け谷に届けることになる。旅の途中で友達のホビットメリーとピピンも仲間に加わるが、サウロンの手下も追ってくる。危ないところを人間の王の末裔で今はレンジャーのアラゴルンに助けられるが、フロドは重傷を負ってしまう。何とか裂け谷に着くが、滅びの山に行くという希望のない任務に誰も行きたがろうとしない。そしてフロドは自ら指輪の重荷を携えて行くことを志願する。そして、彼を支えるためにエルフ・ホビット・人間・ドワーフの各種族からなる9人の旅の仲間が結成される。旅の途中、彼らに次々と危機が襲ってくる。そして次々に失われる仲間たち。フロドは仲間をこれ以上危険に晒したくないと一人で旅立つことを決める。しかし、一番の親友サムは決してフロドの側を離れようとしなっかった。(第2部に続く)」
 この映画のストーリーの特徴は、普通の冒険ものと違い、宝を探しに行くのではなく、宝を捨てに行くところにあります。それも主人公が勇者でなく、どちらかというと一番小さく弱そうに見えるホビットであるというところがポイントです。一番小さき者が誰もができないと思ったことを成し遂げなくてはいけないというところが、この物語の良いところだと思います。主人公たちは敵の圧倒的な力を前に為す術がなく、逃げるしかないというかなり絶望的な状況です。そんな状況にも関わらず、「自分が何をできるか」考えて、前に向かって進もうとする主人公たちの姿に私はいつも感動します。
 第1部は旅の仲間の結成から離散までを描いているのですが、テーマはズバリ「友情」と「責任」です。熱い友情と仲間一人一人が持っている責任を果たす姿は胸が熱くなりますね。
 ちなみに私が第1部でお気に入りのキャラクターは人間のボロミアです。人間の国ゴンドールの執政の息子として生まれたボロミア。どこまでも国と民を愛するが故に、指輪の力に惑わさ、一度仲間を裏切りますが、最終的には我を取り戻し、仲間を守る姿はかっこいいです。人間のもつ弱さと強さの両面が良く出ているキャラクターです。(原作よりもかなり魅力的です)
 原作の第一部は多くのページが各種族の歴史や生活習慣などの描写に割かれており、かなりまったりとした展開で進みます。そのため人によっては途中で挫折する人も出ると思います。あの原作の大切な要素を残したまま、ここまでコンパクトに凝縮できたのは素晴らしい脚色だと思います。
 この映画はストーリーも魅力的ですが、架空の国「中つ国」を現実に存在しそうな世界として描いた所にあると思います。まず風景がとても素晴らしいです。全編ニュージーランドで撮影されてますが、ニュージーランドの壮大な自然が、見る人を圧巻させます。またセット、ミニチュア、CGを巧みに使って、細かいディティールまできちんと再現しており、見ている側はすぐにスクリーンの中の世界に入り込めます。美術や衣装も凝りに凝っており、各種族・地域ごとに、武器や衣装が違うところも見ていて、各種族の歴史や風俗が想像できて面白いです。
 音楽もとても素晴らしいです。ただ感動的な曲という訳でなく、トルキーンの世界を音楽で巧みに表現しています。トルキーンが指輪物語で書いた詩や言葉を歌詞に取り入れて、いろいろな場面で効果的に流しています。また第1部では裂け谷の会議でほんの一瞬しか流れない曲が実は第3部のゴンドールという人間の国のメインテーマ曲として使われていたりと細かい伏線が張られています。
 あとキャラクターを演じた俳優がとても役の雰囲気にあっていたことも良かったです。特にガンダルフは原作のイメージにぴったりでした。またドワーフのギムリやエルフのレゴラスもイメージにあってましたね。あと主人公フロド、彼の透き通った目は印象的でした。
 第1部は話しは途中で終わりますが、続きが絶対に見たくなると思います。是非、中つ国の世界に入り込んでみてください。

製作年度 2001年
製作国・地域 アメリカ/ニュージーランド
上映時間 178分
監督 ピーター・ジャクソン 
製作総指揮 マーク・オーデスキー 、ボブ・ワインスタイン 、ハーヴェイ・ワインスタイン 、ソウル・ゼインツ 、マイケル・リン 
原作 J・R・R・トールキン 
脚本 ピーター・ジャクソン 、フラン・ウォルシュ 、フィリッパ・ボウエン 
音楽 ハワード・ショア 
出演 イライジャ・ウッド 、イアン・マッケラン 、リヴ・タイラー 、ヴィゴ・モーテンセン 、ショーン・アスティン 

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