この映画を見て!「プリシラ」
第11回「プリシラ」
見所:ドラッグクィーンの生き様と華麗な衣装
この映画は私にとって、栄養ドリンクのような存在で、疲れたときや落ち込んだときによく見ています。この映画、3人のドラッグクィーン(女装のゲイ)がショーに参加するためにオーストラリアの広大な砂漠の中をバスで旅するというシンプルなお話です。
ドラッグクィーンって何?という人のために少し解説します。ドラッグクィーンとは華美な女装をした男性同性愛者のことです。期限は1700年頃までにさかのぼります。当時は西洋では女性が舞台に上がることが許されなかったために、男性が女性の役を演じていました。(日本の歌舞伎の女形みたいなものです。)そんな彼らが身につけていたドレスが裾の長いドレスだったそうです。そんな服を着る役者もDrags(引きずる)role(役)と呼ばれ、そこからDragと呼ばれるようになったそうです。そんな彼らが20世紀にはいるとフロアショーなどに出るようになり、1920年代のドイツでのパーティで今日知られている派手な服を着た人たちが現れ、1930年代のパリの夜の街に入り込んでいったそうです。1960年代からはミュージックシーンでも見られるようになったそうです。
ストーリー:「派手で華美な女装をして、アバやビレッジピープルなどの歌を口パクで歌うショーをしている3人のドラッグクィーン。彼らはオーストラリアの砂漠の中にあるリゾートホテルでのショーに参加するために中古バスを借りて、旅に出る。個性の強い3人は旅の途中で喧嘩をしたり、田舎町で偏見や差別にあったり、道中で出会った男性と恋に落ちたりと波乱万丈の珍道中。そんな笑いあり、涙ありのストーリーの中で浮かび上がる、ドラッグクィーンとして生きる苦悩やつらさ、そしてドラッグクィーンとしての夢や誇り。差別や偏見に傷つきながらも、めげることなく自分らしく生きていこうとする彼ら3人の姿を描く。」
この映画の見所は、衣装です。次から次に出てくる華麗で派手な衣装にみんな目を奪われると思います。(アカデミー賞衣装デザイン賞受賞)どこまでも広がる青空と砂漠と彼らの派手な衣装のコントラストはとても美しいです。
また映画の中で流れる曲は70年代のディスコクラッシックと呼ばれるような曲が多く選ばれており、どれも名ナンバーで素晴らしいです。映画の中で流れるこれらの曲を聴くだけで、元気になれます。
映画の中で流れる曲は以下の通りです。
1.愛はかげろうのように(シャーリーン)
2.ゴー・ウェスト(ヴィレッジ・ピープル)
3.ビリー・ドント・ビー・ア・ヒーロー(ペイパー・レイス)
4.マイ・ベイビー・ラウズ・ラヴィン(ホワイト・ブレインズ)
5.アイ・ラヴ・ザ・ナイトライフ(オリジナル・ヴァージョン)(アリシア・ブリッジズ)
6.キャント・ヘルプ・ラヴィン・ザット・マン(トラディ・リチャーズ)
7.恋のサヴァイヴァル(グロリア・ゲイナー)
8.ファイン・ロマンス(レナ・ホーン)
9.シェイク・ユア・グルーヴ・シング(オリジナル・ヴァージョン)(ビーチズ&ハーブ)
10.イフ・ザ・サン・ドント・シャイン(パティ・ペイジ)
11.ファイナリー(7″チョイス・ミックス)(シー・シー・ベニストン)
12.テイク・ア・レター・マリア(R.B.グリーヴス)
13.ママ・ミア(アバ)
14.セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト(ヴァネッサ・ウィリアムス)
15.アイ・ラヴ・ザ・ナイトライフ(リアル・ラビーノ 7″ミックス)(アリシア・ブリッジズ)
16.ゴー・ウェスト(オリジナル 12″ミックス)(ヴィレッジ・ピープル)
17.恋のサヴァイヴァル(1993フィル・ケルシー・クラシック 12″ミックス)(グロリア・ゲイナー)
18.シェイク・ユア・グルーヴ・シング(オリジナル 12″ミックス)(ビーチズ&ハーブ)
19.アイ・ラヴ・ザ・ナイトライフ(フィリップス・ダミアン・エクステンディッド・ヴォックス)(アリシア・ブリッジズ)
あと、この映画の主役3人を演じている俳優たちがとても魅力的です。 まず名優テレンス・スタンプ。60年代から活躍している俳優で「テレオマ」や「コレクター」などの作品が有名ですが、この映画では一番年長で、酸いも甘いも様々な人生体験をしてきたドラッグクィーンの生き様を貫禄ある演技で見せてくれます。続いてヒューゴ・ウィーヴィング。彼は最近「マトリックス」のスミス役や「ロード・オブ・ザ・リング」のエルフの王など大作映画に引っ張りだこですが、この映画では子持ちの父親であるドラッグクィーンの苦悩や葛藤をとてもうまく演じています。最後にガイ・ピアース。「メメント」などで有名ですが、この映画で夢と希望にあふれ、まだ人生を知らない若いドラッグクィーンを好演してます。
この映画、ドラッグクィーンの生き様を描く映画ということで、見るのを躊躇する人もいるかもしれませんが、主人公たちのめげないを見ると、とても元気がでます。是非、疲れたとき落ち込んだときに見てください!とてもハッピーな気持ちになりますよ。
製作年度 1994年
製作国・地域 オーストラリア
上映時間 103分
監督 ステファン・エリオット
脚本 ステファン・エリオット
音楽 ガイ・グロス
出演 テレンス・スタンプ 、ヒューゴ・ウィーヴィング 、ガイ・ピアース 、ビル・ハンター 、サラ・チャドウィック
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コメント
トラックバックありがとうございます。私にとっては偶然出会った映画ですが本当に元気が出ますね。サントラも私がリアルタイムで聴いていた曲ばかりなので懐かしさも手伝ってすっかりお気に入りの映画になりました。
投稿: utsubohan | 2005年12月23日 (金) 10時02分