「キング・コング」2回目の鑑賞
2回目の「キング・コング」の鑑賞に行ってきました。このブログでも以前キングコングについての紹介をしましたが、何回見ても私にとっては素晴らしい作品でした。
2回目ということもあり、細部にわたってじっくりと鑑賞できました。映像的には何回見ても驚きの連続です。ここ最近の映画はCGの発達ということもあり、どんな映像表現も可能になっており、少々の映像では驚きませんが、この映画はCGの使い方や見せ方が上手いですね。映画のメイキングDVDが発売されおり、そちらも見たのですが、多くのシーンがニュージランドの町中(主にスタジオとスタジオ外の駐車場)で撮られていることを知り驚きました。セットも最小限で髑髏島もニューヨークもほとんどがミニチュアとCGで作り込まれています。実写との違和感のなさに技術の進歩を思いました。また役者に演技させたデータを使ったコングの表情はとてもCGとは思えません。ここら辺はロード・オブ・ザ・リングのゴラムで使った技術をより発展させていると思います。また遠近織り交ぜ、あらゆる角度からキャラクターを捉えるカメラワークはCG技術が発展したからこそできる芸当ですね。
ストーリー的には、以前にも書いたように人間もコングも恐竜もどのキャラクターも愛情を込めて丁寧に描かれているのが伝わります。ただ丁寧に描かれすぎて話しの流れを悪くしているところもあるかなと思いました。この映画、3幕にわかれおり、1幕目の主人公たちの船旅、2幕目の髑髏島での冒険、3幕目のニューヨークでの悲劇という構成となっています。1幕目のシーンは主人公たちの心情が丁寧に描かれている反面、長すぎるかなと思います。2幕目は何も言うことありません。アンがコメディアン俳優という設定が見事活かされていて上手いなと思います。コングは思っている以上に人間臭く、そこがコングの怪獣としての魅力を減らしているような気もしますが、そこは評価の分かれるところでしょう。それにしてもコングは魅力的な男ですよね。ちょい不良で、照れ屋で、ケンカに強く、惚れた女を追いかける。一昔前の番長って感じですね。3幕目のニューヨークのシーンはジャックのアンに対する思いのシーンは不必要で、コングとヒロインとの関係にのみ絞っても良いかなとも個人的に思ったりしました。2幕目でコングとアンとの関係をあれだけ魅力的に描いていると、ジャックとアンとの今後の関係ってあまり興味わかないんですよね。あとラストの監督の言う「美女が野獣を殺した」というセリフは「おまえが連れてきたからだろう」と突っ込みを入れたくなりました。彼がいうセリフではないような気がします。(1933年の作品へのオマージュだとは知っていますが。)
この作品、全米で2週連続1位を獲得しているものの興行的には現在のところ苦戦を強いられているようです。確かに今さらキング・コングなんてと思う人もいるとありますし、上映時間もこの手の映画としては3時間7分と長いのも不利かもしれません。私は時間の長さは全く感じませんでしたが、もう少し短くしたほうが、より多くの人を満足させることができたかなとも思います。ただ、この映画に対する監督の情熱や愛情の深さを知っているので、この映画をこれ以上尺を短くすることができなかったのもよく分かります。きっと本当はもっと長い作品にしたかったんだろうなとも思います。メイキングを見ると、本編に入っていないシーンが多く撮影されているようです。(きっと完全版DVDがでると思ってます。)だからここらへんの上映時間の判断というのはとても難しいものだと思います。
今回もいろいろと書きましたが、この映画は本当に監督のキング・コングに対する意気込みと愛情が伝わってくる作品です。私は大好きな作品なので、この映画多くの人に見てもらいたいと思ってます。
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コメント
TBありがとうございました♪
2回観られたんですか?ほほほぉ~
私も今度は吹き替えを観にいこうかな?と
思ってます。
最初の方は少し長かったように思えますが、
丁寧に見せてくれたので、最後の感動が増したんでしょうね。長い映画も無駄なもんじゃあなかったら全然OKですよ(^^)
この映画、私が観た今年の映画ベストではエピソード3の次に入ります。それってすごいことなんです(><)私の中で。
投稿: きよ | 2005年12月31日 (土) 20時21分
TBありがとうございます。
私はピーター・ジャクソンの作品は、LotRとこの映画しか見たことありませんが、とてもとても(いい意味で)欲張りな人なのかな、なんて思いました。スクリーン内の世界を膨らませる要素を、出来るだけ含ませたい、削りたくない、といったように。その分どうしても尺が長くなってしまいますが、そこが彼の作品の魅力なのかもしれないですね(2作しか見ていないのに語るのはおこがましいですけれど)。
>この映画に対する監督の情熱や愛情の深さ
まったくその通りですよね。その部分に関しては、素直に感動、脱帽ものです。
投稿: kirohia | 2005年12月31日 (土) 11時20分
はじめまして。「ほどける靴紐」にTBありがとうございました。3幕目のジャックのこととか、そうそう、と思える感想に出会えてうれしいです。そのうえ「フィッシャー・キング」、テリーギリアムまで!「フィッシャー・キング」の記事にTB張らせていただきました。私のブログはぜんぜんゆるゆるですけども、また気が向いたときにお立ち寄りください。では!
投稿: kutsuhimo | 2005年12月31日 (土) 01時59分