私の映画遍歴3「80年代スピルバーグにはまる」
70年代後半から80年代一番勢いのあった映画監督と言えば、スティーブン・スピルバーグ。彼の映画は軒並み世界中で興行収入のベストテンを占め、出る映画はヒット間違えなしでした。皆さん一度は見たことがあると思います。80年代後半一度勢いが落ちましたが、90年以降は念願のアカデミー監督賞も受賞し、映画制作会社・ドリームワークスを設立。映画界のトップメーカーとして今も定期的に話題作を提供してくれています。
彼は今までにたくさんの映画を制作・監督していますが、私が一番好きだったのは70年後半から80年前半の時代に作られた作品です。この時代の代表作は「激突」「未知との遭遇」「ジョーズ」「レイダース」「ET」と娯楽作・大作が目立ちます。このころの彼の映画は見世物小屋的要素が多く、次々と目新しい見世物を見せてくれるので私としては彼の次回作を楽しみに待っていたものです。彼の映画は見て考えるというより、体感する映画が多いです。日常で希薄になった怖いもの・不思議なもの見たいという欲望を彼の映画は満たしてくれます。90年代も「ジュラッシックパーク」というすごい見世物を見せてくれたのですが、この映画は生々しい恐竜にインパクトがあったものの、見せ方や話の進め方は80年前半までの方が面白いなと私は見た当時は思ったものです。
彼の映画との最初の出会いはテレビでの「激突」というテレビ映画でした。この映画は主人公の中年男性が車に乗っているとき、タンクローリーを抜かしてしまい、その恨みからか、タンクローリーに襲われ、逃げるというシンプルな話です。このシンプルな話をスピルバーグは演出の巧みさで一気に見せきってしまいます。
彼の映画は見せ方がとても上手いです。なかなかそのものを見せない演出とそのものを一気に見せつける演出は特に巧みです。(これはジョーズを見ると良くわかります。前半なかなか正体を現さない演出と後半の鮫との格闘シーンで鮫そのものを見せ付ける演出!最近の宇宙戦争もこの演出が前半巧みでしたね)。また映画のテンポも良く、サスペンスシーンの盛り上げ方も上手で、観客を映画の中に巻き込んでくれますよね。
また、この頃の彼の映画には(べたな言い方をすると)どこかロマンがあったんですよね。彼の映画が提供する鮫との格闘や冒険そして宇宙などの非日常的なものに対するロマンに小学生の私はあこがれたものです。ちなみに私が一番ロマンを感じたのは「未知と遭遇」はです。ぜひ皆さんも見てみてください。夜空を見上げたくなります。
最近の彼の映画ももちろん好きで欠かさず見てますが、以前に比べるとどこかロマンを感じないんですよね。スピルバーグも大人になってしまったのか、最近の映画はロマンを追い求めるというより、家族をテーマにした映画が多いですね。(宇宙戦争ですら家族が前面に出ていた映画でしたからね。)
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